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『TPPの真実(前編)①』三橋貴明 AJER2013.3.12(1)

http://youtu.be/oy6A4APiI0k

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 自由社「希臘から来たソフィア 」、おかげさまで大増刷が決定いたしました。最近は、Amazonのみではなく、書店の方からも注文が増えてきました。書店が注文を増やすトリガーって、何なんですかね。この辺の仕組みが今一つ分かりません。


 さて、アベノミクスの「金融政策」と「財政政策」は、規模や細かい中身はともかく、まともな方向に進んで行っています。問題は三つ目の「成長戦略」


 「成長戦略」がダメという話ではなく、成長戦略にかこつけ、TPPやら電力自由化やら「雇用の流動性強化」「最低賃金制度の『改革』」とやら、新古典派経済学に基づく「グローバリズム的」な政策を推進しようとする連中が少なくないのです。無論、獅子身中の虫は自民党内にもいます


 3月15日に、新聞報道によると何度目になるか分からない「安倍首相、TPP交渉参加表明」があるとのことですが、一体、安倍総理は何回「交渉参加表明」とやらをやればいいんでしょうか。


 散々に「交渉参加表明!」の見出しの記事を書いて、実は「政府関係者」と称する自民党推進派のミスリードだったり、経済産業省の飛ばしだったりを繰り返してきたわけですが、いい加減に日本の新聞やテレビも「学習」した方が良いのでは。


 とはいえ、さすがに少しは学習したようで、今回の3月15日の件は、ちょっと見出しが面白い。(※例により、今回もソースは「政府関係者」)


『NHK 首相 15日TPP交渉参加表明を検討
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130313/k10013158911000.html

『産経新聞 交渉参加、15日に表明 首相調整
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130313/stt13031301400000-n1.htm

『朝日新聞 TPP交渉参加、15日に正式表明へ 首相が意向固める
http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201303120555.html

『読売新聞 安倍首相、TPP交渉参加を15日に表明
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130312-OYT1T01637.htm


 以前は全新聞が「交渉参加表明!」と断定的に書いていたのが、今回は「検討」だの「調整」だの、ワンクッション置くところが出てきています。朝日新聞の記事によると、今回の「表明」の元ネタは、
「安倍晋三首相は15日に環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を表明する意向を固め、自民党幹部に伝えた。」
 とのことでございますので、例により参議院議員S氏である可能性が高いと思います。(「自民党幹部」が)


 あのね、新聞記者さんね。いい加減に「政府関係者」「自民党幹部」に騙され続けるのはやめにして、安倍総理本人の発言を取ってきて、国民に伝えてくれませんか。それが新聞記者の仕事でしょうに・・・・。


 現在、自民党のTPP対策委員会は五つのグループに分かれ、激論が続けられています。


(1) 外交:各国交渉団の体制、TPP交渉方式と改善点、FTA(米韓、米豪、日豪)、メディア(外資規制、再販制度)、ジョーンズ法・国内補助金等
(2) 財金:ファンド、ISDの必要性、金融サービス(簡保・郵貯・共済)、政府調達、関税、課徴金、公営企業(NTT、JR等)
(3) 厚労:医療保険制度、医薬品の特許権、食の安全・安心、医師・看護士等の資格
(4) 農林:日本農業の現状とあるべき姿、TPPでの日本の主張、ミニマムアクセス米、漁業補助金
(5) 経産:自動車問題等(安全基準、環境基準、数値目標等)、日本に対する米国の主張、工業製品のTPP各国関税等、米国産シェールガスの輸出入)


 上記の日本国民に極めて意味がある情報をほとんど流さず(農業のみ流す)、自民党内TPP推進派の「交渉参加表明するよ」というリークに頼りきり、幾度となく「虚報」を繰り返す。そんなことをしているから、日本の新聞は読者がどんどん減っていっているのです。


 ところで、TPPやEU、ユーロに代表されるグローバリズムに完璧に取り込まれ、国民経済を壊されてしまったギリシャは以下の通り。


ギリシャ:10-12月は18期連続マイナス成長,速報より縮小小幅
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJHQYG6JIL1Y01.html
 ギリシャ経済は2012年10-12月(第4四半期)に18四半期連続のマイナス成長となった。消費と投資が減少した。
 国家統計局が11日電子メールで発表した第4四半期国内総生産(GDP、改定値)は前年同期比5.7%減。7-9月(第3四半期)は同6.7%減だった。第4四半期の縮小幅は、2月14日発表の速報値(6%)よりは小幅だった。
 ギリシャの景気後退は、救済に伴う財政緊縮策によって増幅されている。昨年第4四半期の総固定資産形成は前年同期比10.3%減、最終消費支出は同9%減だった。
 数字は季節調整前のデータに基づく。12年通年では6.4%のマイナス成長だった。 』


 18期連続マイナス成長ということは、54か月間、四年以上もギリシャ経済は成長していないという話です。さすがに、ギリシャ経済のマイナス成長を継続させているのは「救済に伴う財政緊縮策」であることが認識され始めてきています。


 そもそも、なぜ支援国や国際機関がギリシャに緊縮財政を強要するかと言えば、
「緊縮財政をすれば国際金融市場が評価し、金利が下がり(今のギリシャの長期金利は10%)、企業がおカネを借りやすくなり、投資が増え、経済が成長する
 という話なのですが、現実には、
「緊縮財政をすれば国民経済が収縮し、国民の所得が減り、税収が減少し、財政が悪化する
 ことをギリシャは繰り返しています。


 そもそも、バブル崩壊後の国は長期金利が0.64%であっても、企業の投資が増えず、経済が成長路線に向かわないのです。すなわち、日本のことですが、ドイツなどの緊縮財政派は、
「金利を引き下げれば企業が投資を増やし、経済が成長する」
 という、目の前の現実に否定されるプロセスを信奉しており、要するに彼らの頭の中に未だに「セイの法則」が存在していることが分かります。


 現実の世界では、モノやサービスは生産しても「購入されない」可能性があり、「供給が需要を創りだす(セイの法則)」など世迷言でしかないのです(少なくともデフレ期は)。何しろ、企業も家計も揃えたように「貯蓄(借金返済含む)」に走るのがバブル崩壊後の国民経済なのです。


 日本の構造改革主義者たち、新古典派経済学「かぶれ」たちの頭の中にも、この「セイの法則」がいまだに存在しています。まさに、この点こそがわたくし共と「彼ら」との決定的な違いです。

 
 話をTPPに戻しますが、各国で完全雇用やセイの法則が成立していない以上、「貿易・投資を自由化すれば、各国がウィンウィン!」などというシンプルな話にはなりません。ちょっと面白いと思ったのは、自民党の高市早苗政調会長が、3月9日に宇都宮市で講演し、政府が近くまとめるTPPの国内産業への影響などに関する統一試算について、
「交渉次第で関税率などの前提が違ってくる。今、信ぴょう性のある試算は期待できない
 との認識を示したことです。


 そりゃまあ、関税以前に為替レート、物価水準がいかに変動するかにより、TPPの影響は変わってきます。そして、TPPにより国内物価が下がり、デフレが深刻化し、円高に舞い戻ってしまう場合は、TPPは、
日本経済をマイナス成長にする
 という試算以外は出てこないのです。


 とはいえ、「試算の信ぴょう性が無い」ということで発表を取りやめれば、それこそ、
メリットも提示せずに、TPP交渉参加を検討しているのか!
 ということで、自民党の反対派や野党から猛反発を浴びることになります。当然、わたくしも批判派の先頭に立ち、声高に「TPP交渉参加反対!」を叫ぶつもりです。


 また、高市政調会長は、試算の信ぴょう性の問題に合わせ、
「TPPを巡る交渉で日本の主張が十分受け入れられなければ参加は難しい」
 との見解を示していますが、そもそも「過去の合意を覆さない」という念書にサインをさせられ、かつ9月の一度きりの交渉参加では、日本の主張が受け入れられる可能性は皆無に等しいでしょう。


 安倍総理が近々いかなる判断を下すかは分かりませんが、マスコミが煽るように、
「TPP交渉参加!!!ウリイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッッッッッッッッッッッッ!!!」
 などというシンプルな「判断」は不可能です。やったらやったで、「TPPのメリット」「念書問題」「交渉のスケジュール問題」で説明を求められてしまいます。 


 というわけで、現時点で安倍総理が下せる「判断」は、日本式の玉虫色的表現で先送り以外には有り得ないと考えているわけでございます。


日本にとって有害無益なTPP交渉参加反対!に、ご賛同下さる方は、

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◆一般参加可能な講演会はこちら。

【3月28日 因島商工会議所後援会「アベノミクスでどうなる日本経済?!」】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_41.html#0328  

【3月31日 下館青年会議所講演会「日本経済の嘘と真実!!」】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Shimodate
【4月6日 FUNAI MEDIAセミナー「アベノミクスで激変!日本経済はどうなる!?」】
http://www.funaimedia.com/seminars/seminars_main.html?data_id=287


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