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三橋貴明の新刊、続々登場!

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ワシントンコンセンサス(後編)③』 三橋貴明 AJER2012.3.20(3)

ワシントンコンセンサス(後編)④』 三橋貴明 AJER2012.3.20(4)
チャンネルAJER更新しました!今回はワシントンコンセンサスという「怖い話」
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 4月12日に、一般参加可能な講演会、「三師会特別講演会」 が開催されます。
【日時】平成24年4月12日(木)午後6時30分開場7時開演 【場所】サンパール荒川・大ホール
 詳細は以下を。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/20120309-1.pdf


 本日は16時からニッポン放送の「ザ・ボイス そこまで言うか!」 に再登場します。http://www.1242.com/program/voice/  前回同様、青山さんの代打です。
 同じく本日の21時からTOKYO MXの「ゴールデンアワー」に登場します。http://www.mxtv.co.jp/gold/  今回のテーマは、もちろん「消費税」。思いっきり財務省に喧嘩売ってきま~す


コレキヨの恋文


 さて、是清本を書こうと最終的に決断した理由は、三橋が最も尊敬申し上げる政治家の方に「経済と国家がわかる 国民の教養 」を献本したところ、「是清を取り上げてくれて、ありがとう」と、超達筆のお手紙を頂いたためです。「経済と国家がわかる 国民の教養 」では、是清について「さわり」程度しか触れていないのですが。


 いずれにせよ、元総理が是清をそれほど好きなのであれば、いっそ是清を主人公にした小説を書いてしまえ、ついでに総理ご本人も作中に登場させてしまえ、と考えまして、本当にご本人を登場させてしまいました(結構、重要な役)。無論、名前は微妙に変えてありますが、葉巻を吸う元首相経験者の現財務大臣でございますので、見る人が見なくても誰がモデルか一発で分かります。


 また、作中には「東田剛」という、公認会計士出身(税理士じゃないのですよ)の超強烈なキャラクターが登場します。(ほとんど、主役を食いかねないほどに強烈なキャラです)東田は、本ブログのユーザーさんになじみ深い数名の政治家、言論人を合成させたキャラになっています(まあ、名前からしてアレですが)。
 
 是清本を書くために、1920年代から36年までの歴史を改めて猛勉強しました。結果的に分かったのは、現在の日本国民の多くは「あの時代」を知らないなあ、という事です。


 例えば、「コレキヨの恋文 」では、帝人事件や天皇機関説弾圧が重要な意味を持ちますが、普通の日本国民はこの二つの「意味と意義」を深く考えたことがないのではないでしょうか。特に、天皇機関説弾圧はともかく、帝人事件について知っている日本国民は少数派なのではないでしょうか(これは憶測)。帝人事件にせよ、天皇機関説弾圧にせよ、デフレ下で閉塞感に包まれた社会における「思想の暴走」と呼ぶことができると思います。


 当時の「思想の暴走」は国粋主義的な色が濃かったのですが、今回(現在)のデフレ下における「思想の暴走」は、「日本破綻論」です。80年前の日本国民(の一部)は、デフレ下で閉塞感が蔓延する状況を打破するべく、「天皇主権説」を叫び、現在の日本国民(の一部)は「日本破綻論」を唱えているという話です。また、戦前に暴走した官庁は法務省、陸軍省、海軍省でしたが、今回は財務省と経産省でございます。あ、人権侵害救済法案や民法改正関連では、法務省がまたおかしくなっていますが。


 そういえば、上念氏と倉山氏が「近衛文麿」についてチャンネルAJERで語っていましたが、デフレで閉塞感が蔓延する中、官僚が意味不明な動きを始め、そこにとんでもない政治家が乗っかるというパターンが、過去と現在で共通しているように思えます。まあ、近衛文麿の「とんでもなさ」 には、さすがの菅直人氏や鳩山由紀夫氏もかなわないです。(「アレら」よりも酷い総理大臣というのが、戦前には本当に実在したのです。ルーピーやらペテン師やらを現実に見ている我々としては、とても信じられませんが)


 いずれにせよ、是清と「さくら子」の物語は、近衛文麿が登場する少し前、そして現代のお話です。具体的には、1932年の春から1936年2月までの五年間、そして201x年から五年間のお話になります。


 三橋は現在の日本の唯一最大の問題と考えている「情報の歪み」を正すために、様々な言論活動を行っています(きちんと正すことができたら、単なる一中小企業診断士に戻るつもりです)。そのためには、正しい情報を可能な限り「分かりやすく」伝えねばなりませんが、ビジネス書、経済書ではさすがに限界というものがあります(それでも、様々な工夫を行ってきましたし、今後も行っていきますが)。

 というわけで、普段の三橋本を「難しいのでは」と敬遠していらっしゃったユーザーの皆様に、是非「コレキヨの恋文 」をお読み頂きたいのです。主人公の一人「さくら子」同様に、きっと「目から鱗が落ちる」体験を何度も繰り返すことが出来ると思います。
(続きます)


 ところで、海竜社の「日本人がだまされ続けている税金のカラクリ 」でも書きましたが、わたくしは「TPPを推進する米国企業の代表株であるモンサントの提携企業である住友化学の会長であり、同時に経団連の会長である米倉氏」が主張する法人税減税には反対しています。理由は、そもそも法人税減税とは「インフレ対策」であるサプライサイド経済学の一種である(ゆえに、デフレの国でやるな!)ということもありますが、それに加えて現在の日本では黒字を稼いでいる企業が少数派になってしまっているためです。


赤字申告企業が72.8%=10年度、引き続き最悪水準-国税庁
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012032100680
 国税庁が21日公表した2010年度分の会社標本調査で、申告所得が赤字だった企業の割合が72.8%に上ったことが分かった。1951年分の調査開始以来最悪だった前年度をわずかに下回ったが、ほぼ横ばいの水準となった。
 調査では全国の企業約259万社から約116万社を抽出。11年3月までの1年間に終了した事業年度について、全体を推計した。』


 上記の通り、最新データである2010年度(2011年3月まで)の決算を見ると、日本企業の七割以上が赤字状態になっています。赤字企業は、法人税をほとんど支払っていません(法人住民税は払っているかも知れませんが)。


 すなわち、日本政府が特に何の工夫もなく法人税を「全体的に」引き下げても、七割以上の日本企業には恩恵がないのです。しかも、黒字を稼いでいた日本企業が法人税を減免され、それが果たして「投資」に向かうのか、という問題もあります。


 現在の日本に必要なのは、デフレ対策です。特に、有効需要としての「投資」拡大が何よりも望まれます。法人税を減税し、企業の可処分所得を増やしたとして、本当に「投資」にお金が回るのでしょうか。内部留保に回るだけならまだしも、株主への配当金が増えるだけなのではないの、と思わざるを得ないのです。無論、リスクを冒して企業に投資した株主が配当金という「果実」を得るのは当然です。しかし、その配当金の原資が法人税減税という「政府及び国民の損」が基になっていたとしたら、どうなのでしょうか。また、デフレが深刻化する現在の日本において、純利益や配当金が増えたところで、それが国内の雇用や生産を生み出す投資に向かうとは、とても思えません。


 というわけで、デフレに苦しむ現在の日本は、新自由主義者がお嫌いの「政府による資源配分」の色を、少し強めなければならない時期だと思うわけです。具体的には、法人企業の七割に恩恵がない法人税減税を実施するくらいなら、GDP上の有効需要となる「投資」を増やす減税を実施するべきなのです。すなわち、投資減税です。


 企業が投資をした場合、政府が減税という所得移転を実施する。これが投資減税です。

 同じ所得移転とはいっても、年金や生活保護とは異なり、政府がお金を出すときには必ず「GDP」が増えていますエコカー減税やエコポイントと同じ発想ですね。


 新自由主義的には、
「法人税を引き下げ、企業の可処分所得を増やせば、
市場原理により『適切な場所』にお金が回る『はずだ』
 という話なのでしょうが、現在の『適切な場所』というか、最も投資がなされなければならない場所は、
東北の被災地です。法人税を引き下げたり、あるいは日銀の金融緩和『のみ』をやるだけで、本当に東北被災地に必要なリソースが配分されるのでしょうか? とても信じられません。


 言うまでもなく、日銀の金融緩和は必須です。日銀が供給した日本円を政府が国債で吸い上げ、東北につぎ込まなければならないという話です。あるいは、企業減税をするのであれば、「東北の復興関連」で投資した企業の法人税を大々的に減免する、というのがベターだと思います。少なくとも、何も考えずに法人税を減税するよりは。


 わたくしは別に「政府至上主義」でも「市場万能主義」でもありません。共産主義も、新自由主義も、共に机上の空論に過ぎないと考えています。と言いますか、わたくしの目には、共産主義のノーメンクラツーラ(赤い貴族)と、新自由主義の「1%」(投資家など)が同じに見えます共に、政府を「活用」し、自己の利益を最大化すべく動いているという点において。


 正しい資本主義は、政府至上主義と市場万能主義の間の、どこか中間にあるのだと考えています。ところが、現実には共産主義だの新自由主義だの、机上の空論を現実の社会に適応しようと懸命になっている連中が後を絶ちませんこれら極論の連呼も、一種の「思想の暴走」でございますね。


 もっとも、是清の時代について調べると、当時の日本も現在とあまり変わらなかった、極論ばかりを繰り返す連中の中にあり、実践主義的な政治家たちが苦労を重ねていたことが分かります。


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