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 本日の「Daily故人献金ニュース!」の前に、先日の「続 二つのアメリカ」で取り上げた中日新聞の記事を再掲。

元秘書「匿名献金は首相資産」 虚偽記載問題
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009102602000141.html
(前略) 関係者によると、元秘書は、鳩山首相の政治資金を管理する立場にあり、「資金が足りなくなると、鳩山首相が管理していた資産を預かったり、首相に事情を話した上で、六幸商会から必要な資金を引き出していた」と説明。六幸商会から引き出した資金は「首相個人の資産で、親族分は含まれていない」と話しているという。(後略)』

 お~い、元秘書が「首相に事情を話した上で」と言っとるぞ~いっ、と。そりゃあ、小口献金含めて二億円近い虚偽記載なんですから、鳩山が「知らない」なんぞ、はじめから通用するはずがないのです。がんばって他の言い訳を考えて見てください。
 というわけで、本日の「Daily故人献金ニュース!」。 

首相偽装献金「量的制限」でも捜査 平成16~20年に毎年1千万円超える
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091029/crm0910290146003-n1.htm
 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金問題で、偽装献金の原資とされる鳩山氏の個人資産が、少なくとも平成16~20年の5年間で毎年1千万円を超えていたことが28日、関係者への取材で分かった。政治家本人が1年間に献金できる上限を1千万円と定めた政治資金規正法の「量的制限」に抵触しており、鳩山氏の元公設第1秘書が、上限を超える鳩山氏本人の献金を隠すために偽装献金を行っていた疑いが浮上した。(後略)』

 先日も書きましたが、この「量的制限」が無い場合、政治活動において資産家が圧倒的に有利になってしまいます。それを防ぐため、政治資金規正法は政治家本人の寄付でさえ、毎年1000万円を越えることを禁じているわけです。
 要するに、まさに鳩山のような資産家が一方的に有利にならないように定められている法律・条文なのです。鳩山の偽装献金は、政治資金規正法の「法の精神」を踏みにじっており、彼が「法律」「ルール」に対し、どのような姿勢を持っているかがうかがい知れます。

 「ドル・キャリーの時代」というタイトルは、昨年の12月18日のエントリー以来、継続しているものですが、早くもその弊害が報道される段階に至りました。

ルービニ教授:安価なドル資金、「巨大」バブルを形成
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a2S8hFtKDWRo
 米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は27日、世界中の投資家がドルで資金を調達し、株式や商品などの資産を購入していると指摘。「巨大な」資産バブルの形成につながっており、新たな金融危機を引き起こすリスクがあると語った。(後略) 』

 大本の需要(アメリカの個人消費)が低迷を続ける中、アメリカ当局がゼロ金利&量的緩和を継続しています(実需が低迷しているからこそ、ゼロ金利を継続しているわけですが)。結果、極端に金利が安いドルを調達し、新興経済諸国に投資するドル・キャリーが活発化しています。
 前回(07年まで)のバブルにおける円キャリーは、曲がりなりにも最終的な需要(=アメリカの家計の負債増)は拡大していたわけです。アメリカの家計が一年に百兆円単位で負債と支出を膨らませ、そこから波及した好況が海を越え、世界に広がっていきました。
 アメリカ発の好況が世界に波及する過程で、世界最低金利(当時)の円は重要な役割を果たしました。結果、ドル円為替レートは一時は128円にまで下落したわけです。
 ところが、今回のドル・キャリーバブルは、拡大するに際し「これといった実需」が存在しません。ジャブジャブのマネーが、ただ高金利な投機商品に向かい、資産バブルを引き起こしているのが現状なのです。
 前回が「実需成長」と「資産インフレ」の両翼飛行だったとすると、今回は「資産インフレ」のみの片翼飛行になっているわけです。
 記事の後略部分で、ルービニ教授は、
「FOMCが利上げを実施し、国債購入などの刺激策を解消すると、ドルはいずれ底入れする。そうなった場合、一部の投資家がキャリー取引の巻き戻しを余儀なくされ、「持ち高解消に殺到する」こともあり得る」
 と、述べています。
 新興経済諸国は07年から翌年に掛け、アメリカ不動産バブル崩壊に伴うキャリーの巻き戻しに直面し、大変な目に会いました。「海外マネー(ドル)」発のマネーがジャブジャブと国内に流れ込み、資産バブルを膨らんでいく現在の状況は、怖いものがあるでしょう。
 一部の国は、国内のインフレを懸念し、早くも金融の引締めに転じ始めました。

インド、金融引き締め方向に インフレ懸念台頭
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091028AT2M2704G27102009.html
 インド準備銀行(中央銀行)は27日、食料高騰に伴うインフレ懸念に対応するため、金融政策を緩和から引き締め方向に転換すると決めた。11月7日から、国債などの購入を商業銀行に義務づける法定流動性準備率を1ポイント引き上げ25%とし、資金の流動性を抑制する。新興国も世界同時不況への対応で大幅な金融緩和をしてきたが、インフレ懸念の台頭で金融政策を平時対応に戻す動きが広がってきた。(後略)』

 ここで気になるのが、新興経済諸国が金融引締め(利上げ)に転じた場合、その「高金利」を目指し、却ってドル・キャリーのマネーが入ってくるのではないかということです。
 08年10月に破綻したアイスランドは、CPI(消費者物価指数)が前年比18%超というインフレに悩まされていました。アイスランド当局はインフレを沈静化させるため政策金利を上げていきます。最終的にアイスランドの政策金利は18.5%にまで上げられましたが、まさにその高金利を目指して海外からマネーが流入していったわけです。日本からもFXマネーが相当に流れました。
 経済規模に比べ、あまりにも莫大なマネーが流れ込み、物価高騰に悲鳴を上げたアイスランド当局による金融引締めが、益々バブルを拡大させてしまいました。最終的にアイスランドのCPIは、08年10月の破綻まで上昇が止まりませんでした。
 
 アメリカ当局は、何も海外諸国にバブルを作るために、ゼロ金利を採用しているわけではありません。過剰に供給されるお金には、「国内」の経済成長のために役立って欲しいわけです。しかし、国内の民間(特に家計)はバランスシート不況の最中にあり、資金需要がありません。
 必然、超低金利で調達されたお金は海外に向かい、ウォール街の企業を潤しています。同時にお金が向かった国々で「海外マネー」が主因のバブルを引き起こすわけです。
 「バランスシート不況」「キャリートレード」
 経済の教科書は、この二つを織り込んだ形で書き直されるべきなのではないかなあ、と考えています。

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