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 日本国債の保有者別内訳最新版をアップしました。

【日本国債保有者別内訳 2009年6月末時点 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_26.html#Kokusai

 前回のは「生損保」と「年金基金」をまとめて「生損保」としていましたが、ちょっと乱暴なので、今回からきちんと分けることに致しました。(ちなみに、統計上はまとめて「保険・年金基金」となっています。)
 民間銀行、生損保、年金基金の三つ(要は民間系金融機関)で六割を占めている状況は、特に変わっていません。また、外国人投資家(注:海外)は前回より少し落ちています(0.3%ほど)。
 ちなみに、改めて言う必要もないと思いますが、この国債発行残高は「限りなく百パーセントに近い」金額が日本円建てです。
 百パーセント円建て国債で、かつ94%が国内向けにも関わらず、「日本国債はデフォルトする! アルゼンチンやロシアのように!」とか、とち狂ったことを叫んでいる連中は、さすがに減ってきたようです。今度は、家計の金融資産やら貯蓄率に「目をつけ」、「いずれ国内金融機関も『買い支えられなくなる』」などと、頑張って財政破綻論を展開しているようですが。
 この種の「適当」かつ「いい加減」かつ「頭の悪い」連中には、一つだけ質問したいと思います。
 あなた方は、日本国債の金利が長年「世界最低」で、政府の負債が増えても増えても、ちっとも長期金利が上がらない理由を説明できますか?

 ◇主要国長期金利推移 1998年-2008年
 http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_17.html#Kinri
 ◇1995年武村正義元蔵相「財政危機宣言」以降の日本政府の負債
 http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_24.html#Takemura

 銀行が頑張って買い支えているからですか?(ここ、嘲笑の笑みを浮かべるところです。)「買い支える」って、具体的に何を意味しているのですか? 政府が銀行に「命令」しているのですか? 政府が命令して国債買い支えるなんて、共産独裁国家の中国でも無理でしょう(多分)。

 国内金融機関が国債を「買わなければならない」のは、単純に手元に貯まっていくマネーの運用先がないためです。

 ◇国内銀行 貸出金・実質預金・預金超過額 (単位:十億円)
 http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_23.html#Kashidashi01

 ようやく国家のバランスシートを理解してきた人たち(遅すぎ!)は、今度は家計の金融資産残高に目をつけ、
この家計の金融資産が取り崩されれば、国債の買い手がいなくなる!
 などと、「わたくしは全く経済を理解していません!」と、わざわざ宣言するような、無知丸だしなことを叫んでいます。

 家計が本当にお金を取り崩して消費なり投資に回してくれれば、日本は未曾有の好景気(注:国家経済のフロー、すなわちGDPの拡大期)を迎え、政府は景気対策が不要になり、税収は膨らみ、そもそも国債を発行する必要はなくなるでしょう・・・。
 ついでに、家計がお金を使えば、それは「企業(非金融法人企業)の所得」になり、バランスシート上で「家計の資産」から「非金融法人企業の資産」へお金が移るだけの話です。相変わらず、「家計がお金を使えば、そのお金は消滅する!」と、物理法則を無視した妙な理解をしているようでございます。
 繰り返しますが、頭が悪いですね。

 日本経済の問題は、国の借金(正しくは、政府の負債)とかそういう話ではなく、まさにこの「銀行(だけじゃないけど)に貯まるマネーの運用先がない」という点になります。
 なぜ、銀行の運用先、すなわち「貸出先」がないのか。もちろん、民間(主に企業)の資金需要がないからです。
 それでは、なぜ企業の資金需要がないのでしょうか。今さら書くまでもないですが、日本経済のデフレギャップが拡大しているからです。

 この状況で民主党政権が何をやっているのかといえば、「国の借金」が大変だということで、政府支出の削減(=デフレギャップの拡大)に精を出しているわけです。デフレギャップが拡大すれば、ますます企業の資金需要はなくなり、銀行の貸出先が失われ、国債が買われることになるでしょう。結果、長期金利は下がっていきます。
 また、デフレギャップが拡大すれば、企業の売上が低迷し、法人税収入が減ります。同時に企業や国民から悲鳴が上がり、結局、景気対策を拡大するしかなくなります。こうなると、当然ながら政府の財政は悪化します。 
 すると、ここで財務省がまたしゃしゃり出てきて、
国の借金が大変だ。政府支出の削減しましょう。増税しましょう
 と、なるわけです。(そして、振り出しに戻る)
 バブル崩壊後の日本は、すでに二度も(大々的に)↑この失敗(政府の負債を問題視し、緊縮財政に走った結果、財政を却って悪化させる)を繰り返してきたわけです。

 日経新聞に、ちょっと面白い記事が載っていました。(2009年12月22日 朝刊一面)

『◆◆政権 第五部 百日(上) 「小沢裁定」の一撃 穴開く財政 決めるのは誰◆◆
「こういう結論になりました。ぜひご理解ください」
 21日午後5時半すぎ。首相の鳩山由紀夫(62)は首相官邸で民主党幹事長(67)に伝えた。党が求めた子ども手当への所得制限は見送る。ガソリン暫定税率は要望通り水準を維持。小沢の答えは「それで結構です」。やりとりはわずか11分だった。
 24日で発足100日目。「ハネムーン期間」を終える鳩山政権は初の予算編成で苦闘を続ける。2010年度国債発行の「44兆円枠」を巡り「超えないよう結論を出す」と明言した。鳩山はのちに「上限でなく目標に」と迷走した。「十分メドが立つ」と断言した7兆円の無駄減らしは空回り事業仕分けの削減効果も7000億円足らずで、9兆円も税収の穴が開く。
 財務省の巻き返しもあって予算編成方針は「約44兆円以内に抑える」となったが、他を切ってマニフェスト(政権公約)を守るか、批判覚悟で公約を直すか、断を下す人物がいない。迷う鳩山と、身内から「ケンカしてくれない」といわれる財務相の藤井裕久(77)。「ポスト鳩山」に最も近い副総理・国家戦略相の菅直人(63)も突破口となりきれなかった。(後略)』

 政権が迷走し、自称評論家連中も迷走し、意味不明な発言や行動を繰り返す。
 いやあ~、まさしく色々な意味で「ビジネスチャンス」でございます。

まさしく自らドツボに嵌まっていく鳩山政権に、「こりゃあ、間違いなく長くもたないな」と確信した人は、
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