財政の崖

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チャンネルAJER 更新いたしました。今回のテーマは「日本の公共事業の現実」です。

『日本の公共事業の現実①』三橋貴明  AJER2012.7.10(3)
『日本の公共事業の現実②』三橋貴明  AJER2012.7.10(4)

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8月26日(日)15時-山陽小野田市シンポジウム「企業誘致フォーラム」 開催

8月30日(木)18時30分-大阪「三橋貴明が語る!政治・経済の真実『メディアの大罪』 」講演会開催

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 昨日の無料メルマガでTVタックルの放映日を23日(かも)とお伝えしてしまいましたが、放映日は7月30日でした。訂正してお詫び申し上げます。


テレビ朝日 ビートたけしのTVタックル『豹変!? 野田総理強気中国外交は本物か?~』
放送日: 7月30日(月)21:00~21:54放送予定


 23日(月)には三橋は登場いたしませんので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
 
 8月26日(15:00-)の山陽小野田市シンポジウム「企業誘致フォーラム」 のチラシをアップ致しました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_38.html#Sanyo
 本シンポジウムでは三橋は講演と同時に、シンポジウムのコーディネーターも務めさせて頂く予定でございます。よろしくお願いいたします。


【写真 7月18日 TOKYO MX 左からアッカさん、安藤さん、三橋、水道橋博士、ヒョンギさん、ソニアさん】
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

 すみません、昨日ばたばたしており、TOKYO MX「ゴールデンアワー」出演の告知を失念していました。昨日のMXでは、TPPに関連してメディアの印象操作、ミスリード、そして「政府調達」「競争政策」をTPPで自由化する恐怖についてお話しさせて頂きました。


 さて、「世界経済」関連のご投稿を(東田剛様)からまとめて頂戴いたしましたので、ご紹介。今後の日本の「成長」を考える上で、極めて重要な情報ばかりでございます。


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(1)米国経済の停滞とFiscal Cliff問題

 米国は株価が上昇しても高所得者しか儲からず、債務で苦しむ中低所得者は恩恵を被らないので、景気回復が遅れる。
 加えて、Fiscal Cliff(財政の崖)問題がある。
【日銀レポート】
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2012/data/rev12j12.pdf


 「財政の崖]問題とは、ブッシュ減税が年末で期限切れになり、昨年8月の予算管理法に基づく強制的な政府支出カットが行われるので、2013年にかけてアメリカ経済にGDP3.7%相当の財政引き締め効果が出るという、米国議会予算局(CBO)が発した警告を意味しています(そこでCBOは、財政出動を推奨しています)。


【Economic Effects of Reducing the Fiscal Restraint That Is Scheduled to Occur in 2013】
(2013年に予定されている緊縮財政の経済効果)
http://www.cbo.gov/publication/43262


 先日の経済討論で、廣宮氏が取り上げていた話と同じだと思います。

 「財政の崖」によりGDPのマイナス成長が決定的になると、FRBはQE3に踏み切らざるをえなくなります


FRB議長:景気浮揚に向け「追加措置を取る」用意と表明
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7B5XK6S973Y01.html

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、雇用の改善に向けた動きは「いら立たしいほど遅い」ものになる可能性が高いとし、金融当局には景気浮揚に向け行動する用意があるとあらためて表明した。同議長は17日、上院銀行委員会で証言した。 (後略)』


 しかし、例により資金需要のない中で金融緩和しても、投機マネーが発生して食料価格(2)や原油価格(3)に「ドル」がなだれ込み、コストプッシュ・インフレ(スタグフレーション)を引き起こす恐れがあります。QE2の時は、まさにそうなりました。
 加えて、円高は今以上に進展することになります(これもQE2の時と同じ)


 無論、リーマンショックのような突発的な危機が起きたり、需要が低迷すれば、食料やエネルギーの価格はそれなりに落ち着きますが、干ばつや中東の政情不安といったリアルな供給不足の問題は残ることになります。


(2)米国の干ばつ


深刻化する干ばつ、米経済の頼みの綱の農業脅かす
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7A6TN6KLVSH01.html
 雲一つない青空が、これほど不吉に見えることはめったにない。
 米国ではインディアナ州やアーカンソー州、カリフォルニア州が過去数十年間で最悪の干ばつに見舞われ穀物生産や地方経済に被害が出ており、食料価格は過去最高水準に上昇する恐れがある。農業は15兆5000億ドル規模の米経済の小さな部分を占めるにすぎないが、リセッション(景気後退)からの脱却の険しい道のりの途上にあった過去3年間、最も回復力を示していた産業に一つだった。
 ウェルズ・ファーゴ(ミネアポリス)の農業担当エコノミスト、マイケル・スワンソン氏は「干ばつは米経済にとって、向こう4四半期にわたり、あらゆる局面に織り込まれる500億ドル規模の事象になるだろう」と指摘。「食料価格は過去最高水準から下落するのではなく、上昇すると予想される」と述べた。(後略)』


 当たり前ですが、TPPが成立していようがいまいが、アメリカ政府は「自国民の食」を守るためであれば、普通に輸出を減らすでしょう。自国民を飢えさせてまで食料の輸出を続けたのは、わたくしは毛沢東以外に例を知りません。


 先日の建設産業も同じですが、「国民を飢えさせない」は新自由主義者お好みの経済合理性を上回る優先順位になると確信しているわけです。


(3)エネルギー市場のリスク

 食料価格の高騰は、エジプト政変のように、中東やアフリカの政情を不安にします。結果、エネルギー市場のリスクを高めるわけです。
 加えて、イラン情勢が緊迫しています。


【U.S. deploys sea drones to Persian Gulf to clear Iranian mines】
(米国はイランの機雷をクリアするためにペルシャ湾に海洋無人機を配備)
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-iran-navy-20120712,0,5308488.story


 石油・天然ガス市場のリスクが高まれば、原発が止まり、火力に傾斜している日本経済に打撃を与えることになります。


【高まる火力発電への依存~ 2012年度の燃料費は、10年度対比約4兆円の増加に ~】
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/6111.pdf


 これに加えて、再生可能エネルギーの買い取りによる電力価格の上昇、発送電分離・電力自由化による電力価格の上昇(と電力会社の収益力低下にともなう投資の減退)のリスクがあります。 

 欧米では、発送電分離・電力自由化は、2000年代のエネルギー価格上昇の局面で電力価格を自由化前よりも上昇させました。市場原理が機能しない電力市場は、供給不足の局面で自由競争を行えば、価格の高止まりを引き起こす構造になっています。


(4)LIBOR問題

 既に頻繁に報道されているLIBOR問題は、信用不安を高めており、金融政策の効果を無効化する可能性があります。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7BBFY6JTSFW01.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1103M_R10C12A7000000/
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1303H_T10C12A7MM0000/


(5)新興国のリスク

 欧米への輸出頼みの新興国は、欧米の不況が長期化すれば停滞は免れません(デカップリング論は破綻しました)。新興国は外資依存度が高く、しかも欧州の比率が高いので、欧州危機による巻き戻しの影響が大きいわけです。


IMFが世界の成長率下方修正、欧州と新興国がリスク
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120716/fnc12071622310000-n1.htm
 国際通貨基金(IMF)は16日に発表した世界経済見通しで、2012年の世界全体の実質成長率を、4月予想時の3・6%から3・5%と小幅ながら下方修正した。欧州債務危機の影響で新興国の減速が目立つなど、「世界経済はリスクにさらされている」と警告している。13年の成長率も従来予想の4・1%から3・9%に引き下げた。
 新興国の成長鈍化は深刻で、12年の成長率を、中国は0・2ポイント下方修正し8・0%、インドは0・7ポイントと大きく引き下げ6・1%とした。特に経済成長に急ブレーキがかかった中国は、「投資が急激に落ち込み、ハードランディングする深刻なリスク」がくすぶっている。(後略)』


焦点:対中国輸出に依存する中南米経済、中国減速で打撃か
http://jp.reuters.com/article/jpchina/idJPTYE86B04C20120712
 中南米諸国は、輸出したコモディティを大量に消費してくれる中国への依存度を危険なまでに高めてきた。中国経済が減速を始めた今、この地域は打撃を受ける可能性が出ている。
 ブラジル、コロンビア、チリ、ペルーといった中南米主要国から中国への輸出は2001年以来10倍に増えた。コロンビアを除く3カ国にとって、中国は最大の輸出相手国だ。(後略)』


 新興国は、(2)(3)の食料・エネルギー価格の高騰の打撃も大きく受け、政情不安に発展するおそれがあります。もはや、取り込む外需などは、どこにもなく、内需頼みにならざるを得ない状況なのです。
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 竹中氏は昨日ご紹介した創生日本の講演において「世界の中の日本」として成長するべきと強調していましたが、現在は世界的に需要不足、景気後退が発生している時期なのです。07年(アメリカ不動産バブル崩壊前)まではともかく、少なくとも「今」はグローバルに依存した成長など成り立たないのです。(無論、世界経済の環境が変われば、話は変わりますが)


 また、竹中氏は「アジアの成長を取り込む」を成長戦略の基本にするべきと話していますが、「アジアの成長を取り込む」とは、
「アジア諸国の所得(GDP)増加分を、日本が貿易黒字、サービス収支黒字、所得収支黒字として取り込め(=日本のGDP、GNIの増加)」
 という話なのです。


 貿易にせよ、サービス輸出入にせよ、あるいは所得収支にせよ、要は各国の所得(GDP、GNI)の奪い合いです。すなわち、ゼロサムゲームです。日本のように豊かで経済規模がでかい国が、「あなた方の所得を頂きます」とやることが、果たして現在の世界において許されるのでしょうか。倫理的な問題は置いておいても、デフレ期に各国が貿易を拡大すると、結局「失業の押し付け合い」になってしまいます。


 無論、世界的に需要が過剰になっている時期であれば、セイの法則(供給が需要を作る)が成り立ち、セイの法則を前提としたリカードの比較優位論も成り立ち、貿易参加国がWinWinの関係になれるかも知れません。とはいえ、現実にはセイの法則など成り立っておらず、貿易は比較優位論によるWinWinではなく、「所得の奪い合い」になっているのが現実です。所得の奪い合いとは、すなわち生産の奪い合いであり、同時に雇用の奪い合いでもあります。
 竹中氏も言っていますが、
供給が増えれば、放っておいても需要が増えるわけではない
 のです。


 ユーロ混乱で新興経済諸国の経済が減速し、アメリカが「財政の崖」問題に直面している環境下で、日本がどのように成長するべきなのか。外需依存なのか、それとも内需依存で成長するべきなのか。誰かが考えても明らかだと思うわけですが、いかがでしょうか。


日本は内需主導型の経済成長路線への転換を!と思われた方は

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