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 来週14日(日)に、後援会熊本支部の企画で熊本に行きます。(ちなみに、三橋はここ二十年以上は東京に住んでいますが、実は熊本県山鹿市の産まれです)

 スケジュール等が確定したら、当ブログや後援会のホームページ(現在、ブラッシュアップ中)で公開しますので、近隣の方は是非おいで下さい。



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 「新世紀のビッグブラザーへ」以来の、久々の「政治本」でございます。


 今日は土曜日なので(当ブログは、土日はアクセスが減ります。皆さん、平日の昼休みに見ていらっしゃるようです)、ちょっと固い話でいってみましょう。


日銀、金融緩和の強化検討…新型オペの拡充など
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100305-OYT8T00315.htm
 日本銀行は4日、超低金利政策のもとでの景気の下支えを徹底するため、金融緩和を一段と強化する方向で検討に入った。
 3月末の企業の年度末越え資金の確保を支援するのが狙いで、具体的には、昨年12月1日の金融政策決定会合で導入を決めた年0・1%の固定金利で、貸出期間3か月の資金供給を10兆円規模で行う新型オペの拡充などを検討する。
 また、資金供給期間が3月末をまたぐやや長めの通常の資金供給オペの回数と金額を増やし、金利上昇を未然に防ぐ考えだ。
 日銀は景気の現状について、「持ち直しているが先行きは不透明」として、慎重な構えを崩していない。このため、資金需要が高まる年度末越えの資金を市場に潤沢に供給し、デフレ克服と景気の下支えに万全を期す。新型オペの規模拡大などについては、景気動向を見極めた上で、16、17日に開かれる金融政策決定会合で議論する。』


 政府やらマスコミやらが散々、日銀に対して、
「デフレを(お前の責任で!)何とかしろ!」
 と叫んだ効果なのか、日銀が一段の金融緩和強化を検討する状況に至っています。


 ところで、ここは一度、落ち着いて、なぜ日銀が金融緩和を検討するかについて考えてみたいと思います。金融緩和とは、記事中にもあるように資金供給オペレーション(いわゆる買いオペ)の回数と金額の増加です。
 資金供給オペレーションとは言っても、日銀が通貨を刷って国債(など)を買い取るのではなく、供給されるのは預金準備、すなわちマネタリーベースです。(参考↓)


【中央銀行によるマネタリーベース(預金準備)供給の仕組み】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#Kaitori


 銀行などのバランスシート(資産側)に計上されていた債券(国債など)を買い取り、日銀は変わりに銀行に預金準備(金利を産まない日銀への当座預金)と入れ替えてしまうわけです。
 債券は金利を産みますが、預金準備は金利を産みません。金利を産まない資産を抱えていると、銀行は逆ザヤで大変なことになります。なぜならば、その資産を購入するための原資を、銀行は国民や企業などからの「預金」として得ているわけです。何度も何度も書きましたが、銀行にとって預金とは借金であり、「預った金」ではありません。


 銀行の資産が金利を産まない預金準備に入れ替えられると、銀行は預金準備率を超える分について、何とかして外部に貸し出さなければなりません。日銀が供給した預金準備が市中に貸し出され、それが投資や消費に使われ、GDPの所得となり、一部が銀行に預金され、再び貸し出される。このプロセスがいわゆる「信用創造」であり、資本主義の根幹を成す機能です。

 すなわち、日銀が金融緩和を推し進め、預金準備を供給していくと、銀行がお金を貸しやすくなるのです。と言うか「貸したくて貸したくて、たまらなくなる」わけです。


 と言うわけで、日銀が金融緩和を推進すると、銀行の貸出態度DIが良好(プラス)になります。銀行の貸出態度DIがプラスになれば、銀行からの貸出金は増えると思いますよね、普通は。


 現実の日本↓


【1989年以降の銀行の貸出金と貸出態度DI】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#DI


 特に小泉政権後期の量的緩和が効を奏し、日本の銀行の貸出態度DIは大きく好転しました(07年まで)。ところが、銀行からの貸出金はほとんど増えていないのです。
 銀行が「貸したくて貸したくて、たまらない」状況であっても、銀行融資は増えない・・・・。要するに、民間の資金需要がないということです。(中小企業などへの貸し渋りの話は、メルマガの方でやりますので、省略します)
 なぜ、日本の民間の資金需要が高まらないのか。もちろん、デフレだからです。
 日銀の白川総裁が、以前、
需要自体が不足している時は、流動性を供給するだけでは物価は上昇しない。
 と言っていましたが、そりゃそうです。

 実際に07年まで日銀が量的緩和を拡大し、流動性を供給しまくったにも関わらず、物価は上昇しなかったのですから。大本の問題(需要不足)が解決していない以上、金融緩和のみでデフレを脱却することは不可能なのです。


 じゃあ、どうするんだ。という話になりますので、明日は財政政策について。


グラフ化すると、状況が丸分かりになるな、と改めて思って頂いた方は、

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