株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

『日本をギリシャ化する方法①』 三橋貴明 AJER2012.5.22(1) 】
『日本をギリシャ化する方法②』 三橋貴明 AJER2012.5.22(2) 】

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 三橋経済塾第二期がはじまります。今回は、後援会員限定ではありません。一般の方でも入塾頂けます。

 本格的な告知は来週月曜日からになりますが、取り急ぎプレオープンのサイトをご紹介申し上げます。

 https://m-keizaijuku.com/

 現在は、上念司先生との対談のコンテンツが公開になっています。これが大変面白い(と言いますか、笑える)ので、ぜひ、お聞き頂ければと存じます。


 三橋は未だにミャンマー出張中です。

 さて、わたくしが頻繁に使用する「日本国家のバランスシート(金融資産のみ)」ですが、これを見ると、日本の全ての経済主体(政府、家計、金融機関、非金融法人企業、NPO)の金融資産の合計が、金融負債の合計を上回っていることが分かるでしょう。すなわち、純資産255.9兆円でございます。


「誰かがお金を貸しているとき、必ず誰かがお金を借りている」
 原則があるにも関わらず、なぜ資産総額と負債総額とに差異が生じるかと言えば、もちろん外国との「金融資産」「金融負債」のやり取りがあるためです。


【図 2011年末時点(速報値)日本国家のバランスシート(単位:兆円) 】
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_38.html#JPBS11


 上記2011年末時点(速報値)のデータを見ると、海外との金融資産・負債のやり取りは、「日本の対外資産」が602兆円、「日本の対外負債」が351.9兆円で、対外純資産250.1兆円となっています。上記グラフの純資産額と数字が違うと思われたかも知れませんが、グラフの純資産は四捨五入の関係で少し大きくなってしまっているのです。


 いずれにせよ、上記グラフの借方(左側)の各経済主体の金融資産(5700兆円くらいありますが)のどこかに、日本の対外資産602兆円が含まれています。逆に、貸方(右側)の金融資産のどこかに、日本の対外負債351.9兆円が含まれているわけです。


 例えば、政府の金融資産473.7兆円の中には、100兆円ほどの外貨準備が含まれています。外貨準備とは、そもそも、
「その国が保有する対外資産の内、政府が保有しているもの」
 を意味するわけです。


 普通に考えて、お金持ちの定義は「資産が多い人」ではありません。100億円の資産を持っている人がいたとして、200億円の負債(借金)があるのでは、どう考えてもお金持ちとは呼べないでしょう。むしろ、
「そんなに借金して、大丈夫?」
 と言いたくなります。
 逆に、資産100億円の人が負債ゼロの場合、純資産が100億円という話になり、これは「超お金持ち」という話になります。すなわち、お金持ちか否かを測る指標は「純資産」なのです。


日本の対外純資産253兆円、21年連続世界一
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120522-OYT1T00487.htm
 財務省は22日、2011年末の日本の対外資産と負債の状況をまとめた「対外貸借報告書」を発表した。
 日本の政府や企業、個人が海外に持っている資産(対外資産)から、海外の政府や企業、個人が日本に持つ資産(対外負債)を差し引いた「対外純資産」の残高は、前年末比0・6%増の253兆100億円だった。過去2番目に高い水準で、09年以来2年ぶりに増加した。この結果、統計を公表している主要国の中で、日本は21年連続で世界最大の対外純資産を持つ債権国となった。07年末から世界2位の中国は11年後半から伸びが鈍化している。
 対外資産は3・3%増の582兆480億円だった。円高のため円換算した対外資産の評価損が23・3兆円あったが、海外への直接投資や邦銀の貸し付けなどが増えた。対外負債は5・5%増の329兆380億円。欧州債務危機の影響などで安全資産とみられた日本国債が買われ、特に償還1年未満の短期債の残高が45兆9090億円と1996年以降で最大となった。』


 ちなみに、09年以降に対外純資産額が減っていたのは、円高で外貨資産の円建て額面が減っていたため(いわゆる為替差損)で、日本の対外純資産は実質的には増え続けていました。何しろ、日本はリーマンショック直後を含め、延々と経常収支の黒字を続けているのです。11年は原発を停止し、外国からの天然ガスの輸入が増え、貿易収支は赤字になりましたが、14兆円を上回る巨額所得収支のおかげで、経常収支全体は9.6兆円の黒字になりました。


 改めて書く必要があるとは思いませんが、経常収支の黒字は対外純資産の増加です(逆に、経常収支の赤字は、対外純資産の減少もしくは対外純負債の増加)。詳しくは、「悲観論に踊らされるな! ニッポン経済集中講義 」をお読みくださいませ。


 いずれにせよ、日本は現時点で世界一のお金持ち国家です。しかも、日本の対外負債の増加は、ユーロ危機で外国の中央銀行(など)が日本国債を買い増ししているためなのです。


 読売新聞だけではありませんが、日本の大手紙は「国の借金」という財務省のプロパガンダ用語を平気で使い、国内に危機感を広め、増税キャンペーンを展開しています。しかし、正しい定義による「国の借金」は日本の対外資産、すなわち(読売の記事では)329兆380億円なのです。329兆円とは、確かに天文学的な数字ですが、日本は同時に582兆円を超える対外資産も保有しています。「国の債権」が「国の借金」を250兆円以上も上回っているわけです。


 上記の類の知識を国民が身につければ、財務省の「国の借金(正しくは、しつこいですが正しくは「政府の負債」)」キャンペーンは効力を失います。そのためには、正しいことを繰り返し語っていく必要があると考え、しつこく「国家のバランスシート」や「対外純資産」について取り上げているというわけです。
 
 明日、帰国します。


「正しい用語の定義で語ろう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを
新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog



三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇ポルパパのブログ
投資と車と日々の起業家日記
管理人:ポルパパさん

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇おじさんの談話室
経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座!


日本経済復活の会
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」 
本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!
 
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
 新世紀のビッグブラザーへblog一覧はこちらです。