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上記「超売れっ子・・・」の刊行を記念し、1月7日にサイン会を開催いたします。
 ◆サイン会:紀伊国屋書店新宿本店(1月7日午後6:30-)
 ◆上記書店にてご購入の際に整理券配布(12/17~)
 ◆12月17日より電話予約可
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#shinjukuhonten_01

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 正月明けの締切が三つも重なったので、昨日は久々に四十枚(原稿用紙換算)書きました・・・。
 あ、↑にも書きましたが、サイン会の方が明後日に迫っております。

 何卒よろしくお願い致します m(_ _)m
 昨日のAmeba側のUU数(注:PCのみ)が、普通に2万台に戻っていました。皆さん、やっぱり会社で昼休みに読んでいらっしゃる方が多いんですね (^_^)ノシ

 先日のチャンネル桜の経済討論で、有澤さんが巧いこと仰っていました。
インフレ期は時間が味方をしてくれるが、デフレ期は時間が敵になる。
 全くその通りで、政府の負債(財務省式にいう『国の借金』)は、インフレ期であれば、放っておくだけで勝手に対名目GDP比で小さくなっていきます。それに対し、デフレ期は、時が経つにつれ、政府の負債は対名目GDP比で大きくなってしまいます。だからといって財務省方式に緊縮財政(増税&政府支出削減)をしてしまうと、現在の日本のように税収(特に法人税)が激減し、財政は却って悪化してしまうわけです。
 要するにインフレ期とデフレ期はフェーズが全く違うわけで、木下栄蔵氏の「経済学はなぜ間違え続けるのか 」を高く評価したのは、この「フェーズ」を明確に定義されたからになります。(通常経済&恐慌経済)
 このフェーズの違い(及びそれぞれの定義)を明確に理解して初めて、恐慌経済から脱するためのソリューションを構築できるわけです。
 ついでにリチャード・クー氏の本を読み、バランスシート不況について理解を深めれば、デフレ期には「財政破綻」だの「国債の暴落」だの「金利急騰」などが決して「起こりえない」ことがわかります。と言うか、この種の現象が起こり得ないからこそ、恐慌経済なのです。国債を増発すると、金利が急騰して「くれるならば」(いわゆるクラウディング・アウト)、そもそ恐慌経済ではありません。

内閣府政務官、日本経済「10年後半から力強い回復」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100103AT3S3100402012010.html
 内閣府の津村啓介政務官(経済財政担当)は日本経済新聞の単独インタビューに応じ、2010年の日本経済について「前半は注意が必要だが、後半からは力強い回復になる」と述べた。子ども手当の支給が10年度の実質国内総生産(GDP)成長率を0.2ポイント押し上げるなど、鳩山由紀夫政権の経済政策が景気を下支えするとの見方を示した。
 津村氏は「一日も早くデフレから脱却していかないといけない。日銀ともいい形で意思疎通ができている」と強調。政府・日銀が連携し、デフレ克服に全力を挙げる意向を表明した。』

 まあ、何でも構いませんが、子ども手当が実質GDPを0.2%押し上げることに言及するならば、その支出を実現するために「いくらの政府支出を削ったか」あるいは「いくら削らなければならないか」について言及しなければならないでしょう。昨年春の定額給付金は2兆円の所得移転でしたが、あれは意外と効果があり、少なくとも所得移転分(GDPの0.4%)はGDPを押し上げたことは確実です(※官僚さん情報)。
 これだけ大騒ぎして子ども手当を支給した挙句、定額給付金以下の効果しか得られないわけでございます。さらに、その子ども手当を支給するために、各種の予算(=GDPの政府支出項目)を削り取り、恒久的な財源を得るために増税しようとしているのです。
 と言うか、名目GDP3%(実額で約15兆円)の成長目標はどこいった!? しかも、実質で0.2%成長させたところで、デフレが続いている限り名目値ではマイナスになりますよ。
 結局、何がやりたいのかさっぱり分からないというのが、民主党政権の現実の姿というわけございます。いや「選挙」をやっているというのは、分かっているのでございますが。

 デフレ・インフレの問題は、産経新聞の田村秀男氏が相変わらず分かりやすく解説していらっしゃいます。と言うか、産経新聞は田村氏の路線に経済面を転換した方がいいですよ。確実に部数が増えます。
 いつまでも財政研究会(財務省の記者クラブ)頼みで、他紙と同じ財政破綻論垂れ流していたら、間違いなく先はありません。下手をすると、毎日新聞より先に「日本のトリビューン紙」になっちゃいますよ。

『【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 脱デフレ待ったなし
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100103/fnc1001031513001-n1.htm
 ■インフレ目標設定せよ
 鳩山由紀夫政権の経済成長戦略では国際社会から「日本病」と称されているデフレからの脱出に向けた道筋がほとんど見えない。なすべきことはただ一点、歴史的な政策転換である。乾坤一擲(けんこんいってき)、政府・日銀合同で「インフレ目標」を設定するよう提案したい。(中略)
 日本が紙幣大量発行国向けの外需を皮算用するなら、世界のお荷物だ。(中略)
 ≪日銀は国債買い上げよ≫
 未曾有の金融危機対策も形だけで、企業の短期債券(コマーシャルペーパー)買い取りは優良企業のみに限定した。日銀は、資金を大量発行したあとに実際にインフレに転じたら非難されると恐れている。日銀内からは「政府が結果責任をとってくれるなら、国債を買い上げてもよい」という本音が聞こえる。臆病(おくびょう)で無策の白川日銀を動員するためには、インフレ目標をてこにするしかない。
 インフレ目標達成の具体策として、日銀が政府短期証券や国債を市場から買い上げ、巨額の資金を金融機関に注入するのに合わせて政府が国債を新規発行する。こうして日銀資金を政府の成長戦略と脱デフレ財源にできる。インフレ目標で政府・日銀が合意すれば、株式を含む市場関係者や企業は脱デフレの展望を描けるようになる。
 「インフレ目標」はおそらく日本という国が「ゆで蛙(かえる)」にならないための最後の手段になるだろう。常温だと思って鍋でじっとしていたら、いつの間にかゆであがって死ぬ。道連れにされてたまるか。』

 高橋是清式「日銀資金を政府の成長戦略と脱デフレ財源」かつヨーロッパ式「インフレ目標」の組合せということですね。全く異論がございません。ちなみに、記事中にありますように、アメリカはインフレ目標こそありませんが、マネーサプライの目標は設定しています。
 
 ところで、日本が田村氏の提言通りの政策を実行しようとすると、間違いなく「誤った知識に基づく日本社会の空気」に
妨害されます。このボトルネックを取り除くには、結局のところ「視覚化」されたデータや資料に基づき、繰り返し繰り返し、分かりやすく説明していくしかないわけです。
 昨年は公共事業悪玉論を打破するため、しつこく日本の「公共投資絶対額&公共投資対GDP比率」を使っていましたが、今年はこちらについても繰り返し出していこうと思います。

【日本政府の支出と平均給与の関係 1980年-2007年】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_26.html#Shishutsu

 ちょっと面白いと思ったのは、橋本政権の緊縮財政が本格化した98年の「翌年」に平均給与の減少が始まり、小渕政権による政府支出拡大(99年)の「翌年」に平均給与が少し回復していることです。政策が人件費に影響を与えるのには、一年ほど時間が掛かるということでしょうね。
 いずれにしても、このグラフを見て「日本政府の支出が増えないから、平均給与が下がっているんだ!」以外の感想を持つことは、かなり難しいでしょう。もちろん、平均給与が下がっている理由は他にもあるわけですが、とりあえずこの二つ「政府支出」と「平均給与」の因果関係だけでも納得して頂ければ、かなり情勢は変わってくると思うのです。


田村秀男氏の記事などを読むと、民主党のあまりのレベルの低さに眩暈がする、と思われた方は、

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