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三橋貴明の新刊、続々登場!

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ワシントンコンセンサス(後編)③』 三橋貴明 AJER2012.3.20(3)

ワシントンコンセンサス(後編)④』 三橋貴明 AJER2012.3.20(4)
チャンネルAJER更新しました!今回はワシントンコンセンサスという「怖い話」
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4月12日に、一般参加可能な講演会、「三師会特別講演会」 が開催されます。
【日時】平成24年4月12日(木)午後6時30分開場7時開演 【場所】サンパール荒川・大ホール

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4月17日に、熊本の前衆議院議員、木原みのる先生の「みのる塾」に特別講師として出席いたします

【日時】平成24年4月17日(火)午後6時30分開場7時開演
【場所】祟城大学市民ホール大会議室

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 エンターテイメント経済歴史小説、「コレキヨの恋文 」、長谷川慶太郎氏との対談本「日本と世界はこう激変する 大恐慌終息へ!? 」発売になりました!



 小学館「コレキヨの恋文 」の増刷が決まりました! ビジネス書では出版即増刷が珍しくないのですが(わたくしは出版「前」増刷も結構あります)、普通の文芸作品がこれほど早く増刷になることは、小学館でも滅多にないそうです。Amazonのランキング「文芸作品」で、「コレキヨの恋文」と順位を争っている皆様は、そもそも名が売れた作家さんたちですので初版が多く、逆に増刷にはなりにくいでしょう。


 Amazonの売れ行きも確かにいいのですが、それ以上に書店が絶好調とのことです。やはり、表紙を鈴木康士氏にお願いしたのがニーズをとらえたのでしょうか。


 ところで、Amazonのレビューやブログのコメントで、「主人公(さくら子)に感情移入できる!」「泣きました!」などの感想を多数頂いておりますが、この種の小説的な「巧さ」は、わたくしではなく、執筆協力のさかき蓮様のお力によります。シミュラフィクション「新世紀のビッグブラザーへ 」をお読み頂ければ、一発で分かるらしいのですが、わたくしはフィクションまで「論理的」に書いてしまい、キャラクターが立ちにくく、感情移入もしにくい文章になってしまうようなのです。


 というわけで、今回の「コレキヨの恋文」は、エンターテイメント小説としての成功も狙っていましたので、小説系文章を専門とされているさかき様にご協力をお願いしたわけです。「コレキヨの恋文」は、序章から最終章まで、一通り三橋が書き上げ、それをさかき様が小説風にアレンジするという手法を採りました。特に、感情描写や風景描写などの表現は、基本的にはさかき様です。

 三橋は、ビジネス書作家の割に面白い物語や「世界」を造るのは意外に得意なのですが、小説風の文章を書くことはできません(ひたすら論理的に書いてしまうので)。今回は、わたくしの弱点をさかき様に補って頂くという手法が、ずばり嵌ったような気がいたします。また、別の機会にさかき様と組んでお仕事ができれば嬉しいです。


 さて、欧州でございます。先日、2012年1月の欧州&日米の失業率を掲載したばかりですが、2月分がアップデートされました。


【ユーロ圏及び日米英の失業率 2012年2月末時点(単位:%)】
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_37.html#Unemp1202


 日米欧の先進国の失業率は、日本などのわずかな例外を除き、ことごとく悪化もしくは横ばいという状況になっています。特に、フランスでは今月から大統領選挙が始まります。大統領選挙を控えた状況で、失業率が二桁のまま。これは現職のサルコジ大統領にとっては、極めて厳しい数値です。


 また、スペインの失業率は1月よりも悪化し、すでに23.6%・・・。アメリカ大恐慌期の最悪期(33年、25%弱)に近づいてきました。全世代の失業率が23.6%で、若年層失業率が50%を超える状況とは、果たしてどのようなものなのか。日本国民には想像もつきません。


 ユーロ圏全域の失業率は10.8%と、ユーロ開始以来の最悪値を更新しました。また、ユーロ圏では3月の製造業景気指数も47.7と、八か月連続の悪化となっています。
 しかも、スペインやアイルランド、それにギリシャなどはリセッション(景気後退)の中で緊縮財政を強いられており、3月以降の失業率が悪化するのも確実です。この状況で雇用環境が改善した日には、奇跡というよりは「統計の粉飾」としか考えられません。


 ところで、ブルームバーグに面白い記事が載っていました。


欧州危機は財政よりも国際収支の危機、S&Pチェンバーズ氏
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1UDM76K50XS01.html
 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のソブリン格付け担当マネジングディレクター、ジョン・チェンバーズ氏は2日、欧州はまだ危機を脱してはいないとの見方を示した。
 同氏は中国・海南島の博鰲(ボアオ)で開催のアジアフォーラムでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「当社はユーロ圏17カ国のうち14カ国の格付け見通しをネガティブにしている。また、1国は選択的デフォルト(債務不履行)格付けとしている。われわれはこれを財政危機というよりは国際収支の危機だと考えている。従って、消費と生産の不均衡が是正されるまで、問題はくすぶり続けるだろう」と語った。 (後略)』


 国民経済の基本は、意外と簡単で、「国内の供給能力(潜在GDP)」と「国内の需要(名目GDP)」とのバランスになります。


参考【インフレギャップとデフレギャップ】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_37.html#IDGAP


 国内の需要に対し、供給能力が不足している場合、物価の上昇(インフレ率上昇)と貿易赤字(輸入増加)という問題が発生します。
 例えば、日本の電力サービスです。311による原発事故を受け、日本では原子力発電所の稼働が停止していきました。結果、電力会社が「電力サービスの供給能力不足」に陥り、外国からの資源エネルギー(火力発電の燃料)の輸入が増え、その影響で2011年の日本は貿易赤字になりました。さらに、最近は電力会社が値上げに走り、社会問題化しています。貿易赤字や電力料金値上げの主因は、「電力会社の努力不足」とか何とかではなく、単に国内で電力の需要と供給能力のバランスが崩れてしまっているためなのです。


 日本の場合は、供給能力不足に陥っている産業は、上記電力サービスに加え、建設サービス、医療サービス、介護サービス、そして行政サービスなど、まだ一部分に留まっています。これがギリシャのようにほとんど全ての分野にまたがり、供給能力が不足していると、国家全体で物価上昇と貿易赤字の拡大が発生します。実際、70年ごろからユーロ加盟までのギリシャは、まさにインフレ率上昇(20%を超えることもざらでした)と貿易赤字に悩まされていました。


 それがユーロ加盟後は、金融政策をECBに委譲した結果、ギリシャのインフレ率は安定します。とはいえ、別にギリシャの供給能力不足が解消したわけではないため、インフレ率が抑制された分、貿易赤字拡大によりインフレギャップが埋められてきたというだけの話なのです。


 ユーロ加盟後のギリシャは、対独などで貿易赤字を拡大し、国内が貯蓄不足に陥ります(元々そうでしたが、悪化しました)。それにも関わらず、ギリシャ政府は対ユーロ諸国で為替レートが変わらない環境を利用し、国内の貯蓄不足を海外マネーで補い、社会保障支出などを続けてきました。ドイツはドイツで、為替レートが変わらないことを活用し、ギリシャ(など南欧諸国に)に輸出攻勢をかけ、貿易黒字を貯めこんでいきます。(この辺の話が、チェンバース氏の言う「消費と生産の不均衡」なのだと思います)


 為替レートが変わらないユーロという仕組みの上で、「貿易黒字国は、ひたすら黒字を拡大し、貿易赤字国は、ひたすら貿易赤字を拡大する」状況が続いてきました。いわゆる「ユーロ・インバランス」の拡大です。本来、ギリシャのように供給能力が不足している国は、インフレ率が上昇し、為替レートが下落し、「輸入は困難に、輸出は容易に」なることで、貿易収支や経常収支がバランスに向かうはずなのです。ところが、共通通貨ユーロという呪縛が、貿易収支や経常収支がバランスに向かう事を妨げます。


 最終的に、ギリシャ政府は対外負債のデフォルトに陥りましたが、ユーロに加盟している限り、最終的に経済を成長路線に持ち込むことは極めて困難でしょう。


 インフレ率上昇にせよ、貿易赤字にせよ、国民経済に対する「もっと生産やサービス供給を増やしなさい」というシグナルなのです。この資本主義の神様からのシグナルに逆らった共通通貨ユーロは、やはり「壮大な社会実験」としか表現しようがないのです。


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