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http://www.maruzen.co.jp/Blog/Blog/maruzen02/P/8889.aspx


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チャンネル桜 三橋貴明 民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由
http://www.nicovideo.jp/watch/1259867029

Youtube版 http://www.youtube.com/watch?v=QmRz77q6tXY

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 最近ショックだったこと。ニコ動のコメントで、
「アンガールズの田中に声が似ている」
 と、書かれたこと。
 さらにショックだったこと。そのコメントを読み、ふざけて、
「あっき~な~ぁ。ちゅ~しよう~」
 と言ったら、「物凄く似ている」と家族に爆笑されたこと。(ここまで挨拶!)

 さて、中国の不動産バブルがレッドゾーンに入りつつあり、ニュースが次々に載るようになりました(以下、情報提供 まいっちんぐ江頭先生様!)

中国当局、投機的な住宅購入を抑制へ-新華社通信
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=a59n7u70jR_0
 新華社通信は9日、中国当局が「投機的な」住宅購入の抑制に乗り出すと報じた。(後略)』

09年の個人消費12兆元突破へ、半分が不動産購入-中国
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=37781&type=1
 2009年12月6日、雲南網の報道によると、中国の09年の個人消費総額は12兆元(約156兆円)に達し、 そのうちの約50%を不動産購入額が占める見込みだという。(後略)』

 最近の中国報道の中では、ブルームバーグに掲載されたペセック氏のコラムがぴか一でした。ドル崩壊を書いた頃から思っていましたが、ブルームバーグのコラムの質は半端ないです。この種の「まとも」なコラムのニーズが高いのは、別にわたくしに限った話ではないと確信しています(ん?)。

『【コラム】中国バブル論はグロス氏に軍配、「期待」が危険-ペセック
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=a_JFCJlX_WjE
 文字通り砂上に経済を築いたドバイから不気味な音が聞こえてくる。この音に気を取られて、ゆっくりだが確実に量を増しているもうひとつの音を聞き逃してはならない。その音が聞えてくる先は中国だ。
 ここでテーマとするのは中国の資産バブルについてではなく、世界3位の経済規模を持つ同国は何があっても10%近い成長を永遠に維持できるといった考え方だ。こうした考え方が、危険な安心感をアジアで増大させている。
 これまでの焦点は、株価と不動産価格を膨らませている中国の景気刺激策と低金利に絞られていた。しかし本当のバブルは、中国が醸成している期待だ。こうした期待に2010年に応えるのは極めて難しいだろう。
 中国が目指してきたのは、米個人消費が回復するまでの期間、経済が困難を切り抜けられるようにすることだった。しかし、中国当局を厳しい現実が待ち受けている。同国の輸出が必要とする世界需要は期待通りには上向かないということだ。 (後略)』

 ペセック氏は中国の抱えている課題というか、中国共産党政府の「狙い」を見事に見抜いています。ポイントを箇条書きにすると、

■世界(すなわち「グローバル」)は、中国が二桁成長できると言う「期待」を抱いている。
■リーマンショック以降(厳密には、08年10月末から)、中国は「国債発行」「政府支出拡大」「超金融緩和(銀行に融資を指示してまで!)」のパッケージで、何とか成長してきた。
■しかし、残念ながら中国共産党の狙いは、世界経済の「成長牽引車」になることではなく、アメリカ個人消費復活までの時間稼ぎ。

 社会保障という「中国究極の課題」が解決されず、金融緩和で盛り上がるのは株価と不動産のみ。企業は政府支出(公共事業)で何とか食っている有様では、グローバルが期待する「中国の個人消費拡大」はなかなか困難です。
 共産党政府にしても、国内の社会保障の整備がままならない以上、中国人民が消費を健全に拡大することなど、端から期待していないわけです。結局のところ、外需(アメリカの家計向け輸出)の回復まで、政府支出(や超金融緩和)で下支えを続けるというのが基本戦略であり、この戦略は例により全く正しいと考えます。
 さて、リーマンショックから一年が経過したわけですが、その肝心要のアメリカの家計の状況はどうなっているでしょうか。

第3四半期の米家計純資産は2.7兆ドル増=FRB
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12882520091210
 連邦準備理事会(FRB)によると、2009年第3・四半期の米国の家計純資産額は前四半期比5%(2兆7000億ドル)増加し53兆4000億ドルとなった。増加は2四半期連続。
 家計の債務は年率換算で前期比2.50%減と、過去最大の減少率。5四半期連続で減少し、住宅ローン債務やクレジットカードなどの消費者信用の債務が幅広く減少したことを反映した。
 金融機関以外の企業の債務も同2.50%減少した。
 一方、連邦政府の債務は同21%増加した。前四半期から増加ペースは鈍化したものの、5四半期連続で20%を超える伸びとなった。』

 この「米家計純資産増」という表現は、極めて微妙だと思います。何しろ、純資産が増えるとは、要は「資産が増えて、負債が減った」わけですが、日本人は「純資産が増える」と聞くと、素直に「良いこと」だと思ってしまうわけです。
 今さら書く必要はないかも知れませんが、資産が増えるのはともかく、家計の「負債が減る」というのは、マクロ的に見て極めて危険なのです。各家計が負債を減らすということは、マクロで見ると国家経済のフロー(GDP)上で消費低迷が起きている可能性を示唆しているからです。すなわち、合成の誤謬です。

アメリカの家計(及びNPO)の金融負債、及び住宅ローン推移 03年-09年第3四半期
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_25.html#USDept

 アメリカの金融負債と住宅ローンは、09年第3四半期に至っても、未だに底を打っていません。政府の住宅購入支援(初めて住宅を購入する家計に、8000ドルを所得移転)により、何とか下支えはされていますが、逆にあれほど派手な支援策を講じても、住宅ローン残高の減少すら止まっていないわけです。
 世界同時好況とは、2007年まで続いたアメリカ家計の金融負債激増(グラフの03年から07年まで参照)と、消費拡大に支えられていました。すなわち、この「負債増加部分」こそが、「世界経済最後の買い手」だったわけです。
 この「世界経済最後の買い手」が、未だに復活の兆しを全く見せない以上、中国共産党の目算にも大きく狂いが生じてしまいます。さらにしばらくの期間、アメリカの個人消費が復活しないという前提で、戦略の練り直しを迫られるでしょう。
 また、ロイターの記事によると、アメリカの企業(いわゆる非金融法人企業)の負債も、年率換算2.5%減少となっています。アメリカは「バランスシート不況」に入った可能性が、極めて濃厚なわけです。
 
 09年第3四半期のアメリカの家計及び企業の負債減少、それにドバイショックや欧州(ギリシャ、スペイン、アイルランドなど)の状況を見る限り、世界経済、そしてグローバリズムが袋小路に入ったように思えてなりません。

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