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チャンネル桜で今回の参議院選挙を振り返りました。
【三橋貴明】参院選を終えて思う国の行方[桜H22/7/14]
久々にアメリカ経済の話です。
現在、猛烈な円高ドル安が進展中ですが、その原因は主にこれ↓です。
『7月ミシガン大消費者マインド指数:昨年8月来最低
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aP0BwjnoyfSQ
米消費者マインド指数は7月に低下し、1年ぶりの最低水準となった。経済の大部分を占める消費が勢いを失いつつあることが示唆された。
7月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は66.5と、前月の76から低下した。これは2009年8月以来の最低水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの最も悲観的な予想も下回った。エコノミスト予想の中央値は74。前月比で9.5ポイントの低下幅はリーマンショック直後の2008年10月以来最大。 (後略)』
文句なしに「世界最大の需要項目」といえるアメリカの個人消費が、勢いを失いつつあります。
ミシガン指数のみならず、6月のアメリカ小売売上高も前月比でマイナスになっており、同国の消費が力を失いつつあるのは明らかです。アメリカ商務省発表によると、同国の6月の小売売上高は、前月比で0.5%の減少におわり、5月に続いて二ヶ月連続減ということになります。
結果、アメリカの景気低迷予想から長期金利が下落(米国債価格は上昇)し、十年物国債が3.04%となりました。もしかしたら、リーマンショック後のように2%台に突入するかもしれません。米国債金利低下の煽りを受け、日本国債の金利までもが1.1%台を割り込んでしまったわけでございます。
このアメリカの家計の個人消費低迷の原因、すなわち「アメリカ経済の真の問題」ですが、まあ、以下のグラフを見れば一発でご理解いただけるでしょう。
【アメリカの家計の金融負債推移(単位:十億ドル) 2003年-2010年Q1】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_29.html#USdept
FRBの最新データによると、2010年3月末時点に至っても、未だにアメリカの家計は「負債残高」を減らし続けています。要するに、借金返済に専念しているわけです。
アメリカの個人消費という「世界最大の需要項目」は、同国の家計の負債が減るどころか、「増えない」だけで大ダメージを被ります。それにも関わらず、リーマンショック以降のアメリカの家計の負債は、毎四半期ごとに着実に残高を減らし続けているわけです。
家計が借金返済に専念し、負債を拡大しない以上、アメリカの個人消費が低迷しても当たり前です。上記の6月小売売上高やミシガン指数を見る限り、2010年6月末時点ではさらにアメリカの家計の負債が減少している可能性が高いと思います。
バブル崩壊を受け、民間の経済主体が超低金利にも関わらず、資金を借りず、むしろ返済に専念しようとした結果、フロー(アメリカの場合は個人消費)が減る。
要するに、バランスシート不況です。
日本のバランスシート不況の主役は企業でしたが、アメリカの場合は家計というわけです。
家計と企業の違いはあるものの、今後のアメリカは「国債金利低迷」「名目GDP成長率低下」「失業率の高止まり」「輸出攻勢」「ゼロ金利継続」という、98年以降の日本が通った道を辿る可能性が高いのではないかと思います。
『「世界最大の需要項目」が拡大に転じない。』
今後の日本は↑これを前提に今後の戦略を立てる必要があると考えるわけです。
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