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『消費税①』三橋貴明 AJER2012.4.24(1)

『消費税②』三橋貴明 AJER2012.4.24(2)

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【頑張れ日本!全国行動委員会 群馬県支部設立記念講演会】
http://nippon.daa.jp/index.html
日時:平成24年5月6日(日) 12:30開場 13:00開演 16:30閉会
場所:前橋市民文化会館 大ホール
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北海道十勝管内 音更町(おとふけちょう)「「TPP」に関するまちづくり講演会」

http://www.town.otofuke.hokkaido.jp/town/sonota/sonota/koenkai-230328.html

日時:平成24年5月20日(日曜日) 午後2時から

場所:音更町文化センター

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 エンターテイメント経済歴史小説、「コレキヨの恋文 」、長谷川慶太郎氏との対談本「日本と世界はこう激変する 大恐慌終息へ!? 」、日本の資本主義を語る「悲観論に踊らされるな! ニッポン経済集中講義 」発売になりました!




 本日は午後に【頑張れ日本!全国行動委員会 群馬県支部設立記念講演会 】に伺います。講演タイトルは【日本を衰退させる「経済的自虐史観」からの脱却を!~デフレ、復興、増税、そしてTPP~】でございます(長いタイトルですこと)。
 
 さて、本日はフランス大統領選挙(決選投票)とギリシャ総選挙の日です。二つの選挙結果によって、欧州経済あるいは世界経済の運命が変わることになります。


『2012/5/6 日本経済新聞「仏大統領選、オランド氏優勢続く 6日に投開票
 フランス大統領選(決選)とギリシャ総選挙は6日、投開票日を迎える。事前の世論調査などによると、仏では社会党のオランド前第(1)書記が現職のサルコジ大統領を抑えて優勢。ギリシャでも野党が勢いを増し、連立政権を組んでいた二大政党が苦戦している。いずれも緊縮財政に反対する勢力が支持を伸ばす。選挙結果次第では緊縮財政による赤字削減を最優先してきた欧州の債務問題への取り組みが修正を迫られそうだ。(後略)』


6日のギリシャ総選挙、結果次第ではユーロ圏離脱も=与党党首
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84301L20120504
 ギリシャ最大与党である全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首(前財務相)は4日、総選挙を6日に控えた最後の演説で、選挙の結果次第ではギリシャがユーロ圏離脱を余儀なくされる恐れがあると訴え、有権者の支持を仰いだ。
 ベニゼロス党首は「ギリシャ国民は6日、運命の岐路に立つ」とし、「ギリシャが欧州、かつユーロ圏にとどまるのか、もしくは国家を破たんさせ、国民を深刻な貧困に陥れるかは、6日に決定される」と述べた。
 ドイツのショイブレ財務相はこの日、次期ギリシャ政権は、同国政府が欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)に対し履行を確約した支援条件を順守しなければならないとし、「(総選挙で)過半数票を獲得した政党がこれまでの合意事項を順守しなければ、同国はその結果責任を負うことになる」と警告した。
 ただ、緊縮財政措置を盛り込んだ第2次支援を支持しているのは、与党2大政党のPASOKと新民主主義党(ND)のみ。第2次支援の受け入れをめぐり、同2党への支持は低迷しており、2党のみによる新連立政権の樹立を危ぶ声も聞かれる。他の小規模政党が緊縮措置に反対する国民の票を取り込み、躍進する可能性もある。
 PASOKは今回の総選で、前回2009年の選挙で獲得した議席数の半分も確保できないとみられている。』


 ギリシャとフランスに共通しているテーマがあります。お気づきでしょうか。それは、
緊縮財政が経済成長を呼び込むか、否か
 です。


 オランド候補は大統領に就任した場合、速やかにドイツを訪問し「成長促進に向けた仏独提携」を話し合う事を表明しています。ここでのポイントは、ユーロ安の恩恵で外需が膨らみ、インフレギャップ状態にあるドイツはともかく、他のユーロ加盟国(デフレギャップ状態)で緊縮財政を実施し、財政健全化や経済成長を達成できるのか、否か、になります。


 最近、ルービニ教授、スティグリッツ教授、クルーグマン教授など、著名な経済学者が警告を発していますが、わたくしも答えは「NO」だと確信しています。ところが、ユーロ安で失業率が改善していき、かつユーロ圏内で圧倒的な存在感を示しているドイツは、と言いますかメルケル首相は、
異なる経済環境の国々に、自国のソリューションを適用しようとしている
 わけです。先日の「財政均衡の憲法化」に至っては、もはや「経済環境が永遠に現在のまま変わらない」ことを前提にしているとしか思えず、率直に言って正気を疑います。


 さらに、最近は需要面の緊縮財政のみならず、供給能力面における「ドイツの改革」を見倣うべし、という論調が増えてきています。バブルが崩壊したユーロ各国がサプライサイドを伸ばす政策をしたところで、状況が悪化するだけです。


 しかも、ユーロ各国が財政均衡の憲法化やら緊縮財政やら「改革」を強行することで、名目GDPを縮小させ、税収減から財政が悪化すると、ユーロ安がさらに進み、ドイツはハッピー。という、とんでもない状況になっているわけです。


 この「ドイツ以外の成長を無視したユーロの構造」について、フランスの国民はどのように考えているのでしょうか。


 また、ギリシャのベニゼロス党首は、
「ギリシャが欧州、かつユーロ圏にとどまるのか、もしくは国家を破たんさせ、国民を深刻な貧困に陥れるか」
 と国民に問いかけていますが、現実には、
ギリシャがユーロ圏にとどまり、緊縮財政で国民経済を縮小させること
 こそが、ギリシャ国民を深刻な貧困に陥れます。と言いますか、すでに陥れています。


 ギリシャがユーロに留まる場合、IMFやEUからの第二次支援の条件である緊縮財政、各種の構造改革を実施しなければなりません。すでに物価上昇率がマイナスに突っ込みそうな国が緊縮財政を強行すると、どうなるか。現在の日本を見れば、誰でも分かると思います
 いずれにせよ、欧州経済の将来は、本日の二つの選挙によりかなり見えてくることになります。


 本日後半はご投稿(KW様)。


-----自民党はオポジションになれたのか(KW)----
 オポジション(the opposition)とはイギリスの野党を示す言葉である。しかし、単なる野党ではなく次の総選挙で政権奪回を目指す「責任野党第一党」を示す。イギリスにおけるオポジションの歴史は古く、18世紀のウォルポール時代におけるボリングブルックの「愛国精神についての手紙」で展開された「反対党論」でオポジションという考えが登場している。また、有名な「国王陛下(女王陛下)の反対党」“His Majesty’s(loyal) opposition”という言葉は、1826年に急進派のホブハウスが議会において洒落または冗談で使われた言葉である。

 オポジションは社会党のような「何でも反対」という単なる野党第一党には当てはまらない。次の総選挙で政権を奪還する具体的な構想力と責任があってこそオポジションなのである。ならば、自民党はオポジション(責任野党第一党)になれたのだろうか。イギリス・オポジションの研究(著:渡辺 容一郎)からオポジションを評価するための視点を抜粋すると
(1)政権意欲
(2)適応性
(3)党独自の政策立案能力
 この3点である。


 上記著作によると(1)は文字通り政権を奪還し、それを少しでも維持しようとする政党全体としての「活力」のようなもの、具体的には魅力的で実行性のある新たな政策綱領の作成などが上げられる。(2)は(1)に基づいて内外の諸問題を柔軟にかつ非ドグマ的に処理できる能力、順応性を指す。そして(3)は(1)と(2)を具現化するための欠かせない手段である。党独自の政策立案を行う党内部組織やシンクタンクといった政策立案組織の整備・運用といってもよい。もちろん官僚の力を借りずに党独自で政策を作成する能力である。よって(3)は政権構想力の具現化という大きな役割を果たすのである。


 自民党の具体的な政策立案については、今年の4月24日に「日本の再起のための政策(原案)」を発表している。私はこれを自民党がオポジションとなる大きな一歩ではないだろうかと考える。特に、「国土強靭化基本法の制定」「政府・日銀の物価目標2%協定など大胆な金融緩和、有効需要創出策の総動員」「TPPについての考え方では「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対」この3点は現状の日本の問題点に対する適応性(震災復興・デフレ)と新自由主義・市場原理主義・グローバリズムに対する正しい認識=小泉政権時代の反省から生み出された政策といえる。

 自民党にとって(1)と(2)は合格点だが、問題は(3)である。(3)が求める政党独自の政策立案組織は自民党にはない。なぜなら政策立案と法案作成を霞ヶ関の官僚に任せてきたからである。自民党はこれまでイギリス労働党のフェビアン協会(シンクタンク)や保守党調査部(当内部組織)のような政策立案マシーンを確立してこなかった。今回の「日本の再起のための政策(原案)」では政策の大枠を作成することはできたが、自民党独自で政策の詳細まで作成することができれば、(3)をクリアできたといえる。そうなれば自民党はオポジションとして政権奪還に近づくであろう。


 また、オポジションを評価するための視点の他にも著者の渡辺氏が提唱するオポジション力がある。


1 政権奪回力(党外状況・党内問題)
2 党の政策
3 党首のリーダーシップ
4 政治的マーケティング力


 が上げられる。特に党首のリーダーシップがオポジションの大きな鍵を握る。労働党の低迷を改革したブレアや保守党を与党に返り咲かせたキャメロンのような強いリーダーシップを持つ党首は党の牽引役であり、党の看板である。日本の自民党にとって頭の痛い問題は党の牽引役であり、顔となる強いリーダーシップの不在であることは間違いない。そうなると、一体誰が次の自民党の政権公約となる「日本の再起のための政策」をまとめ上げるのであろうか。個人的には次の政権公約を完成させたリーダーが自民党の真の意味でのリーダーとなるのではないかと思う。

 
 最後に、野党時代の民主党はオポジションであったかというと、NOである。民主党のマニフェストは実現不可能な政策を羅列し、影の内閣にいたっては有名無実化していた。そして政党としての綱領がなく、政権交代という政策ではなく政治権力獲得のためだけに集結した団体である。あの何でも反対の社会党でさえ社会主義の実現という共通の主義・主張によって組織された政党である。民主党には共通の主義主張があっただろうか。あるのは政権交代という権力欲で結集したのであれば、エドマンド・バークがいう「徒党」でしかない。


 そういえば野党時代の民主党は“マニフェスト”“シャドーキャビネット”(影の内閣)といったイギリスの政治用語を取り入れることには熱心であった、最近では民主党には綱領ではなく“マグナ・カルタ”があるというから呆れ返る。民主党はこれだけイギリスの政治用語を取り入れているが、なぜか野党時代に“民主党はオポジションである”とは言わなかった。推測であるが、民主党は自分たちがオポジションではないことを自覚していたのかもしれない。


 ちなみにイギリス労働党が初めて政権を獲得したのは1923年の労働党少数単独政権であった。この政権は何も出来ずに半年で倒れ、1924年の総選挙ではオポジションであった保守党が政権を奪回している。その後、労働党は議会でオポジションとなるため保守党に厳しく鍛えられてきた。日本の民主党は半年で下野するどころか、2年以上たっても与党でいる。そして何も出来ないどころか国益を阻害し、国民を苦しめることばかりしているのだから、早く野党に戻す必要がある。もっとも、民主党をオポジション(責任野党第一党)とするには1924年の労働党以上に厳しい教育が必要であることは言わずもがなである。
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 KW様、大変参考になるご投稿ありがとうございました。「政権を担える野党」のことをオポジションと呼ぶんですね。そういう意味で、日本でオポジションの役割を担うはずだった民主党が、現実にはそうではなかったことが、現在の政治混乱の源になっているわけです。


 それにしても、オポジションとなるには少なくとも一度は与党を経験し、その党の政治家がスキルやノウハウを蓄積しなければ難しいような気がします。とはいえ、55年体制下の日本では自民党以外はどの党でも「素人」でした。


 別に日本がイギリスのスタイルを見倣う必要があるとは全く思いませんが、行政のノウハウがない党は、せめて「シンクタンク」的な機関を常設し、正しく「与党」もしくは「オポジション」を目指さなければならないのかも知れません。


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