非関税障壁

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ワシントンコンセンサス(前編)①』 三橋貴明 AJER2012.3.6(3)
ワシントンコンセンサス(前編)②』 三橋貴明 AJER2012.3.6(4)
チャンネルAJER更新しました!今回はワシントンコンセンサスという「怖い話」
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 昨日は、品川で開催された「3.11震災チャリティーセミナー「日本経済の真実はこうだ! 復興計画を読み解く 」 」に大勢の皆様にお越し頂き、ありがとうございました。大石先生とのトークセッションも、普段、聞けない話で盛り上がり、楽しんで頂けたのではないかと思います。昨日の収益金は全額、被災地自治体に寄付されます。
 本日は午前中から大阪で講演です。
 
 TPP関連の話題をいくつか。一つ目は、大手五紙には絶対載らないであろう、TPPの話。

日米TPP協議、米自動車業界反対で停滞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201203170189.html
 日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けた米国との事前協議が停滞している。自動車関連の関税引き下げに伴い、高性能な日本車の輸出攻勢を受けて競争が一層激化すると懸念する米自動車業界が、日本の参加に反対姿勢を崩していないためだ。米政府が日本の政局を見極めようとしていることも影響しているようだ。
 2月に開いた日米の事前協議は、具体的な要求が米側から示されないまま協議継続で一致したものの、今後の見通しは定まっていない。
 16日付の米通商専門誌「インサイドUSトレード」は、協議進展を念頭に米通商代表部(USTR)が自動車業界に対し、日本市場の参入障壁に関する一覧を提出するよう求めているが、業界側は拒んでいると報じた。
 業界は、障壁を示しても改善が見込めない一方「手続きが進んで日本の参加につながる」と警戒。日本との協議を担当するカトラー通商代表補は先に業界代表と会談したが、議論は平行線に終わったとみられる。
 USTRは日本側にまだ要求をする段階ではないと考えているようだ。米政府高官は「業界との調整には時間がかかる」と指摘。交渉担当者の間では、日本が参加する前に協定の大部分をまとめたいとの意向があるとされる。
 米政府は、TPP反対論が根強い日本の国内情勢にも強い関心を持っている。政局が混乱し、TPPに熱心な野田政権が倒れた場合、事前協議そのものが空中分解する恐れがあるからだ。
 米議会で通商問題に影響力を持つ下院歳入委員会のブレイディ貿易小委員長は、日本の参加について「いつ、どのようにと決断するのは時期尚早だ」としている。』

 日本にとってTPPの本質は、主に三つあると思います。


(1) 89年の日米構造協議から続く、「アメリカ製品・サービス」を日本市場に売り込むための、日本に対する社会制度変更要求の一貫であること。この日本の社会制度を、アメリカは「非関税障壁」と呼んでいます。
(2) デフレに苦しむ日本に、海外の競争力、供給能力を持ち込み、競争を激化させてデフレギャップを拡大させる政策であること。元経産省の古賀氏がよく話しているように、TPPに加盟すると「物価が下がります」。物価が下がるとは、デフレ深刻化、日本円の通貨価値の上昇であり、円高を推進し、国内の失業率を押し上げます。そもそも、自由貿易自体が「インフレ対策」であるにも関わらず、その系統の施策を日本で実施しようとしていること
(3) 新自由主義、グローバリズムに基づき、アメリカの「投資家」やグローバル企業の利益が中心に考えられていること。代表的な条項が、もちろんISD。投資家でもグローバル企業の経営者でもないアメリカ国民にとっては、それほどメリットがないというか、デメリットの方が多い施策です(デフレに片足突っ込んでいる状況で、競争を激化させるため)


 上記の記事は、主に(1)や(3)に絡んでいます。アメリカの自動車業界というか、自動車業界の労働者たちが、日本がTPPに加盟するのではないか、という話が持ち上がると、
「自分たちの職が無くなる! 日本は『非関税障壁』で自国市場を守っている!
 などと叫びだすわけです。彼らにとっては、至極、当然の話なのでしょう。

 ちなみに、上記の後半の「非関税障壁」云々については、お笑い種としか言いようがないのは言うまでもありません。これだけドイツ車が氾濫する日本の自動車市場を「閉鎖的」だとか「非関税障壁で市場を守っている」などといったところで、説得力はありません。そもそも、関税に限ればアメリカが乗用車2.5%に対し、日本はゼロなのです。


 さらに、日米の官僚による「TPP交渉参加に向けた事前協議」において、農水省が「都道府県の多くでTPP加盟反対の決議がなされた」「関税全廃とは言っていない」と大演説をぶちましたので、アメリカ側からすれば「はあ?」という感じでしょう。せめて、国内をまとめてこい、という話です。


 加えて、自民党が先日、以下の「TPPに関する具体的な判断基準」を公表しました。


 (1)政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する
 (2)自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない
 (3)国民皆保険制度を守る
 (4)食の安全安心の基準を守る
 (5)国の主権を損なうようなISD条項は合意しない
 (6)政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる


 ここまで自民党が反(現状の)TPPを明らかにした以上、政局次第でこれまでの協議や議論の積み重ねが無になる可能性が濃厚というわけです。まさに、アメリカとしては、
「(日本の参加について)いつ、どのようにと決断するのは時期尚早だ」
 と判断するでしょう。当たり前の話です。


 続いて、これまたTPPに関連した当たり前の話。

『2012年3月18日 日本経済新聞「TPP投資家保護、米豪が「冷却期間」
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、投資企業が不利益を被った場合に国際機関に申し立てる「ISDS条項」の導入を巡り対立している米国とオーストラリアが「冷却期間」を設け、議論を先送りすることで合意した。関係者の話として豪経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューが伝えた。
 同条項については製薬会社などの権利拡大を目指す米国と、医薬品価格を低価格に抑制する公的制度を維持したい豪州との意見の隔たりが鮮明になっている。同条項を巡りTPP交渉そのものが決裂する恐れもあるという。』

「ISDは問題ない! 日本も発展途上国などとのFTAやEPAでISDを入れているじゃないか!」
 と、本来は途上国や政情不安国向けに企業が投資する際の「保険」であるISDを、「ビジネス」に利用しているアメリカの意図を無視して正当化しようとする妙な連中がいますが、現実は上記の通りです。どこの国にしても、
訴訟大国アメリカを相手にした、ISD条項
 には、警戒心をもって当たり前です。特に、守るべき市場や社会制度、慣習や文化、伝統やライフスタイル(これらをひっくるめて「非関税障壁」とアメリカは呼んでいます)を持っている国であれば、なおさらです。


 というわけで、TPPも今後の流れがある程度、見えてきました。


 まず、自民党がここまで明言した以上、解散総選挙になり自民党が政権に復帰すると、TPPは「見送り」にならざるを得ないでしょう。と言いますか、アメリカの方が「今回は見送りで」と言ってきます。そもそも、日米豪がこんな有様では、アメリカ議会ですんなり批准はされません。


 逆に、米豪の揉め事が長引き、TPPがTPN(Trans Pacific Negotiation)になってしまう可能性もあります。ちなみに、3月末に発売となる「コレキヨの恋文 -新米女性首相が高橋是清に国民経済を学んだら- 」(http://www.amazon.co.jp/dp/4093863261/ )は、TPPがTPNになってしまっている日本の近未来を描いた小説になっています。

『神戸でTPP議論 山口外務副大臣は意義強調
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004892946.shtml
 環太平洋連携協定(TPP)について考える地域シンポジウム(神戸新聞社など後援)が17日、神戸市中央区で開かれた。山口壮外務副大臣(兵庫12区)ら4人がパネリストとして出席し、それぞれの持論を展開した。
 TPPでは、政府が交渉参加に向けて関係国と事前協議を進めている。山口副大臣は協定の概要を周辺諸国の動きと併せて説明。「農林漁業など厳しい競争にさらされる分野もあるが、経済連携によるプラスの面もある。国民皆保険制度など守るべきものは守る」と意義を強調した。
 一方、京都大大学院の藤井聡教授は「海外から安い製品が入り、デフレを押し進める。グローバル化で生き残るのは大企業だけで、論外中の論外」と反論した。
 質疑応答では「TPPの情報はネット上に散らばって公開されている。集約したポータルサイトを作ってほしい」との要望が上がり、山口副大臣は「内閣府に伝えたい」と答えた。
 シンポジウムは、政府の国民への説明や情報提供が不足しているとの声を受け、全国地方新聞社連合会と株式会社共同通信社が主催して全国9カ所で順次開催。神戸の会場では約180人が参加した。この日は広島でも開かれ、今後、札幌、福井、高松、福岡の各市で予定されている。』

 藤井先生が、神戸のTPPシンポジウムに参加されました。わたくしは藤井先生から現場の様子を聞いていますが、やはりTPP推進派は「メリット」を具体論で説明できないようですね。「経済連携によるプラスの面」とは、何なのでしょうか。具体的に数字で示してもらいたいものです。
 現場に行かれた方、是非、レポートを。


日本のデフレを深刻化、社会制度を変えてしまうTPPに絶対反対!と思われた方は、

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