聖域

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『TPPの真実(前編)①』三橋貴明 AJER2013.3.12(1)

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 自民党のTPP対策委員会が決議文を採択しました。


農産物などは聖域…自民TPP対策委、決議了承
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130313-OYT1T01271.htm
 自民党のTPP対策委員会(西川公也委員長)は13日夜、党本部で総会を開き、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で農産品などを関税撤廃の例外とするよう政府に求める党決議を行い、交渉参加の判断を安倍首相に一任した。
 14日に首相に決議文を示す。
 会議は100人余りの国会議員が出席し、約2時間に及んだ。決議は、対策委の分野別作業チームが示した、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物(サトウキビなど)の5品目と国民皆保険制度について「聖域(死活的利益)の確保を最優先し、確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」と明記した。当初案にこの文言はなかったが、作業チームの検討結果を踏まえ、西川氏らが、「脱退も辞さない覚悟で交渉にあたるべきだ」との文章を追加し、総会で文末が「辞さないものとする」と、やや強い表現に修正された。
 一方で決議は「交渉に参加しなければアジア太平洋地域の成長を十分に取り込めない」とし、「岐路に立つ日本の経済・社会が今後進むべき方向を選択するという高い見地」に立って、「国家百年の計に基づく大きな決断をしていただきたい」と首相に判断を委ねる立場も明確にした。
 これに関連し、公明党は13日のTPPに関するプロジェクトチームの会合で、TPP参加が与える影響に関する政府試算を、首相の交渉参加表明と同時に公表するよう政府に要請した。』


 全文見るまで何とも言えませんが、いずれにせよマスコミは例により「農業問題」に矮小化しようとしてくるのは間違いないので(全文を掲載しないと思います)ご注意ください。


 とはいえ、農業が重要ではないという話ではありません、もちろん。
 元々の対策委員会グループ4のとりまとめ案では、農業については、「コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物」という重要品目について、
除外または再協議の対象となること」
「10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めない
 となっていましたが、最初から除外されているならともかく、「再協議」は可能なのでしょうか。


 また、国民皆保険制度については、グループ3の論点段階で、
「混合診療の全面解禁や営利企業の医療参入を認めないことなど、我が国の安心・安全な医療が損なわれないように対応すること」
「医薬品価格ひいては医療費全体の高騰をまねくような薬価制度の改悪を受け入れることがないようにすること」
 と、結構「ポイント」を抑えていました。
 
 ISDについては、グループ2の論点段階で、
「TPP交渉の中でISD条項を勝ち取らなければならない必然性を現時点では有しておらず、ISD条項の除外を前提の交渉に挑むべきである
「仮に、ISD条項が不可避となる場合には、濫訴防止策や明確かつ合理的な付託基準を求めるべきである」
 となっており
、やはり「ポイント」を抑えていました。


 このあたりが、どのように「決議」に盛り込まれているか、現時点では未確認です。


 決議文に、
「聖域(死活的利益)の確保を最優先し、確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」
 と書かれているのは間違いないようですが、「聖域」がどうなっているのか、本エントリーを書いている時点では不明なのです。読売の記事などによると、農産物五品目と国民皆保険制度の二つのようですが、具体的な中身が現時点では分かりません。
 
 TPP対策委員会の調査、検討は幅広く、一応、21分野全てについてまたがっています。とはいえ、基本的には「交渉議長国の発表」「各国への聞き取り」といった方法で情報を入手するしかありません。
 すなわち、「細かいところはさっぱり分からない」という話です。


 また、TPP交渉国側の動きを見ると、「聖域」以前の問題のように思えてなりません。


TPP協定素案 7月まで閲覧できず
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013031390070641.html
 環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、日本が交渉参加を近く正式表明した場合でも、参加国と認められるまでの三カ月以上、政府は協定条文の素案や、これまでの交渉経過を閲覧できないことが分かった。複数の交渉関係筋が十二日、明らかにした。
 オバマ米政権が「年内妥結」を目指し各国が交渉を進展させる中で、日本が交渉の詳細情報を得られるのは、最速でも三カ月以上たった七月ごろ。正確な情報を得るのが遅れ、日本が不利な状況で交渉を迫られるのは確実で、貿易や投資、各国共通の規制のルール作りに日本側の主張を反映させる余地がますます限られてくる。
 交渉筋によると、正式に参加国と認められた段階で閲覧できるのは、各国がこれまでに協議して決めた協定の素案や、各国の提案、説明資料、交渉に関わるEメールなどで、数千ページにのぼる。参加国以外には公表しない取り決めになっている。
 日本政府は協議対象となる輸入品にかける税金(関税)の撤廃や削減、食品の安全基準のルール作りなど二十一分野で関係省庁が個別に情報収集しているが、交渉の正確な内容を入手できていない。ある交渉担当者は、日本側の関心分野の多くは「参加国となって文書を見られるまで、正式には内容が分からないところがある」と述べた。(後略)』


日本の「聖域」主張に各国が懸念 合意厳守要求へ

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130313/plc13031308420004-n1.htm
 シンガポールで開催中の環太平洋連携協定(TPP)拡大交渉会合で、日本が交渉参加をめぐり一部農産品などの関税撤廃を例外扱いし「聖域」を設定するよう求めることに、複数の国が懸念を示したことが分かった。これまでの交渉会合で積み重ねた合意を厳守するよう、日本に求めることでも一致した
 交渉筋が明らかにした。交渉会合は13日に閉幕。先行11カ国は日本の交渉入りを表向きは歓迎するとみられるが、農産品などの聖域死守を方針とする安倍政権に打撃となりそうだ。安倍晋三首相は15日に交渉への参加を表明する見通し。
 交渉筋によると、会合では日本の参加問題が正式に取り上げられた。参加国の一部は日本政府が先行11カ国との個別の事前協議で、コメなどの関税撤廃を例外にできるか打診してきたことを問題視。「日本はカナダやメキシコのように、前提条件を付けずに交渉入りすべきだ」(同筋)との意見が出た。』


 そりゃまあ、そうなりますよね。
「日本はカナダやメキシコのように、前提条件を付けずに交渉入りすべきだ」
 という話になってしまうと、日本側が「聖域」としていかにハードルを上げようとも、無意味になってしまいます。


 そして、ここで改めて考えてみると、上記のようなドタバタを繰り広げ、何とか「聖域」を守りつつTPPに交渉参加したとして、「日本のメリット」が何なのか、相変わらずさっぱり分からないという点です。

 自民党の決議文にしても、

「アジア太平洋地域の成長を十分に取り込む」

 程度のことしか書いていないようですし(さすがに「アジアの成長」よりはほんの少し進歩しましたが)。
 TPPとは、本当に不毛なイシューです。とはいえ、その影響範囲があまりにも大きすぎるため、わたくしとしては「交渉参加」についても断固として反対していくつもりでございます。


我が国にとって有害無益なTPP交渉参加反対!に、ご賛同下さる方は、

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