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 さあ、今週もしょっぱなから「Daily故人献金ニュース!」でいってみましょう! 

会計帳簿の作成時から偽装か
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013502521000.html
 鳩山総理大臣の政治資金をめぐる問題で、資金管理団体の会計帳簿には、鳩山家に関係する団体の名簿から勝手に引用した名前が書かれたり、誰が献金したかわからない百万円単位の資金が年に数回記入されたりしていたことが、関係者への取材でわかりました。(中略)
 この問題は、鳩山総理大臣の資金管理団体「友愛政経懇話会」が、実際には献金していない人から献金を受けたと政治資金収支報告書にうその記載をしていたもので、東京地検特捜部は、この収支報告書の基になった会計帳簿の提出を受けて調べています。関係者によりますと、会計帳簿はパソコンで作成され、献金者の名前と住所、それに日付と金額などが一覧表の形になっていますが、献金者の名前の多くは、政治団体ではない鳩山家に関係する団体の名簿や、事務所にあった名刺や手紙などから勝手に引用されていたということです。また、これとは別に誰が献金したかわからない状態になっている百万円単位の資金が年に数回記入され、これらは政治資金収支報告書の上では、名前を記載する必要がない5万円以下の献金として処理していたということです。(後略)』

誰が献金したかわからない百万円単位の資金が年に数回記入されたりしていた」
誰が献金したかわからない百万円単位の資金が年に数回記入されたりしていた」
誰が献金したかわからない百万円単位の資金が年に数回記入されたりしていた」

 陳腐な表現だが、あえて言おう。「キターーーーッッッ.。.:*・゜<n`.∀´>η゚・*:.。.ミ ☆」であると。(顔文字がニダーさんになっているのに、特に意味はございません。今のところ) 
 しかし、NHKまでもが検さ・・・じゃなくて、関係者からのリークを元に報道するのね。


 さて、鳩山偽装献金問題は淡々と捜査が進んでいますが、先日来、連続して取り上げているアメリカが、ちょっとデンジャラスになってきました。

米地銀、経営難続く (日本経済新聞 11月1日 朝刊 国際面)
上位10行 7行が最終損益悪化 7~9月
 米国の地域金融機関の経営難が続いている。7~9月期決算は総資産額で上位の地方銀行10行のうち7行の最終損益が前年同期より悪化した。商業用不動産の市場の冷え込みで不良債権が増大。証券業務を強みとする大手金融機関との格差が開いている。急増する経営破綻も含めて地域金融の不振は主力の取引先である中小企業の資金繰りや雇用を厳しくする。米景気の本格回復を阻む要因にもなりそうだ。
商業用不動産低迷 不良債権が増大 中小の資金繰り圧迫(中略)
 商業用不動産市場の悪化は深刻だ。企業の人員削減でオフィスビルの利用が低迷。家計は消費をきりつめ、ショッピングモールの客足は落ち込みが続く。このため賃料収入が上がらず、物件を運営する不動産業者や建設業者がローンを返せなくなっている。(中略)
 一方、多くの地銀は収支改善へローン残高を減らしている。これが取引相手である中小企業への貸し渋りに繋がり、人員カットや投資の抑制で地方経済の疲弊に拍車がかかる悪循環も見られる。破産法申請が近いとされるノンバンク大手CITグループの経営危機も中小企業向け融資の焦げ付きが背景にある。
 今年に入って破綻した米地域金融機関は累計115行。ミシガンなど中西部、ネバダやカリフォルニアなど西部で破綻が目立つのは、雇用減と金融機能の衰えが同時に進んでいるためだ。』
  
 いつものことですが、日経新聞が大きく取り上げたときは、事態は大抵、手遅れです。
 ウォール街が史上最高益に酔いしれる中、アメリカの地域経済の崩壊が続いています。キーワードは地方銀行、商業用不動産、不良債権、雇用減、そしてCITの破綻です。
 当然ながら、アメリカ政府は、かなり前からこの「経済の二極化」を憂慮し、地方にカネが回るようにゼロ金利&量的緩和を実施し、信用収縮の回避に努めてきました。しかし、大本の商業用不動産のバブル崩壊が始まった以上、銀行の不良債権は膨らみ、中小企業への貸し渋り拡大は食い止め切れていないようです。
 この「マネーがジャブジャブにも関わらず、中小企業にマネーが回らない」とういのは、バブル崩壊後の日本はもちろん、最近では中国でも発生していた現象です。(詳しくは「中国経済・隠された危機」(PHP研究所)) 中国の場合、共産党政府が銀行に「融資指示(≒命令)」を出し、融資を拡大させたにも関わらず、肝心の中小企業にはお金が届きませんでした。銀行融資の過半は大企業経由で株式と不動産に流れ、中国バブルを再燃させたのはご存知の通り。
 大企業は、資金需要が無い。資金需要がある中小企業には、銀行側が不良債権化を恐れて貸さない。この融資の二極化は、ある意味バランスシート不況の象徴であり、ドイツなどの欧州諸国でも全く同じことが起きています。
 【不動産バブルの崩壊】⇒【不動産関連融資の不良債権化】⇒【銀行の貸し渋り】⇒【中小企業の危機】⇒【地域経済の崩壊】という流れになるわけです。アメリカの場合、さらにここに【ファクタリングの縮小(CITの危機)】が加わるので、実際、洒落になりません。
 地域経済が疲弊する期間も、逆にウォール街は活況を呈していました。この原因について、戸締役様が本日のブログ( http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari  )で鋭いことを書いていらっしゃいましたので、該当部分を引用します。

11月初旬には米国債務残高の法定限度に到達予定、すでにFRBによる国債の買い付け限度に到達、残るところはRMBS(住宅債券)の買い取り枠のみとなっております。
 これまでのところ、金利上昇を防止するため、FRBが発行済み国債の50%近くを自ら買い取り消化してきましたが、この買い取りが出来なくなりましたので 米国債の下落の可能性(金利上昇) 。
 本来、国債の発行限度を緩和させ、FRBによる国債の買い入れ額を増加させないと景気対策などが打てない状況、しかし、増加させるとドル安を生み出す。 また、緩和した金額の半分近くがキャリーで海外に流出しており、これ以上、緩和させても、国内循環は緩和されないという見方が優勢です。』

 要は、金融緩和がドル安とドル・キャリーを呼び、肝心の国内地方銀行や中小企業の助けにはなっていないということです。中国の場合は、お金が中小企業ではなく、株式・不動産に向かいましたが、アメリカの場合は「ドル・キャリー」として海外に向かうということです。
 ウォール街が「安いドル」を活用し、海外市場で儲けている間にも、国内経済の疲弊は進行していきます。まさに「二つのアメリカ」です。

 日本の場合は、バブル崩壊後の不良債権問題などで国内経済が疲弊する中、超低金利が原因で円キャリーが拡大しました。日本政府や日銀がマネーをジャブジャブにしても、やっぱり国内には向かわず(何しろ、需要が無いので)、海外に流れてしまったわけです。
 しかし、02年以降はアメリカ不動産バブルを核にした外需が拡大し、輸出企業を中心に一息入れることができました。(それも07年に終わりましたが)
 ところが、アメリカの場合は輸出産業ではなく、グローバルな金融産業により「一息」入れているわけです。国内経済が疲弊していく中、そもそも国内経済のために供給された「安いドル」を利用し、グローバルな金融産業が活況を呈する。
 このアメリカ経済の姿を不健全に感じてしまうのは、わたくしが日本人だからなのでしょうか。

「なるほど。確かにこれは『二つのアメリカだ』」と納得された方は、
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