混迷のギリシャ

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◇WiLL (マンスリーウィル) 2010年 06月号
　三橋貴明が政策などについて（珍しく）熱く語っていますので、是非ともご一読あれ。

◇【三橋貴明】日本を変える5つの指針[桜H22/4 /27]
Youtube　http://www.youtube.com/watch?v=QZAGti4oquw
ニコニコ動画　http://www.nicovideo.jp/watch/sm10530909
　こちらは沈着冷静に政策について語っています。お相手が三輪和雄さんですから、わたくしまでテンション上げて話したら、熱すぎる番組になってしまいますゆえに。

　上記二つ、結構効果があるようですね。懇親会などで、
「ＷｉＬＬ読んで、ファンになりました」
　などと言われるケースが増えています。

『ＮＹ外為（３日）：ユーロ下落－ギリシャ財政を不安視
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aobZfgfXMUxs
　ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで４営業日ぶりに下落。投資家は1100億ユーロ規模のギリシャ救済パッケージで同国の財政危機が後退するという、さらに強い裏付けを求めている。
　ユーロは主要16通貨の大半に対して値下がり。ドイツのメルケル首相は、ギリシャ救済に向け国民に支持を訴え始めた。（中略）
　欧州連合（ＥＵ）加盟国の首脳は７日に会合を開き、対ギリシャ融資の議会承認に向けた取り組みについて協議する。ドイツでも同日にギリシャ支援パッケージ承認の是非を問う予定となっている。
　ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏（ニューヨーク在勤）は「ユーロは明らかに過大評価されている」と指摘。「私の不満は、救済パッケージが極めて厳しい緊縮財政を要求していることだ。これは簡単に実行できるものではない」と述べた。
　メルケル独首相は３日、臨時閣議を開いた後、ベルリンで記者団に対し、ギリシャに対するドイツの支援は非常に重要だと語った。
　　　　　　　　　　　　削減要求
　メルケル首相は、「これは単なるギリシャ支援ではなく、ユーロ全体を安定させるもので、ドイツ国民をも支援することになる」と述べた。
　ギリシャ向けの支援パッケージでは、同国に対し、2014年末までに財政赤字の対国内総生産（ＧＤＰ）比をＥＵが定める３％未満に縮小することを求めている。この期限は、当初予定よりも１年間遅い。昨年の同国の財政赤字の対ＧＤＰ比は13.6％だった。ギリシャの緊縮財政措置には、２回目となる公的部門での賃金カットや３年間の年金凍結などが含まれる。
　コメルツ銀行の為替ストラテジスト、ルッツ・カーポウィッツ氏（フランクフルト在勤）は「これほどの節減を約束した国はこれまでないし、これだけの節減に成功した国もない」とし、「非常にマイナスだ」と語った。』

　え～、日本の新聞は例により、
「ギリシャ救済、決定！　総額14兆円融資、決定！」
　のような書き方をしていますが、実際にはこの後、全ユーロ加盟国が自国の承認を得た上で、支援に同意しなければなりません。何度も書きましたが、ギリシャ以外のユーロ加盟十五カ国の内、一カ国でもＮＯ！といえば、ジ・エンドです。

　特に、ユーロ加盟国で最大額（２２０億ユーロ）を融資するドイツは、融資実施に際し議会の承認を必要としています。ドイツのメルケル首相は、今回のユーロ圏財務相会合の結果（ＩＭＦと共に総額１４兆円の支援プログラムを実施する）を受け、
「支援プログラムやその承認に向け取り組む」
　と、発言しました。すなわち、議会の承認を得られなければ、最大の支援国であるドイツは融資を実行に移せないわけでございます。
　上記の記事中で、メルケル首相は、
「これは単なるギリシャ支援ではなく、ユーロ全体を安定させるもので、ドイツ国民をも支援することになる」
　と、発言し、支援の重要性を訴えていますが、ドイツ政府にとってギリシャ支援はかなり政治的なリスクが高いのです。

　少なくとも、このまま普通にギリシャに支援をしてしまうと、今度はドイツ政府がドイツ国民の怒りを買う羽目になってしまいます。
　何しろ、ドイツでは最近、年金の受給年齢が６７歳に引き上げられたばかりなのです。そして、ギリシャの年金受給年齢は、最近まで何と５８歳だったのですから、大変です。
「ギリシャ人が、自分たちよりも優雅な年金生活を送るためのコストを、なぜ自分たちが負担しなければならないのか！」
　ドイツ人の多くがこのように考えたとしても、全く不思議ではないわけですね。

　ギリシャ政府は今回の財政赤字削減計画において、年金受給年齢を６７歳にまで引き上げる予定になっています。とはいえ、何となく遅きに失したように思えなくもありません。

　ギリシャでは５日に公務員労組ＡＤＥＤＹと、民間最大労組ＧＳＥＥが大規模ゼネラルストライキを予定しています。前にも書きましたが、この二つの労組の加入者を合計すると、ギリシャ全労働人口の半分に達するのです。日本で言えば、３０００万を超える人々がゼネラルストライキを実施するようなものですから、その威力たるや絶大です。

　この５日に予定されているゼネストでは、年金受給年齢引き上げに反対するギリシャ人たちの様子が全世界に放映され、ドイツ国民の神経を逆なでする可能性が高いわけでございます。

　いずれにせよ、ドイツ政府は支援を要請するギリシャと怒れるドイツ国民の間に挟まれることになる可能性が濃厚だと思います。そう簡単に、ギリシャ支援について、議会やドイツ国民の承認が得られるとは思えないわけです。

　ギリシャそしてユーロの混迷は、まだまだ続きます。

◇◇◇イベントのお知らせ◇◇◇

◇本日　東京都内で参議院議員中川雅治先生とご一緒に　街頭活動

　銀座、人形町、秋葉原で街頭演説会を開催いたします。詳しくはこちら。

◇５月５日（水）　茨城街頭演説

　水戸市、つくば市で街頭演説、さらにつくば市内で懇親会を行います。詳しくはこちら。

◇５月８日（土）　埼玉で街頭演説

　川口市、鴻巣市で街頭演説を行います。詳しくはこちら。

◇５月９日（日）　香川県高松市で街頭演説会

　後援会活動としては初めて、三橋貴明が四国に上陸します。詳しくはこちら