三橋貴明診断士事務所  を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから 
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」連載中

Voice+で中国経済に関して連載中  
「完全にヤバイ!韓国経済」発売中!  
「新世紀のビッグブラザーへ」発売中!  


「ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本」( 講談社)発売中!
「中国経済・隠された危機」( PHP研究所)間もなく発売!
「高校生でもわかる日本経済のすごさ」 (彩図社)



「無料メルマガ 三橋貴明の週刊ニュースレビュー」  
 ご登録者数が早くも(出版社様の)目標数値を突破! ありがとうございます。

 なお、本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!

上記連載Klugに関連した
「対談セミナー第二弾!経済評論家「三橋貴明」×FXCMジャパン・チーフエコノミスト「村田雅志」 日本人はどこまでだまされるのか」 
 三橋貴明の始めての「対談形式」の講演会になります。単独の講演はすでに結構数を重ねているのですが、対談形式は初めてです。

----------------


 昨日、無料メルマガ「三橋貴明の週刊ニュースレビュー」(※早くも名称が変わるっぽいのですが ^ ^;)の第二回配信が行われました。先週と同じ事を書きますが、メルマガなどの一斉配信メールは、迷惑フォルダに入ってしまう可能性がありますので、読者登録したにも関わらず、メルマガが届かない場合は、迷惑フォルダを見てみてください。(Gmailなどウェブメールでご登録いただいた方は、プロバイダーのメールで登録し直すか、迷惑メールの解除設定をして頂きますようお願い致します。)

 そうでない場合は・・・なんて煽りで昨日は終了しましたが、日本人は「そうでない場合にどうなったか」、ちゃんと知っているわけです。すなわち、1997年の橋本政権による緊縮財政(消費税アップ&補正予算凍結)と、2001年の小泉政権による緊縮財政(国債30兆円枠公約)です。
 それまで「消費に回らなかった分」のお金を、それまでは政府が投資(&消費)し、フローに戻していたのが、いきなりストップされてしまったわけですね。
 結果、それぞれ緊縮財政の翌年(1998年と2002年)は、GDP成長率がものの見事にマイナスに突っ込みました。

 いまさらですが、民主党がやろうとしていることは橋本政権や小泉政権初期と全く同じです。さらに、万が一この状況で、政府が本当に「借金返済」に乗り出したら・・・・。
 昨日も書いたように、借金返済も「貯蓄」の一部です。昨日と本日のタイトル「貯蓄の恐怖」の「貯蓄」は、「支出に回らなかったお金」の意味であって、銀行預金のことだけではないのです。

 さて、怖い想像はこれくらいにして、昨日のフォローを少し。

■銀行は(預金超過額)142兆円の八割を国債で運用しているわけです。(残り二割は何で運用しているんですかね・・・。まあ、いいですが。)
 ⇒やはり外国証券のようです。7月のデータを見ると、国債が113.7兆円、外国証券が27.9兆円になっていました。
国内銀行 貸出金・有価証券・(内)国債・(内)外国証券 (単位:十億円)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_23.html#Kashidashi02

■【国債の保有者別内訳 http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_22.html#kokusai  】を見ると、民間銀行は国債発行残高681兆円のうち36.4%を買っている。つまり、約248兆円だ。上記を見ると「国債113.7兆円」となっており、足りないのでは?
 ⇒昨日の日銀の記事や上記の「銀行」には、以下の金融機関が含まれていません。「農水系金融機関」「信用金庫」「信用組合」「労働金庫」などなど。
 【国債の保有者別内訳】の「民間銀行」の方は、これらの金融機関全てを含んでいるため、銀行の国債保有額が大きくなるわけです。

 さて、ここまでお読み頂くと、銀行の「貸出金」や「預金」、それに「預金超過額」に関する理解が進んだと思いますので、この三つの推移をまとめたグラフをご覧頂きたいと思います。

国内銀行 貸出金・実質預金・預金超過額 (単位:十億円)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_23.html#Kashidashi01

 実質預金(我々の預金)が一定のペースで増え続ける中、貸出金がギョッとするペースで縮小していっているのがお分かり頂けると思います。
 特に橋本政権以降、企業は「資産(内部留保)を増やす」「負債を返済する」という、二重の意味での「貯蓄」行動を取りました。結果、銀行には眩暈がするほどの金額の「運用先のないマネー」が積み上がっていったわけです。
 もちろん、これはストック面の話で、裏では企業の投資縮小がフローの回転速度を遅くしていきました。

 タイトルの「貯蓄の恐怖」の「貯蓄」は、様々な意味を含んでいます。

Ⅰ.家計が消費をせず、銀行預金を膨れ上がらせる。
Ⅱ.企業が投資をせず、負債を返済する。
Ⅲ.政府が過剰貯蓄をフローに循環させない(国債発行をやめ、政府移出を絞り込む)。

 上記三つの「貯蓄」全てが、フローを縮小させる行為です。まあ、三つ目のⅢは政治的問題であり、Ⅰは別に日本に限った話ではありません。アメリカにしても、不動産バブルがなければ、あれほどまでに消費を拡大することはできなかったでしょう。
 と言うわけで、問題はⅡになるのですが、企業が投資を増やすには、それなりの需要が必要です。そう考えると、結局、問題はⅢに戻ってしまうのですが。

 さて、この「貯蓄の恐怖」ですが、実は個人的に最も心配しているのは日本ではありません。(日本はある意味、慣れているので)
 日本のお隣には、家計の貯蓄率がゼロ%から一気に7%台に突っ込み、企業投資が過去二十五年間で最も早いペースで縮小していっている経済大国があるのです。そう、アメリカです。
 現在のアメリカは、すでに日本同様に「誰も彼もが貯蓄(注:借金返済含む)する」という、危険極まりない状況に突入しつつあります。

米、エコカー購入助成を終了へ 予想以上の人気に予算底つく
http://www.afpbb.com/article/economy/2632573/4477934
 米政府は20日、7月に導入したばかりの低燃費車の新車購入支援制度(Car Allowance Rebate System、CARS)を、24日に終了すると発表した。
 この制度は、中古車を下取りに出してより燃費の良い新車を購入すると、最大4500ドル(約70万円)の助成が受けられるというもの。低迷する米自動車業界を支援し、環境にも優しい制度として開始されたが、予想以上の申し込みが殺到。当初の10億ドル(約940億円)の予算に加え、急遽20億ドル(約1880億円)の追加予算を投入したが、これも底をつく恐れが強まり、開始から1か月も経たずに終了することとなった。』

 アメリカは色々な意味で分かりやすい国ですが、「予算が尽きた。終了する」と景気対策を終了するとは・・・。分かりやすければ、良いというものではありません。
 
 いずれにせよ、今や貯蓄の恐怖は、日本ばかりではなく世界各国を襲おうとしています。(何と中国まで!)
 今後十年くらいで、これまでの経済学の教科書は一斉に書き換えられる羽目になるのではないかなあなどと、色々と、本当に色々と考えているわけです。


世界経済、冗談抜きで ゜д゜)))ガクガクブルブル だよっ!、と思った方は、
↓このリンクをクリックを。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


 新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
 
新世紀のビッグブラザーへ blog一覧 はこちらです。
 
関連blogへのリンク一覧 はこちらです。

 兄弟ブログYahoo!版へ