レジーム・チェンジ

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三橋貴明の新刊、続々登場!

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ワシントンコンセンサス(後編)③』 三橋貴明 AJER2012.3.20(3)

ワシントンコンセンサス(後編)④』 三橋貴明 AJER2012.3.20(4)
チャンネルAJER更新しました!今回はワシントンコンセンサスという「怖い話」
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 4月12日に、一般参加可能な講演会、「三師会特別講演会」 が開催されます。
【日時】平成24年4月12日(木)午後6時30分開場7時開演 【場所】サンパール荒川・大ホール
 詳細は以下を。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/20120309-1.pdf

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コレキヨの恋文


 昨日は、夕方からラジオ(ニッポン放送)の「ザ・ボイス そこまで言うか!」、夜はTOKYO MXの「ゴールデンアワー」と、ラ・テ掛け持ちで消費税を論じてきたわけですが、如何でしたでしょうか。

【ニッポン放送 ザ・ボイス そこまで言うか!】
http://podcast.1242.com/voice/index.xml


【このメンバーでは最後です。TOKYO MX「ゴールデンアワー」】
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 本日は久しぶりのチャンネル桜「報道ワイドウィークエンド http://www.ch-sakura.jp/hodo.html  」です。三橋経済塾って、最後に何を話しましたっけ?(何てね)


 さて、中野剛志氏の最新刊「レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373) 」に登場するマリナー・エクルズは、フランクリン・ルーズベルトのブレーンとしてニューディール政策を推進した人物です。マリナー・エクルズは、別に経済学者でも何でもなく、実業家、銀行家でした。


 エクルズは大恐慌を現場で体験したことから、ニューディール政策の根幹を編み出したのです。ルーズベルトはエクルズを評価し、FRB議長に推挙しました。エクルズは34年から48年までFRB議長を務め、アメリカ経済を救いました。


 当時のアメリカの経済学は、新自由主義ならぬ「市場原理主義」一色で、エクルズの言葉は当初は経済学者たちに完全否定されていました。それでも、エクルズらは「デフレとの戦い」を開始し、最終的に自分たちの正しさを認めさせました。


 このエクルズですが、ケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」は読んでいなかったそうです。ケインズを読んでいなくても、現場の感覚で「正しいデフレ対策」を編み出し、ルーズベルトに提言することでアメリカ経済を守ったわけですね。


 エクルズ同様に、高橋是清もケインズを読んでいなかったと言われています。何しろ、ケインズが「雇用、利子及び貨幣の一般理論」を刊行したのは、1936年です。是清は1932年(厳密には1931年末)から、エクルズは1934年から「正しいデフレ対策」をすでに実施していました。


 中野氏の著作や資料を読んでいると、当時の議論が現在と「酷似」していることに気が付き、情けなくなります
 例えば、当時の主流派経済学者たちは、
「政府は市場に介入すべきではなく、デフレは放置するべきである」
 と主張していました。実際に、アンドリュー・メロン財務長官の言に従い、フーバー大統領がデフレを放置した結果、アメリカはGDPが約半分、失業率が3.2%から24.9%に急騰してしまいます。(わずか四年の出来事です)
 それに対し、エクルズは、
「人々は価格が下がり続けると信じている限り、モノではなくカネを欲しがるので、デフレは底なしデフレはインフレよりも破壊的である」
 と反論しています。さらに、主流派が、
「政府が支出を減らし、債務を削減していけば、民間が投資を拡大していける」
 という主張したのに対しては、
「それはフロンティアがあり、経済が若く、貯蓄が不足しがちだった時代の古い発想。今は、米国は成熟し、債権国となったため、貯蓄過剰/投資不足が慢性化し、デフレ圧力が発生している
 と返しています。


 上記の「米国」を「現在の日本」に置き換えても、そのまんま通じてしまいます。


 是清にしても、エクルズにしても、あの時代の人たちは「言葉」を巧く使っていることが分かります。「言葉」を操り、国民とコミュニケーションを取り、反対が多いデフレ対策を推進したわけです。是清は元々政治家でしたが、エクルズは銀行家でした。是清にしても、1929年のNY株式バブル崩壊、大恐慌、昭和恐慌時代には、青山に隠居していたのです。(旧是清邸跡は、記念公園として残っています)


 銀行家や隠居したお爺さんが表舞台に引っ張り出され、「正しいデフレ対策」を実施する。当然、それまでの主流派経済学者たちによる「レジーム(体制)」は全否定されます。

 まさに、デフレが深刻化した時期というのは、中野氏の著書のタイトルのままに「レジーム・チェンジ」を強いられる時期なのかも知れません。そして、レジーム・チェンジを果たせなかった国は、衰退するわけです。


 間もなく発売になる「コレキヨの恋文 」は、1930年代と2010年代という、二つの「レジーム・チェンジ」の時期を描いた作品と言えるかも知れません。

 現在の日本は、まさにエクルズの言う「債権国」「貯蓄過剰」「投資不足の慢性化」を延々と続けています。結果的に、貿易収支が少々赤字になろうとも、所得収支の黒字で余裕で経常収支黒字を続けているわけです。


【日本の経常収支の推移(単位:億円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_37.html#Keijo


 経常収支の黒字が続く限り、国内は過剰貯蓄のままで、政府の国債は国内で超低迷した金利で消化されてしまいます。まさに、エクルズが活躍した時期のアメリカも(1960年代まで)延々と経常収支の黒字を続けており、現在の日本と同じ状況でした。すなわち、世界最大の対外純資産国で、かつ純資産からの上がりである所得収支の黒字が巨額化し、それが経常収支の黒字を引き起こし、経常収支の黒字が対外純資産を積み上げ、さらに所得収支の黒字を増やすという循環が発生していたのです。


 ところが、アメリカはそのうちに「製品を作らなく」なってしまい、貿易収支が赤字化し始め、80年代からは貿易赤字が常態化しました。そして、最終的には経常収支までも赤字化し、逆に「巨額経常収支赤字」で世界経済を牽引する、おかしな環境(いわゆるグローバルインバランス)に突入したわけです。


 さて、現在の日本はルーズベルト政権の政策を倣うべきだと思いますが(何しろ、当時の日本よりも現在の日本の方が、大恐慌期のアメリカに似ています)、上記の最後の「貿易赤字の慢性化」は、学ぶべきだとは思いません。これは、別に「我が国は貿易黒字でなければならない」などといった重商主義チックな理由からではなく、同時に「我が国は貿易赤字になると、資源を買えなくなって破綻する!」といったヒステリックなウソ(所得収支の黒字を無視しているため)の理由からでもありません。


 単に、我が国の国民の特性(モノやサービスを使いこなす「使いこなしの資本主義」)を活かし、「日本国内市場向けに開発されたオリジナルな製品やサービス」を世界に輸出していくことが、「世界のため」だと思うからです。わたくしは、日本企業は「グローバル市場」を意識して、グローバルスタンダードで中印韓などの企業と競合するよりも、巨大な「日本国内市場」においてオリジナル(ガラパゴス上等です!)な製品やサービスを磨きあげ、それを輸出する方が付加価値が高まり、値下げ競争に巻き込まれず、利益を高めることが出来ると考えているわけです。


 無論、現在は国内の所得水準が下がっており、「使いこなす人々の市場」が活用しきれていません。とはいえ、これは単にデフレ深刻化のためなので、まずはデフレから脱却することが全てに優先するわけです。


 などと考えていたら、2月の貿易収支が黒字に戻りました。


2月の貿易収支は予想に反し5カ月ぶりの黒字-自動車輸出が増加
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M0YRHV07SXKX01.html
 2月の日本の貿易収支は5カ月ぶりの黒字となった。市場の事前予想は赤字だった。輸出全体では引き続き前年割れとなったが、タイの洪水被害の影響が一巡したことなどから米国向けを中心に主力の自動車輸出が増加。一方で、原油価格の高止まりや、原子力発電を代替する火力発電向け液化天然ガス(LNG)の需要増で引き続き輸入が増加した。
 財務省が22日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比2.7%減の5兆4409億円と5カ月連続で減少したものの、前月(同9.3%減)に比べて減少幅は縮小した。輸入額は同9.2%増の5兆4079億円だった。差し引きした貿易収支(原数値)は329億円の黒字。中華圏の春節(旧正月)休暇などの影響で過去最大の赤字を記録した1月から一転して黒字を確保した。 』


 日本が貿易赤字(11年)になったことを受け、予想通り、
このままでは(過剰貯蓄が解消され)国債が買われなくなり、破綻する!
 論を叫ぶ連中が出てきましたが、別に貿易赤字になっても過剰貯蓄が解消されるわけではありません。日本の過剰貯蓄問題が解消するには、経常収支が赤字にならなければならないのです。日本は所得収支が巨額黒字であるため、経常収支が赤字になるのは相当に大変です(変な意味で)。


 結局、日本は経常収支は所得収支黒字に下支えされ、赤字になることは「できません」。さらに、少し円安に進むだけで、貿易収支までもが黒字に戻ります。


 すなわち、マクロ的に見れば、日本はまさに大恐慌期のアメリカ同様に「やることやれば、一気に成長できる」状態にあるのです。そして、やることやったらどうなるか。日本は正しくレジーム・チェンジできるのか、否か。


 まさしく、そのテーマを「コレキヨの恋文 」で書かせて頂いたわけです。300頁を超える三橋貴明の経済歴史小説「コレキヨの恋文」は、間もなく小学館から発売になります。


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