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三橋貴明の新刊、続々登場!

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チャンネルAJER更新しました。

『2極化する世界(前編)①』三橋貴明  AJER2012.1.10(3)
『2極化する世界(前編)②』三橋貴明  AJER2012.1.10(4)

今年から月二回の更新になります。

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士気の集い主催 講演「TPP亡国論 ショックドクトリンに騙されるな!」
【日 時】 平成24年01月15日(日) 18時~20時30分(開場:17時45分)
【会 場】 文京区民センター2F 2-A 会議室

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 李白社から新刊「大恐慌情報の虚(ウソ)と実(マコト)」早くも増刷が決まりました
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 先日、マガジンXのお仕事で田中秀臣先生と高橋洋一先生と対談したのでですが、その際に田中先生が興味深いことを仰っていました。
 どうやら、構造調整計画という秘剣を抜きまくり、各国の国民の恨みを買い続けていたIMFが、
「バブル崩壊後、あるいはデフレ期に緊縮財政をすると、名目GDPがマイナス成長になり、税収が却って減り、財政が悪化する悪循環に陥る
 という現実に基づいた路線に転換を始めたそうです。というわけで、今年は「IMFが~」などと言っていた日本の評論家が、梯子を外されることになるでしょう。(IMF出向中の財務官僚は変わらないでしょうが)


 理由は明白だと思います。すなわち、ユーロの破綻国ギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどに緊急支援する際に、例により緊縮財政を実施させたところ、各国共に名目GDPが激減し、税収減になってしまったためです。税収が減るとは、すなわち財政の悪化です。


 IMFは各国の「財政再建」を目指して緊縮財政を実施させるわけですが、それがむしろ逆効果をもたらし、危機を深刻化させたという現実を認めたということですね。こういうとき、IMFはコロリと路線を変えます。


「環境が変わったんだから、解決策も変わって当たり前だろ」
 などの説明もせず、普通に路線転換してしまいます。まあ、結果が良ければOKなのかも知れませんが、緊縮財政で状況を悪化させられたギリシャやアイルランド国民としては、一言言いたくなるのは間違いありません。


 さて、ユーロ加盟国の場合は、「デフレ下の緊縮財政」が逆効果であるのに加え、一つ、大きな問題を抱えています。すなわち「ユーロに加盟していること」そのものです。


 例えば、97年のアジア通貨危機時の韓国などは、IMFに緊縮財政を強要されましたが、ウォンが暴落し、輸出競争力が一気に高まったことで経常収支黒字路線(=対外純資産増)に戻りました。ところが、同じことはギリシャやアイルランドでは起きえないのです。


『ギリシャはユーロ圏を離脱する、予測は算数の問題-ドイツ与党幹部
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXOZ221A1I4H01.html
 ドイツのメルケル首相が率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)の幹部、ミヒャエル・フックス氏は、巨額の債務に苦しむギリシャは自国通貨を切り下げない限り経済競争力を回復することはできないため、ユーロ圏を離脱せざるを得ないと発言した。
 与党幹部からのこの発言は、17カ国のユーロ圏の維持に向け域内でリーダーシップを発揮しようとするメルケル首相が国内で直面する逆風を示している。
 フックス氏は11日ベルリンからの電話で、ギリシャの「問題は借り入れの返済ができるかどうかではない。ギリシャには返す意思がない。全然、全くないのだ」と語った。ただ、同国は「特別なケース」で、残る16カ国は債務問題を解決しユーロを維持するだろうとも述べた。
 CDUと単一会派を構成するバイエルン州の姉妹政党、キリスト教社会同盟(CSU)は先週、必要な改革に後ろ向き、あるいは実践不可能な国にはユーロ圏から離脱する機会を与えるべきだとの見解をあらためて示した。
 これとは対照的に、メルケル首相はフランスのサルコジ大統領と9日臨んだ共同記者会見で、いかなる国もユーロ圏を離脱することはないと言明している。
 フックス氏はギリシャの離脱がスペインやイタリアなどの高債務国への投機的な攻撃を生むとの懸念には取り合わず、イタリアは「豊かな」国で銀行は危機感染を乗り越えられると述べた。
 ギリシャをめぐるメルケル首相との姿勢の違いについて問われると、ギリシャがユーロ圏を離脱するとの予測は算数の答えのように明らかだとして、物理学者であるメルケル首相も「計算はできる。物理を学ぶには数学が必要だ」と答えた。』


 全くもってフックス氏の発言通りで、ギリシャは「自国通貨を切り下げない限り」経済競争力を回復することはできません。すなわち、ユーロを離脱するしかないのです。


 ギリシャが「返す意思がない」のかどうかは不明ですが、今までの歴史を見る限り、ドイツの政治家がそう思っても不思議ではありません。さららに、基本的に対外負債は経常収支の黒字で返すしかないわけですが、ユーロに留まっている限り、ギリシャの観光サービスの輸出競争力はトルコやクロアチアにはかないません。すなわち、サービス収支の黒字を稼ぐことすらできないわけです。


 そんなことはギリシャの政治家の方が明確に理解していると思いますが、それでもユーロ離脱を一切検討しないということは、フックス氏の言う通り、
問題は借り入れの返済ができるかどうかではない。ギリシャには返す意思がない。全然、全くないのだ
 が事実の可能性があるわけです。


 メルケル首相は今のところ、
「いかなる国もユーロ圏を離脱することはない」
 と強がっていますが、もはやギリシャをユーロに残すことは、メルケル首相自身やCDUの政治的リスクになりつつあります。とはいえ、ギリシャの方が「抜けます」と言い出すことはないでしょうから、結局のところユーロは袋小路に向けて突っ込んでいかざるを得ないと考えるわけです。(ドイツがギリシャをユーロから「追放」した日には、ギリシャ国民から猛烈に逆恨みされることになります。日韓関係のような国際関係は、欧州にももちろんあるのです)


 とはいえ、時間切れが迫っています。


 何しろ、ギリシャ国債の大量償還の時期は、3月20日なのです。それまでに、ギリシャ債を持っている欧州各国「民間の銀行」に債務放棄を飲んでもらい、手続きを終えなければ、ユーロ首脳が最も恐れている「制御不可能なデフォルト」に至ります。


 ちなみに、ギリシャ財務省「筋」は、民間各銀行との協議について、来週末までには合意できるだろうと楽観的な態度を示しているようです。ユーロ首脳からしてみれば、「おいおい・・・」という感じでしょう。

 ギリシャは3月20日に145億ユーロの国債の償還をしなければなりません。しかも、民間の銀行と合意に至ったとしても、その後の事務作業だけで6週間は必要となっており、もはやギリギリのタイミングなのです。


 いずれにせよ、ユーロやギリシャ、それにドイツの事例は、わたくしたち日本国民に「国家とは何か」を考えさせてくれます。結局のところ、世界とは朝日新聞が言うように「一つ」ではなく、国ごとにバラバラであり、各国がナショナリズム(国民意識)に基づいて自国の国益のためにしのぎを削るのが「外交」であることを、わたくしたち日本国民は早急に思い出さなければならないと思うのです。

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