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『TPPの真実(前編)①』三橋貴明 AJER2013.3.12(1)

http://youtu.be/oy6A4APiI0k

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・3月29日(金)紀伊國屋書店  『これが日本経済《世界「超」最強》の仕組み』(ヒカルランド)刊行記念 三橋貴明VS岩本沙弓トークセッション&サイン会「アベノミクスは世界のロールモデル(規範)になり得るか?」
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 自由社「希臘から来たソフィア 」、おかげさまで大増刷が決定いたしました。「コレキヨの恋文 」の続編です。ぜひ、ご一読を。


 ワック社から「日本経済は、中国がなくてもまったく心配ない (WAC BOOK) 」が発売になりました。

 本書は、「図解 それでも、日本経済が世界最強という真実 」「いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由 (WAC BOOK) 」の中国版です。ワック社の、
「グラフと図で経済を視覚的に理解しよう」
 シリーズの中国版というわけでございます。


 さて、中国は恐ろしいほど分かりやすいモデルの国で、
「軍事力を高めるために、経済成長する。そのためであれば、人民(国民ではないです)は犠牲になっても構わない
 というコンセプトの経済政策を打ち続け、さらに事実上、国内は共産官僚、太子党、さらにグローバル資本の植民地になっています。人民元安、賃金安、環境や安全への配慮なしという、「企業」が純利益を膨らませるには最適化されたモデルで、経済成長を続けて来たわけでございます。


 中国の北京市の空気中のPM2.5の濃度は、WHO(世界保健機関)基準の40倍を超えると報じられており、改善の見込みはありません。しかも、北京市は中国で最も大気汚染がひどい地域、というわけではありません。


 さらに、中国は水質汚染も凄まじく、中国当局でさえ、
全国97%の地下水が汚染され、約64%の都市地下水の汚染は非常に深刻だ
 と発表せざるを得ない事態に至っています。


 アメリカのノーベル経済学者であるジョセフ・スティグリッツ教授は、企業が「環境コスト」「安全コスト」を支払わず超過利潤を得る行為についても、
「レント・シーキングである」
 と、猛烈に批判しています。本来、企業がビジネスを展開するに当たり、環境や安全のためのコストを支払わなければならないが、現実には払っていないケースが多い。この種のレント・シーキングについては、環境税、安全税などで税金をかけ、対策の費用に充てるべし、と、主張しているわけです。


 中国はスティグリッツ教授の定義による「レント・シーキング」を繰り返す企業で溢れ返っているわけでございますが、何しろ同国は共産独裁国です。人民に選挙権は有りませんので、日本やアメリカのように「民主主義で、事態を打開する」という方法すらとれないわけです。


 しかも、中国の環境汚染は日本にも影響を及ぼします。日本経済は、中国がなくてもまったく心配ないでしょうが、「環境」というファクターもあるわけでございますね。


 さて、スティグリッツ教授が来日しました。


TPP「日米国民のためにならぬ可能性」 米大教授
http://www.asahi.com/business/update/0322/TKY201303220320.html?tr=pc
 ノーベル経済学賞の受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は22日、都内で朝日新聞などのインタビューに応じた。環太平洋経済連携協定(TPP)について、「日米両国の国民のためにならない可能性がある」とクギを刺した。
 スティグリッツ氏は、TPP交渉で米国が遺伝子組み換え食品の表示義務の撤廃を求める可能性があることについて「他の多くの国も、米国民も、撤廃すべきだとは思っていない」と指摘した。特許などの知的財産の保護を米国が強く主張していることに対しては「(価格の安い)後発医薬品が作りにくくなったり、途上国の発展を妨げたりするおそれがある」と言及。いずれも米政府が自国企業など一部の利益を守ろうとしていると批判した。
 日本の自動車市場が閉鎖的だと米国が主張していることに関しては「米国産大型車が日本で売れないのは燃費が悪く、社会が望む商品を提供できていないのだから当然だ」と述べた。 (後略)』


 スティグリッツ教授は、以前からTPPについて問題視していました。


http://www.nationmultimedia.com/business/Avoid-mistakes-of-the-West-Stiglitz-30202103.html
Stiglitz said corporations' lobbying of politicians was standing in the way of resolving economic problems.
He also warned that the Trans-Pacific Strategic Economic Partnership (TPP) that the US is trying to reach with other countries is dangerous.
"While negotiations are behind closed doors, cooperation is on the table," he said.
Drug companies, for example, are among the corporations lobbying politicians in secret negotiations, he said.
"The objective [of drug companies] is to make profit. The way they do this is to make you pay high prices even though the basic research is paid for by the American government," he said.
"They are very bad for the development of generic drug industries. Thailand is one of the good countries in this area. It would be a mistake for you to give up on that. And if you join the TPP, you will have to," he said.
During his visit to Thailand last year, US President Barack Obama tried to convince Thailand to join in the TPP. 』


 要約すると、TPPの目的(知的財産権の部分)の一つに、アメリカ政府がおカネを投じた基礎研究を利用し、米国製薬会社が薬品で巨額利益を稼ぎ、ジェネリック薬品の普及を防ごうとしていることがある(これだけじゃないですが)。この手の協定を、タイは結んではいけない、と言っているわけでございます。政府の研究を活用し、企業が超過利潤を得るというのも、レント・シーキングの一種ですね。


 ポイントは、やはり一行目。


Stiglitz said corporations' lobbying of politicians was standing in the way of resolving economic problems.

「スティグリッツ教授は、政治家への企業のロビー活動が経済的な問題解決の道に立ち塞がっていると述べた。」


 要は、そういう話なのです。TPPが純粋な「自由貿易」であれば、わたくしもここまで反対はしないのです。そうではなく、企業のレント・シーキングを容易にすることが目的であるというのならば、これは民主主義国の一国民として反対せざるを得ません。


 ちなみに、自民党のTPP対策会議は、上記のジェネリック薬品などの問題も議論しています。つまり、自民党の反対派は、TPPの目的にレント・シーキングがあるのではないかと、本質的なところまで理解して反対していたのです。


日本の参加承認、早くても4月下旬=「7月会合」は困難に-TPP交渉
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013032200478
 日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題で、米国やニュージーランドなど全11カ国の政府が日本の参加を承認するのは、最速でも4月下旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせて開かれるTPP閣僚会合時にずれ込む見通しであることが、21日分かった。ニュージーランドが、同会合で日本の参加問題を協議する意向を示しているほか、米政府と議会の調整難航などが理由だ。
 日本のTPP交渉参加問題をめぐる事前協議で、これまでに日本の参加を承認していないと明言しているのは、米国と豪州、ニュージーランドの3カ国。このうち、ニュージーランドは、「(4月下旬のTPP閣僚会合で)日本の交渉参加をめぐる次のステップについて協議したい」との意向を表明している。
 一方、米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は20日の記者会見で、日本の交渉参加を承認するかどうかの判断は「11カ国の総意で決定する」と言明。米国が単独で日本の参加を承認することはないとの見解を示した。
 TPP交渉に詳しい業界関係者によると、日本の交渉参加をめぐる米政府と議会の調整も難航しているもよう。今週に入り、USTRは、対日協議を担当するカトラー代表補らが出席して、米業界団体などへのTPP交渉に関する非公式の説明会を開催したが、その席でも具体的な参加承認の表明時期への言及はなかったという。
 日本がTPP交渉国会合に正式参加できるのは、米政府が議会に通知してから90日後となる。このため日本が交渉国会合に参加できるのは8月以降となる公算が大きく、11カ国が開催を検討している7月の交渉国会合に日本が正式参加するのは困難な情勢だ。11カ国は10月の大筋合意を目指しており、日本がルールづくりに参加できる余地が一段と狭まる可能性がある。』


 TPPの今後の交渉は、5月、9月、そして「もしかしたら7月も」という話だったのですが、P11諸国の日本交渉参加承認が4月にずれ込むと、米国議会の批准手続きを経なければならず、最速でも「8月から」ということになってしまいそうです。すなわち、10月の大筋合意前に日本が参加できる交渉は、9月に一回きりであるという可能性が濃厚になってきました。


 一度きりの交渉で、「過去の合意を覆すのが難しい」状況で、果たして日本は自民党が決議した各種の条件をTPPに盛り込むことができるのでしょうか。この点について、安倍総理が説明責任を果たされたとは思えません。


「日本の要求を盛り込めなければ、交渉から離脱する」
 と断言してくれるのであれば、これは説明責任を果たしたことになります。 とはいえ、安倍総理はこの点については記者会見で明言しませんでした。


 スケジュール的には、交渉参加「前」の段階で参議院選挙があります。というわけで、わたくしは自民党の参議院選挙の公約に「六つの判断基準」「判断基準が守られない場合の交渉離脱」を明記してもらうよう、今後、自民党の政治家の皆様に働きかけていきたいと思います。


「自民党は【六つの判断基準】と【交渉離脱】について公約に書くべき!」にご賛同下さる方は、

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◆一般参加可能な講演会はこちら。

【3月28日 因島商工会議所後援会「アベノミクスでどうなる日本経済?!」】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_41.html#0328  

【3月31日 下館青年会議所講演会「日本経済の嘘と真実!!」】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Shimodate
【4月6日 FUNAI MEDIAセミナー「アベノミクスで激変!日本経済はどうなる!?」】
http://www.funaimedia.com/seminars/seminars_main.html?data_id=287


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