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総選挙関連の書き込みは【集合知プロジェクト】日本が大好き!Vol.6 の方にお願いいたします。
Yahoo!版 http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/30075143.html
Ameba版 http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10310263226.html

【「ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本」をお買い上げ頂いた皆様へのお願い】
 「ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本」のご感想は、以下のamazonのカスタマーレビューにお書き頂きたくお願い申し上げます。http://www.amazon.co.jp/dp/4062156156/  ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(三橋)

 「ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本 http://www.amazon.co.jp/dp/4062156156/ 」ですが、土日の書店販売の勢いが全く衰えず、めでたく最重版が決まりました。「発売当日重版」に続き、「発売三日後再重版」というわけでございます。ありがとうございます!
 ちなみに、別に初版が少なかったり、増刷時にコンサバティブな冊数で重版かけているわけではありません。出版社の想像以上に、書店での売れ行きが良いとのことでございます。(ネット書店の方は、相変わらずの売れ行きでございます)
 お読み頂いた方はお分かりかと存じますが、本書は当ブログの「「節約」から「成長」へ」(その1は下記)がベースになっています。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10286519851.html
 すなわち、日本の真の問題は「フローの成長(特に名目GDP成長率)」が不足していることであり、「成長」に因らねば諸問題の解決はできない、という立場で書かれています。そして「成長」を実現するためには、どうすればいいのかが、本書のメインテーマの一つになっているわけです。
 必然、「節約」で財政再建を果たそうとする人たちや、「節約して景気対策」しようとする某政党を、徹底的に否定するものになっています。
 また、今後の日本人に覚えて頂きたい「ツール」の筆頭である「貸借対照表」、すなわち、バランスシートについても、分かりやすく説明しています。バランスシートが分かれば、日本の真の問題やソリューション(解決策)への理解を深めることができます。逆に言えば、バランスシートが分からなければ、問題や解決策について理解することは、ほぼ不可能になるわけです。
 
 例えば、わたくしが懇意にしている某フィクサーさんが、以下のようなことを仰っていました。
我々の銀行預金が、銀行にとって「負債」であるということが、なかなか理解できなかった。逆に、それが理解できた途端に、様々なことがスーッと結びつき、理解できるようになった」
 わたくしたちの銀行預金は、銀行にとっては「負債」に当たります。厳密には、わたくしたちが預金すると、銀行のバランスシートの資産側に「現金」が、負債側に「銀行預金」が計上され、両者がバランスする(だから「バランス」シート)わけですが。例えば、わたくしたちが銀行に現金1億円を持っていき、預金した場合、銀行のバランスシートは以下の通りとなります。

資産      | 負債
現金 1億円 | 銀行預金 1億円

 いずれにせよ、銀行は預けられたお金(銀行預金)に対し、金利を(微々たるものとはいえ)支払わねばなりません。預けられた現金をそのまま自行で寝かせておくと、逆ザヤが発生することになります。
 民間の資金需要が活発な際、すなわち好景気には、民間に貸しつけ、金利収入を得ればいいわけです。ところが、不況時には民間の資金需要が少なく、銀行側が貸したくても民間が借りてくれません。(同時に、不況時に資金を切望する中小企業などには、銀行側が不良債権化を恐れて貸さないという、ミスマッチが発生します。)
 わたくしたちから預けられたお金の運用先に困った銀行は、仕方なく低利回りの国債を購入します。結果、政府の資金調達(国債発行)は容易化し、国債で調達した資金で政府が景気対策を打つことができるというわけです。
 但し、↑これはあくまで国内の金融資産が充分な国のスキームです。国内に金融資産が不充分な場合、政府の資金調達は「海外」に依存することになり、リスクは高くなっていきます。

日本国債の保有者別内訳 2009年3月末時点
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_22.html#kokusai

 主要国の多くが国債消化を海外に「ある程度」依存しているのに比して、日本は94%が国内消化です。しかも、民間銀行と生損保だけで、六割を消化しているのです。
 わたくしたちが銀行に預けたお金や、生保・損保会社に支払った保険料の運用先に困り、機関投資家が国債を購入しているわけです。上述のバランスシートで言えば、以下の通りとなります。

資産      | 負債
国債 1億円 | 銀行預金 1億円

 銀行は国債からの金利収入で、わたくしたちの銀行預金の金利を支払うわけです。(もちろん、人件費などの各種費用も支払われます。)
 国内に金融資産が不充分な国はともかく、日本の場合、銀行の悩みは「預けられたお金の運用先がない」ということに尽きるわけです。もしもこの状況で日本政府が国債発行を取り止めてしまうと、銀行は果たしてどうするでしょうか。国内に目ぼしい運用先が無い以上、海外にマネーを振り向けることになるでしょう。
 2007年まで、海外の「目ぼしい金融商品」とは、サブプライムローンを含んだCDOやRMBSでした。これらの金融商品を購入しまくっていたヨーロッパ諸国が、現在どういう状況下といえば・・・。今更、言う必要はないですね。

 さて、金融機関に限らず、企業にせよ国家にせよ、バランスシートの負債側に金額が計上される(要は借金する)のは、当たり前の話です。そもそも、銀行融資などによる投資活動なしに、企業が成長することはありませんし、国家も同じです。
 要するに、企業にせよ国家にせよ、成長していくには「借金が必須」ということです。バランスシートの資産サイドだけ、勝手に増えていくということは「絶対に」ありえないのです。
 ところが、財務省やらマスメディアやらが借金をあたかも「悪」のごとき印象で報じ、国家の経済成長の足を引っ張りまくっているわけです。日本人の「借金嫌い(家計の話ならば、別に健全というだけです)」が、この傾向に拍車をかけています。

国の債務超過3・8兆円拡大、282兆円に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090724-OYT1T00788.htm
 財務省が24日発表した国の資産と負債の状況を示した2007年度の国の財務書類によると、一般会計と特別会計を合わせた国の財政状況は「負債」が「資産」を282・9兆円上回り、債務超過額は06年度の279・1兆円から3・8兆円拡大した。
 国債の発行残高や将来支払う年金などの「負債」は前年度比5・8兆円減の977・8兆円となった。特殊法人などへの貸し付けを減らす財政投融資改革に伴い、原資となっていた郵便貯金の預託が31・9兆円減ったことなどが要因だ。道路や河川などの公共用財産や有価証券として保有する米国債、貸付金などの「資産」は694・9兆円で9・6兆円減った。』

 そもそも、バランスシート上「誰かの負債は誰かの資産。誰かの資産は誰かの負債」なのですから、政府(「国」という表現はミスリード)の債務超過が増えたということは、それ以外の誰かの「債権超過」が増えたということを意味しているに過ぎません。
 特に、日本の場合は対外純資産国で、政府は海外からほとんどお金を借りていないわけです。日本政府の債務超過が増えると、国内の民間(家計もしくは企業)の債権超過が増えたということを意味します。それって、問題なのでしょうか?
 バランスシートを理解していれば、この種の悪質のミスリードにも容易に対抗することができるわけです。 

日本政府の債務超過増は民間の債権超過増に「なるほど」と思った方は、

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