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 ちなみに、わたくしは「ひのしたこうじん」様などと、超失礼な読み方をしていました!(挨拶)
 
 最近、自分の周りが動き出しており、いつの間にか自分も(知らない内に)関わっているというケースに数回出くわし、
ああ、世の中は動いているんだなあ。。。
 などと呑気な感想を抱いていたりしています。と申しますか、日本の政局・経済や世界がこんな状況で、誰も動き出さないはずがないわけなのですが。
 
 さて「三橋貴明」とは、インターネットユーザが産みだした、ある意味「バーチャル」な作家ですが、その著作には、ある一つの特徴があるそうです。すなわち「ソースとロジックを重んじる」という点です。←ちなみに、これは「よく言えば」という奴で、悪く言えば「理屈っぽい」となります。
 とは言え、インターネット上で何千人、何万人を相手に書き込みをするわけなので、確実な情報ソースと明瞭なロジックは不可欠です。ソース無しは論外にせよ、ソースが曖昧で、ロジックが飛んでいたりした日には、盛大な嘲笑と侮蔑を浴びる羽目になるわけです。毎度毎度書いていますが、その状況では本人の「権威」などは、何の役にも立ちません。
 最近、amazonの書評を見ていると、「ソースとロジックを重んじる」ために説得力が高く、高評価を頂いているようです。すなわち、インターネット上の「「ソースとロジックを重んじる」文化が、そのままリアルの世界に出現したところが、非常に新鮮なのではないかと思うわけです。
 とは言え、現実の世界では「ソースとロジック」だけでは動いていないのです、もちろん。「「ソースとロジック」だけで社会が動くならば、そもそも「印象操作」などは成り立たないはずです。
 たとえソースが記者の「脳内」で、ロジックが滅茶苦茶でも、「権威がこう言っている」と書いてしまえば、恐ろしいほどの説得力を持ってしまいます。と言うか、現在の日本のメディアでは、その「権威自身」がソースは脳内、ロジックは「予め定められた結論」に向け、でっち上げたものばかりを自ら垂れ流しているのが現実なのです。
 そこに「インターネット発の文化」が入ってくれば、それはもちろん新鮮で、驚かれるでしょう。「製品」あるいは「コンテンツ」としての質が高ければ、いずれは浸透していくでしょう。それにしても、イメージを語るだけだった人々は抵抗するでしょうし、その文化も残るのです。
 
 村上春樹氏の大ベストセラー「1Q84」は大変面白いですが、「リトルピープル」は現実には存在しないわけです。要するにファンタジーなのですが、本当に面白く、実際に爆発的に売れました。
 「1Q84」と比べて、「新世紀のビッグブラザー」の、いかにロジカルなことか。
 正論の書評で皇學館大學の松浦教授が、
「本書には、この種の本にありがちな荒唐無稽な空想など、一切はいっていない。著者は、ただ『現在、現実化しつつある諸要素をつなぎあわせると、こういう未来になる』と言っているだけである。」 
 と書いてくださいましたが、まさにその通りで、同書には荒唐無稽な空想などは一切入っていません。「ソースとロジック」を重んじて書かれたシミュラフィクションです。まさしくインターネットの文化なのです。
 しかし、現実には「1Q84」の方を好む人も多いわけで、その辺りが今後の課題なのかなあ、と考えています。

 インターネットの文化といえば、NHKの「シリーズJAPANデビュー」問題が、まさに典型です。

NHK番組訴訟で新たに提訴
http://www.nhk.or.jp/news/t10015946881000.html #
 戦前から戦中の日本による台湾統治を取り上げたNHKの番組について、大学教授などが「事実に反する」などと主張してNHKに賠償を求めている裁判で、台湾の人たちを含む1900人余りが新たに訴えを起こしました。
 ことし4月に放送したNHKスペシャル、「シリーズ・JAPANデビュー第1回アジアの“一等国”」をめぐっては、ことし6月、大学教授など8300人余りが、事実に反しているうえ、日本が台湾の人たちに対し弾圧だけをしたかのように伝えているなどと主張して、NHKに対し、原告1人当たり1万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。この番組をめぐり、6日、新たに1900人余りがNHKに、あわせて2600万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。訴えによりますと、原告の中には、番組でインタビューに応じた台湾の女性も含まれているということです。台湾から来日した男女4人が6日、記者会見し、「NHKがなぜ民族の名誉を汚し、子孫の感情を傷つけたのか理解できません」などと訴えました。訴えについてNHKは「訴状が届いていないので申し上げることはありません」としています。』

 NHKは「偏向していない」「現地のインタビューイから抗議を受けた事実もない」などと強弁してきましたが、ついに実際に台湾でNHKからインタビューを受けた方々までもが、集団訴訟に加わってしまいました。前回の8400人と合わせ、合計で10,300人からの集団訴訟です。(無論、日本の裁判史上最大のものです。)
 今回の問題は、チャンネル桜が現地に取材に赴き、インタビューイ(インタビューを受けた台湾の方々)が怒り心頭になっている映像を持ち帰り、放送したことで火が付きました。桜の映像はYoutubeやニコ動などで一気にインターネット上に広まり、NHKへの抗議デモや集団訴訟の原動力になりました。そして、その抗議デモや集団訴訟自体が、桜の呼びかけに応じてインターネット上で様々な人々がコミュニケートした結果、広まったものです。
 8400人による集団訴訟というのは、マスメディアを怯えさせるに充分な数ですが、インターネット無しでは、あれほど短期間に訴訟人を集めるのは不可能だったでしょう。
 NHKのミスは、インターネット上に自分たちの常識とは異なる「文化」が誕生し、それがリアルの世界に浸透しようとしている事実に気がつかなかったことです。(毎日変態新聞の「WaiWai事件」と全く同じ構図です。)

 今後、リアルな社会は、どのようにインターネットの文化を受け入れるか、が課題になります。
 同時に、インターネット文化に属する人々は、どのように自分たちの主張の影響力を、リアルな社会で拡大するかが課題になるわけです。以前、マーケティングについて解説した際にも書きましたが、どれほど素晴らしい製品を、どれほど安価に発売しても、それがユーザに届くチャネルや、情報をユーザに届けるプロモーション無しでは、売上はゼロになるのです。

「インターネットの文化」という言葉に妙に納得してしまった方は、
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