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 日経ビジネスオンラインの連載「三橋貴明 暴論?あえて問う! 国債増発こそ日本を救う」シリーズ、物凄い反響です。ありがとうございます!


【第二回 ギリシャ破綻と日本をダブらせる愚 4種類ある「政府の負債」を混同するから本質を見誤る】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100802/215663/?bv


 FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は10日にFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、今後、償還(お金が返済)されていくFRB保有MBS(住宅ローン担保証券)等について、2年から10年の長期米国債に再投資することを決定いたしました。


 と書いても、何が何だか分からないので、具体的なグラフで見てみましょう。


【FRBのバランスシート(資産サイド) 変遷(2010年7月末時点)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_30.html#FRBBS


 上記は、FRBのバランスシート(資産サイド)について、「何の資産を幾ら保有しているのか」を示したグラフです。リーマンショック以前は9000億ドル程度で推移していたFRBの資産が、09年9月を境に急増したことをご確認頂けるでしょう。
 金融市場の危機へ対処するために、この時期に金融機関への貸し出しなどが激増したわけです。


 さらに、09年3月には長期米国債の買取を始め、さらにその後はGSE(政府系住宅金融機関。フレディマックやファニーメイなど)が保証、発行したMBSの買入が急増しました。FRBは米国債やMBSの代わりに「お金(厳密には流動性)」を金融市場に供給することで、景気の腰折れや金融市場の機能不全を防ぎ続けてきたわけです。要するに、量的緩和です。


 この量的緩和ですが、長期米国債の買取はすでに終了しました。また、今後はMBSや政府支援機関債が償還(返済)されていくため、このままでは金融市場全体のマネタリーベースは減少していきます。これでは金融引き締めになってしまうため、MBSなどから返済されたマネーで長期国債を買い入れ、流動性をより高める形でバランスシートを維持することを決定したわけです。


 2月にFRBが公定歩合を引き上げた際は、
「すわっ! 出口戦略かっ!」
 と、ビビってしまいましたが、昨今のアメリカ経済減速を受け、FRBは出口戦略の先延ばしを決定したようです。


 昨日のFOMCでは、FF金利の誘導目標も0~0.25%のまま据え置きされることが決定されました。ゼロ金利政策の継続でございます。


米国債:10年債16カ月ぶり低利回り、FOMC再投資決定で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aokF3q8rFWrs
 米国債相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)は10日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を期間の長い米国債に再投資することを決定。これに反応して米国債が買われた。
  10年債利回りは2009年4月以来初めて2.75%を割り込んだ。FOMCは声明で、「生産と雇用の回復ペースはこの数カ月で減速したことがうかがわれる」としたほか、「経済の回復ペースは当面、これまで予想されていたよりも緩やかなものになる可能性が高い」と指摘した。FOMCの発表前には、3年債入札(発行額340億ドル)が実施され、最高落札利回りは過去最低となった。 (後略) 』


 FOMCの声明では、
経済の回復ペースは当面、これまで予想されていたよりも緩やかなものになる可能性が高い。物価安定という流れの中で経済回復の支援を助けるため、機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証券の償還資金を期間の長い米国債に再投資することにより、委員会はFRBが保有する証券を一定に保つ」
 と、説明されました。
 
 FOMCの決定を受け、米国債が買われ、長期金利とドルが共に下がりました。長期金利低下はFRBの国債買入決定により、国債価格が上昇したため、ドル下落はゼロ金利政策継続と、量的緩和続行のためというわけですね。


 昨年10月のFRBによる米国債買入終了、今年1月のFRBによるMBS買入終了、2月の公定歩合引き上げ、3月から4月にかけた各種景気対策の終了と、立て続けにアメリカが「出口戦略」の方向に舵を切っていたため、正直、どうなることかと思っていました。が、最近の景気急減速により、FRBは再度、金融緩和の方向に舵を切ったようです。


 とはいえ、いずれにしても、アメリカ経済の日本化が着々と進行しているように思えてならないわけですが。



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