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三橋貴明の新刊、続々登場!
チャンネルAJER更新しました。
『中庸① 』三橋貴明 AJER2011.12.13(3)
『中庸②』 三橋貴明 AJER2011.12.13(4)
今回は「中庸」に関するお話。
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李白社から新刊「大恐慌情報の虚(ウソ)と実(マコト)」発売しました!
※amazon在庫戻りました!
本日、21時からTOKYO MX(首都圏地上波9ch)で「デフレ特集」をやります。
『ゴールデンサミット http://www.mxtv.co.jp/gold/
この日のテーマは「デフレ問題」物価が下がるのは困ったこと?真のデフレの問題点を分かりやすく解き明かして問題提起!世にはびこる間違ったデフレに対する考え方を経済評論家の三橋貴明氏が斬る!』
要するに、現在の日本が抱えている経済問題は「バブル崩壊⇒デフレ深刻化」という、過去の人類を何十回(恐らくこの程度)も悩ませていた問題なのです。
(1)バブル崩壊により、資産価格が暴落し、それまで「借金をして投資」をしていた民間(主に企業)が借金返済を始める。結果、国内で「誰も借りてくれないお金」が溢れ、長期金利が極めて下がる。
【日本の長期金利の推移(単位:%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#JPGVLong
ちなみに、バブル崩壊後に民間が借金を返済し始めるというのは、大恐慌期のアメリカも同じでした。
【大恐慌期のアメリカの民間銀行の資産残高推移】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_36.html#Daikyoko
(2)バブル期に企業が増やした設備投資により、国民経済の供給能力は拡大しているが、バブル崩壊後、民間が特に投資を絞り込む(=需要が減る)ことになり、国内でデフレギャップが生まれる。結果、物価が下がる。
【日本の民間住宅、民間企業設備、公的固定資本形成の推移(単位:十億円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#JPInvest
ちなみに、バブル崩壊後に「投資が収縮する」といのは、「外国のお金(しかも共通通貨)」でバブルを醸成していたアイルランドやギリシャでも発生します。
【アイルランドの投資、投資以外のGDP(左軸、単位:十億ドル)、投資対GDP比率(右軸、単位:%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#IrGPDInvest
アイルランドの投資の落ち込みは、まさに「驚異的」なペースでございます。
デフレとは、正に上記二つのプロセスを経て、初めて「物価が下がる」という話になるのです。「デフレだから物価が下がる」のではなく、上記(1)と(2)のプロセスを経て、国内にデフレギャップが生まれるから物価が下がるのです。
日本国内には面白い人がいまして、
「日本のデフレの原因は人口減!」
「日本のデフレの原因は少子化!」
などと、データも経済学も完全に無視したトンデモ論を堂々と述べていたりします。この手の人は、日本以上のペースで人口が減って行っている独露両国や、日本を上回る少子化の台湾、韓国、シンガポールなどがデフレでも何でもないという現実を、どのように説明するのでしょうか。ちなみに、これらの国々がデフレではない理由は、単にバブル崩壊を経験していないためです(最近のドイツは、危ないですが)。
というわけで、日本の問題は「バブル崩壊後のデフレ」であり、「国の借金で破綻するぅ~っつ!!!!」などではありません。デフレギャップを抱え、長期金利が超低迷している日本政府の国債のデフォルトなど「有り得ない」ことは、世界中の中央銀行や投資家、それに恐らくは日本の財務省も知っています。
『海外投資家の日本国債保有が伸び・残高とも過去最高に-9月末(1)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWJ55G1A1I4H01.html
日本銀行が21日発表した今年7-9月の資金循環統計(速報)によると、9月末の海外の投資家による国債等の保有残高が前年同月末と比べ30.7%増の76兆円と、伸び率、残高とも比較可能な1997年12月以来最も高い水準となった。国内の国債市場における海外投資家の存在感が一段と高まっていることがあらためて浮き彫りとなった。
今年9月末の国庫短期証券と国債・財融債の残高は919兆円で、そのうち海外投資家が占めるシェアは8.2%と、過去最高だった2008年9月末(8.5%)に次ぐ過去2番目の水準となった。また、7-9月に発行された国庫短期証券と国債・財融債の計12兆8396億円のうち、海外部門の保有は8兆9414億円と全体の7割を占めた。
日銀の小早川周司経済統計課長は記者説明で「海外投資家が国債への投資を積極的に進めている。シェアでは10%を切る水準だが、前年比30%という極めて高い速いテンポで買い進めている」と指摘。国債市場における「海外のプレゼンスが高まりつつある」と述べた。
一方、9月末の民間金融機関の貸し出しは前年比0.5%増の686兆円と10四半期ぶりにプラスに転じた。このうち民間非金融法人向けが同0.4%増の242兆円と9四半期ぶりにプラスとなったほか、海外向けも同19.9%増の39兆円と4四半期連続で増加し、全体を押し上げた。
◆企業負債が24年半ぶりに1000兆円割れ
民間非金融法人の借り入れや証券による調達を合わせた負債が992兆円と1987年3月以来24年半ぶりに1000兆円を下回った。一方で、中央政府、地方公共団体、社会保障基金からなる一般政府の負債は前年比5%増の1093兆円と、2四半期連続で民間非金融法人の負債を上回り、過去最高水準を更新した。
9月末の家計の金融資産残高は1471兆1268億円と前年比0.1%増加した。2四半期連続の増加。株価の低迷で株式・出資金は82兆1532億円と同7.2%減少した一方で、現金・預金は同2.1%増の823兆6637億円と2000年6月以来約11年ぶりの高い伸びとなった。9月末のTOPIX(東証株価指数)は761.17と、1年前の水準(829.51)を8.2%下回った。
資金循環統計は、家計や金融機関、法人、政府が保有する資産・負債を金融商品ごとに四半期ベースで日銀が集計した。 』
上記記事から読み取ってもらいたいポイントは、三つあります。
(1) 財務省やらマスコミが「破綻する~っ!」と叫び続けている日本国の国債を、海外投資家が買い増している。
理由はもちろん、ユーロ・バブル崩壊などにより、「円建て」かつ「超低迷した長期金利」であっても、他の国の債券を購入するよりは、日本国債を購入した方が価値が下がらない確率が高いからです。外国人の日本国債選好は、円高の一因にもなっています。同じような国にスイスがありましたが、スイスはあまりのフラン高に腹を立てて、「1ユーロ=1.2スイス・フラン以上のフラン高は認めない!」とやりましたので、あちらに行っていたマネーも日本に流れている可能性があります。
(2) 企業の負債が相変わらず減り続けている。
本来、すでに日本の民間企業はバランスシート不況の局面を脱しているのですが、政府がまともなデフレ対策を打たず、所得の投資先がないため、借金返済を続けているという話です。要するに、日本は未だデフレなのです。
(3) 財務省が為替介入を実施する際に発行する短期証券のかなりの部分が外国金融機関に買われた可能性がある。
細かい統計を見なければわかりませんが、上記の記事からは、少なくとも財務省が為替介入をする際に発行した政府短期証券の一部(もしくは過半)が、外国金融機関に購入されたことが読み取れます。すなわち、財務省は為替介入をする際に、
「政府短期証券で日本国内の外国金融機関から日本円を借り(金利で儲けさせてあげ)、それをドルに両替し(これが為替介入)、さらにドルで米国債を買っている(アメリカ政府に貸し付けている)」
可能性があるわけです。
いずれにせよ、日本国内で「国の借金で破綻する~っ!」などと叫んでいる人たちには、
「国内にデフレギャップが存在し(=インフレになりようがない)、長期金利が超低迷し、円建ての国債であろうとも外国投資家が買い漁っている」
国がどのようにデフォルトするのか、きちんと筋道立てて説明してほしいものです。超ファンタジー理論とかが必要になると思いますが。
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