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先日、生出演したSPA!生 第20回の動画 がアーカイブに載りました。

早くも再生回数10000!【大道無門 #197】ゲスト:三橋貴明(経済評論家・作家)


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 本日はアスコム社「民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由  http://www.amazon.co.jp/dp/4776205734/  」の発売日です!

 あ、あと、今週のチャンネル桜【日本よ、今...「闘論!倒論!討論!2009」 】に、あの「廣宮孝信氏」が初出演します!!さあ、皆さん。コメント欄に キター━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!!  と書き込んでください! テーマは「民主党の経済政策」です。(あ、ついでにわたくしも同じ番組に出演します。)
 
 さて、三日間かけてお送りした「ダーウィンの罠」シリーズですが、木下栄蔵氏の最大の功績は、リチャード・クー氏の「バランスシート不況」と「そうではない経済」について、それぞれ「恐慌経済」「通常経済」と命名し、定義を明確化したということだと思います。それぞれをきちんと定義することで、日本が「どうなれば通常経済に復帰した」と言えるかが、明確になりました。
 通常経済の定義は、

【通常経済(=アダム・スミスの経済)】
 ■企業:企業は自らの利潤の最大化を求めて企業活動を行う
 ■消費者(家計):消費者は自らの効用の最大化を求めて消費活動を行う

 ですので、日本がこの状況になって初めて、「財政健全化」に取り組んでも構わないということになります。現在の民主党は、恐慌経済下であるにも関わらず、「ムダを削れ」との掛け声のもとで動いており、昨日ご紹介した徳川吉宗の享保の改革になる可能性は極めて濃厚です。
 ところで、民主党政権といえば、昨日cope様がご紹介してくれたコレ、凄いですね。

『神奈川新聞 朝刊 2009/11/17 火曜日 A版(12)付
タイトル: デフレ、賞与大幅減 ~逆風も追加対策は迷走
・・・(見出し、前文略)・・・
▽「鳩山不況」
 11月初旬。「無駄を削るのだからマイナスにはならないはずだ」。菅直人国家戦略担当相が内閣府の官僚に声を荒らげたことがあった。09年度1次補正予算の一部執行停止が、実質GDPを0.2ポイント程度押し下げるとの説明に納得がいかなかったのだ。
・・・(以下、略)・・・』 

【日本の名目GDP百分比 2008年版】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_17.html#JPGDP2008

 補正予算とは政府支出であり、その削減はGDPの中の「政府最終消費支出」及び「公的固定資本形成(公共投資)」の削減そのものです。補正予算を削れば、GDPがマイナス成長になって当たり前です。
 菅直人は、明らかに「ムダを削る」の意味を正しく理解していなかったわけですね。まさかとは思いますが、民主党首脳部も同じレベルではないでしょうね。マジで怖いんですが。 
 本当に、凄い記事です。とは言え、日本人の情報基盤がしっかりしていなければ、この記事が何故「凄い」のかを理解することはできません。
 もしかしたら、2005年までのわたくしでさえ、
本当に! 何でムダを削るとGDPが下がるんだ! 官僚が何かやっているに違いない!
 とか何とか考えた可能性があるわけです。昨日のエントリーを、
日本が抱えている問題は経済でも政治でも何でもなく、まさしく「情報の問題」なのです。
 で締めましたが、実際にその通りだという確信が強まるばかりです。


 さて、情報の問題といえば、本ブログのコメント欄に時々書き込みをして頂く「みすずちん」様が、国債や財政問題に関する財務省への問合せの結果をアップして下さっているので、ご紹介させて頂きます。 http://ameblo.jp/reval/entry-10386820687.html
 昨日の廣宮さん( http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/22863189.html  )も取り上げていらっしゃいましたが、財務省が非常に興味深い見解を表明しているのです。 興味深いといえば全文が興味深いので、ぜひ全文をお読み頂きたいのですが、最も衝撃的だった部分を。

『(前略)・「公的債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていく必要がある」とはその文面の通りであり、ご指摘の「国債を完全に償還しつくす」という意味ではございません。
・これまで政府は、「プライマリーバランスの黒字化」及び「公的債務残高の対GDP比の安定化」が目標として掲げてきたところであり、また、今後も公的債務残高の対GDP比を含めて財政再建の目標を立てていく必要があると考えております。従いまして、ご指摘にような絶対額だけを指標にするのではなく、公的債務残高の対GDP比も含めた指標を目標に掲げ、政府の財政状況全体を把握していく必要があるものと考えております。』

 絶対額を指標にすると、例の「赤ちゃんにも678万円の借金!」に繋がってしまうので、「公的債務残高の対GDP比の引き下げ」に目標を切り替えろ!というのは、ジパング再来!以来、色々なところで言い続けてきたことです。わたくしは、日本経済(だけじゃなく)の様々な問題の解決には、「経済成長」しかないと確信しています。
「だけど~、日本は~、人口が~、高齢化が~、少子化が~・・・・」
 と言いたい人は、昨日のエントリーのロシアと日本の比較のところをお読みください。
 財政の目標を「プライマリーバランス何とか」から「公的債務残高の対GDP比の引き下げ」に切り替えれば、日本は「成長」するだけで財政問題を解決できることになるわけです。
 とは言え、単純に「成長」のみを目標にするのは、今ひとつ賛成できません。なぜならば、それこそ政府支出を無制限に行えば、GDPは拡大するに決まっているからです。その場合、耐え難いインフレ(注:ハイパーインフレはあり得ませんが)が発生する可能性があり、日本国民の幸せには結びつかないでしょう。
 あくまで「健全な経済成長、健全なインフレ率の回復、中期的には公的債務残高の対GDP比の引き下げ」と、パッケージ的な対策でなければならないのです。
 頻繁に例を出しますが、GDPを成長させたいだけなら、国内の治安を悪化させればいいわけです。犯罪が増えれば、刑務所の増設(公共投資の拡大)や、治安要因の増加(政府最終消費支出の増大)により、経済は成長するでしょう。しかし、犯罪が増え、安全に暮らすことができなくなった中で、
GDP成長率、○○パーセントを達成しました!
 と、政府に言われたところで、「ふざけんな!」と言いたくなるでしょう。
 要するに、あらゆるソリューション(解決策)とはバランスの問題であり、どれか一つをやればオッケーなどという都合のいい話はあり得ないのです。これは、別に国家に限らず、企業のソリューションの場合も同じです。

 そういう意味で、「公的債務残高の対GDP比の安定化」という目標は、数値的に「経済成長」「政府支出を極端に増やさない」という複数の要素がバランスしており、なかなか優れていると思います。少なくとも、「政府の負債を絶対額で減らす」などというバカな目標よりは、確実に優れています。何しろ、「政府の負債を絶対額で減らす」など、国民福祉を犠牲にしまくれば簡単なのです。
 例えば、現在の日本の医療比の公的支出対GDP比率は、OECD平均並の6.6%です。これを半分にするだけで、20兆円近い政府支出を削減できますが、その分は単に国民の負担となるだけの話です。要は国民の医療費が上昇するわけで、これで果たして誰が幸せになるのでしょうか。
 政治に限らず、経済も「ワンフレーズ」は危険なのです。「円高ならオッケー!」「いや、円安がオッケー!」「政府の負債を絶対額で削ればオッケー!」「いや、逆に増やせばオッケー!」などと、世の中はそんなに単純ではないということです。
 そういう意味で、ワンフレーズ・ポリティクスを流行らせてしまった小泉政権は、何かと問題があったと思います。
 
 この小泉政権の緊縮財政なども取り上げた、アスコム社「民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由  http://www.amazon.co.jp/dp/4776205734/  」本日発売です!(おお、綺麗に戻った・・・)

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