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三橋貴明の新刊、続々登場!
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【三橋貴明の経済動向塾(日本経営合理化協会主催)】

上記からパンフレットをダウンロードしてください。

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チャンネルAJER更新しました。後編がアップされました!

日本の政府支出を分解する(後編)① 』三橋貴明 AJER2012.2.28(1)

日本の政府支出を分解する(後編)② 』三橋貴明 AJER2012.2.28(2)
今月は「社会保障支出」をメインに取り上げました。

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PHP研究所の「メディアの大罪」、徳間書店「売国奴に次ぐ!」発売開始しました!
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 中野剛志氏との対談本「売国奴に告ぐ!(徳間書店)http://www.amazon.co.jp/dp/4198633592/ 」の増刷が決まりました! ありがとうございます!

 昨日も増刷決定とか書いていなかったか、などと思われたかも知れませんが、初動が極めて良いため、発売二日で再増刷(第三刷りになります)が決定したのです。タイトルの勝利か、中野さんの人気の勝利か、いずれかでしょう。


 3月5日の中野さんとの講演会、追加募集のお知らせです。
http://www.maroon.dti.ne.jp/bkd/
 大重版記念、ご要望多数につき、会場を拡張し、講演会の募集を追加します。
 3月3日~3月4日13:00までにお申し込みください。
 先着50名様限定だそうです。前回の先行予約はすぐ埋まってしまいましたので、お急ぎください。


 先日、日本の公務員数がOECD諸国内で少ないことに関連し、「軍人さん(自衛隊員)が少ないからでは?」などと言ってしまいましたが、実態は以下の通りでした。


【人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較】
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/pdf/satei_02_05.pdf


 以前、上記のデータを使ったことがあったにも関わらず、忘れていました。すみません。日本の公務員数が相対的に少ないのは、対フランスでは国家公務員が、対アメリカでは地方公務員が少ないためですね(軍人さんも少ないですが)。失礼いたしました。と言いますか、フランスは国家公務員が、アメリカは地方公務員が多すぎに思えますが、お国柄というやつなのでしょうか。


 ちなみに、脚注にも書いてありますが、上記グラフの日本の「政府企業職員」には、独立行政法人(特定及び非特定)、国立大学法人、大学共同利用機関法人、特殊法人及び国有林野事業の職員もきちんと計上されています。


 日本の公務員、あるいは公務員給与について議論が活発化していますが、以前も書きましたがわたくしは公務員でも何でもないので、公務員給与が増えようが減ろうが、公務員数が増えようが減ろうが、個人的にはどうでもいいです。単に、デフレの国である以上、「有効需要」を増やす政策を打つ必要があるでしょう、と言いたいだけです。公務員給与の支払いは、政府最終消費支出というGDPの有効需要の一部です。公務員の給与を削減するのであれば、削減分に予算を追加し、公共事業なり公務員増強(失業者を雇用)し、有効需要全体を拡大する政策を取らねばなりません。


 いずれにせよ、「公務員」を十把一絡げで論評するのは間違っていると思いますし、何を論評するにしても「データ」は必須でしょう。データを見ないで「個人的印象」「マスコミがもたらしたイメージ」で論評するなど、わたくしは恥ずかしくてできません。
 
 本日のメインは、中野剛志氏のご投稿(初出 毎日新聞2012年3月1日)


『経済への視点 中野剛志(評論家) 「発送電分離」は電気料金上昇を抑えるか
 原発の稼働停止により、電気料金の上昇が懸念されている。国際的にも、イラン等中東情勢の不安定化や、世界不況の中での金融緩和による投機マネーの発生が、エネルギー価格を押し上げることが懸念される。
 こうした中、発送電分離を求める議論が起きている。発送電分離とは、送配電のネットワークを発電部門と小売部門から分離して第三者が利用できるように開放することだ。これによって新規の発電事業者の参入が増えれば、競争が促進され、電気料金が下がるというのだ。
 もともと電気事業は、独占企業が公的規制の下で発電から送電・配電に至る一貫したネットワークとして運営されてきた。しかし、1990年代に入ると、欧米を中心に、電力市場を自由化する動きが進んだ。発送電分離はその一環である。日本も90年代以降、段階的に電力自由化を進めてきたが、送配電ネットワークを運営する電力会社が発電部門も所有する体制は依然として維持されている。そこで、電力料金の上昇が懸念される昨今、発送電分離を求める議論が浮上したのであろう。
 しかし、日本の電気料金は国際的に見て突出して高いわけではない。2007年の住宅用電気料金を見ると、日本はイギリスやドイツよりも低く、産業用電気料金については同程度だ。しかも、欧米では、90年代以降、電気料金が上昇しているが、反対に、日本の電気料金はゆるやかに低下している。また、1軒当たりの年間事故停電時間は、日本は約14分と短いが、ドイツは約17分、イギリスは約76分、米カルフォルニア州に至っては約417分であり、00~01年の間に大停電を起こしている。要するに、発送電分離は、おおむね失敗に終わったのだ。
 北欧は、発送電分離・電力自由化の成功例とされている。しかし、北欧の場合、ノルウェーの水力やスウェーデンの原子力など、価格が安定的な電源の比率が高く、価格変動の大きい火力発電の比率が低いおかげで、電力市場が安定的にうまく機能しているのだ。しかし、日本の場合は、大規模水力発電の立地には限界がある。原発については言うまでもない。
 発送電分離によって、太陽光発電や風力発電が普及しやすくなるという議論があるが、それは甚だしい誤解だ。太陽光発電や風力発電は、天候に左右されて電力の品質が不安定である。そのため、国土の制約により電力ネットワークが脆弱な日本の場合、電力の受け入れには厳しい条件を課さなければ、電力の安定供給が確保できない。その厳しい条件は、発送電を分離したとしても同様に課せられる。むしろ、太陽光発電や風力発電をより多く受け入れるためには、送電インフラを管理する主体が発電設備も一体で管理して、より高い需給調整能力をもっている方が望ましい。つまり、発送電を分離した方が、自然エネルギーの普及をより阻害するのだ。
 原発に代わって天然ガス火力のウェートが高まっているが、国際情勢の不安定化による天然ガスの価格高騰や乱高下のリスクがある。その状態で発送電分離をすると、事態はより深刻化する。
 なぜなら、昨年の計画停電で明らかになったように、電力会社は、電力の需要と供給が瞬間瞬間で一致するような運用に挑戦している。もし発電と送電が別法人であった場合、送電会社が電力需給を一致させる責任を負うことになる。しかし、電源をもたないまま需給の一致を達成することは至難である。このため、需給一致の責任をもつ送電会社や電気の消費者は、発電会社の言い値で電力を購入しなければならなくなる。逆に発電会社は、電力不足の方が電力価格が上昇して利益も大きくなるので、電力の安定供給を確保しようというインセンティブを失う。現在のように、天然ガスの価格の高騰や乱高下が懸念されるような場合には、なおさらだ。電力の価格が高騰すれば発電事業者の参入が増えて価格が下がりそうにも見えるが、実際には、設備投資に時間と費用がかかるので、参入や退出はそう簡単ではない。電力市場は、市場原理が教科書通りには機能しない世界なのだ。
 このように、電力不足や燃料価格の上昇の中で発送電を分離すると事態は悪化するのだ。00年代半ば以降、発送電を分離した欧米で電気料金が日本よりも上昇し、電力自由化論が下火になったのも、化石燃料の価格上昇のためだろう。
 さらに電力自由化による競争激化は、電力会社をして、原発事故を踏まえた安全対策や電力インフラの強化といった長期的な設備投資を手控えさせる。それは長期的なインフラ不足と電力不足、そして電気料金の上昇をもたらすだろう。事実、短期的な利益を追求する市場原理主義的なアメリカでは、発送電インフラの老朽化・脆弱化が問題となっている
 要するに、発送電分離という議論は、時代遅れである以前に、根本的な間違いなのだ。何でも新しく変えればいいわけではないという好例である。』


 わたくしはエネルギーの専門家ではありませんが、「国民経済」という視点から見る限り、電力や水道、ガスなどのインフラストラクチャーに「民営化」「市場原理」が適しているとは全く思えません。何しろ、電力や水道、ガスなどの公的サービスは、国民側に選択肢がないのです。どれだけ無法な高価格を要求されても、国民は生活するうえで供給者側の「言い値」を支払うしかありません。


 無論、発送電分離は、送電部門についてまで「民営化」「市場原理の導入」と言っているわけではありませんが、その事実が逆に、中途半端な市場主義の導入となってしまい、発電会社側と送電会社側との力関係に歪みを生じさせてしまうように思えてなりません。すなわち、国民にユニバーサルサービスを供給する義務を持つ送電会社側の選択肢が、発電部門の民営化により却って狭まってしまうわけです。ユニバーサルサービスを提供する義務を持つ送電会社と、持たない発電会社たちという関係になりますので、決して平等にも公正にもなりえないのです。


 別に、発電会社側がカルテルを結ばなくても、資源価格高騰で発電コストが上昇した時、それがそのまま電力料金に跳ね返ってきます。発送電が一致しているならば、電力会社側が自前の「多様化された電力源」でリスク分散し、資源価格上昇を吸収することもできるでしょうが、発送電分離が実施されれば不可能になります。


 MXの番組でも言いましたが、例えば蓄電技術が飛躍的に向上し、「貯めておいた電力を、安定的に供給」することができるようになれば、状況は変わってくると思います。とはいえ、現時点で地域レベルで安定供給ができるほどの蓄電池は、この世に存在しません。


 いずれにせよ、市場原理主義も新自由主義も、民営化も規制緩和も「万能」ではありません。


「市場原理主義は常に正しい!」
 などとやることは、単なるイデオロギーであり、政策でも何でもないのです。


 この世界に「普遍的な解決策」は存在しません。正しい政策に「近い政策」を実施するためには、各種の事実、データに基づき、大いに議論し、各人が知恵を絞り、さらに地道な努力や投資を積み重ねていかなければなりません。現状は、この種の作業を「面倒くさい」と思う人が、「市場原理主義は常に正しい!」といったイデオロギーチックなことを叫んでいるようにしか思えないわけです。


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