新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

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Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」連載中

Voice+で中国経済に関して連載中


「新世紀のビッグブラザーへ」をお買い上げ頂いた皆様へのお願い
 「新世紀のビッグブラザーへ」は、内容に政治色が極めて強いため、これまで以上にアンチな方々が沸いてくることが予想されます。
 つきましては、今回はあえて掲示板を設けず、感想は以下のamazonのカスタマーレビューにお書き頂きたくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/dp/4569771416/  
 ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(三橋)


 何かホント久しぶりに韓国経済物です。
 なぜここ最近、韓国経済物がなかったかといえば、この外需縮小下で韓国の貿易依存度、つまり「(輸出+輸入)/GDP」の数値が八割を超えてしまったからです。外需縮小下で、2008年の外需依存度が上昇したわけで、まさに、
「ありゃりゃ・・・」
 という感じです。冗談抜きに \(^o^)/ オワタ という感じになり、興味が薄れてしまったのです。
 ちなみに、世界銀行発表の日中韓三国の貿易依存度(2008年)は以下の通り。

■日本:28.8%
■中国:68.0%
韓国:83.5% 
 ↑これ、あくまで財(製品)の貿易依存度のみです。サービスの輸出入を加えると、2008年の韓国は軽く100%を超えていると思います。

 本日、なぜ韓国経済を取り上げたかと言えば、この記事を読んだからです。

5月の食品価格11%上昇、OECD加盟国で2位
http://www.chosunonline.com/news/20090702000003
 韓国の5月の食品価格上昇率が経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国で2番目に高かったことが分かった。
 先月30日にOECDが発表した5月の消費者物価指数報告書によると、韓国の食品価格は前年同月比で11.0%上昇し、アイスランド(17.5%)に次ぐ高い上昇を示した。アイスランドは昨年11月に国際通貨基金(IMF)から21億ドルの緊急融資を受け、政権が崩壊するなど深刻な経済危機を迎えている。このため、政情が不安定なアイスランドを除けば、韓国の食品価格は事実上OECDで最も上昇したと言える。
 主要7カ国(G7)の平均は1.9%、OECDの平均は2.7%で、韓国の食品価格はそれを4-6倍上回る上昇を示したことになる。食品だけでなく、消費者物価全体の上昇率も、韓国はOECD平均(0.1%)を上回る2.7%に達した。
 統計庁が1日に発表した6月の消費者物価動向によると、食料品・飲料の価格は8.1%の上昇を示し、食品の値上がり傾向が続いた。』
 
 韓国の5月までの国際収支をまとめるついでに、ここ数ヶ月の通関ベースの輸出入総額と、対前年比増減率をグラフ化しました。

韓国輸出入総額(通関ベース)及び対前年比増減率
 
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_20.html#Koreaexpo

 どっしぇ~っ!!!
 輸出は4月まではそこそこ健闘していたようですが(それでも対前年比二割減前後だけど)輸入の減り方がとにかく半端ねえ~っ!!!
 韓国の輸入対GDP比率は四割を超えているので、対前年比で四割も輸入が減ってしまうと、対GDPで、ざっと16%という巨額の輸入が消滅したということを意味しています。これだけ輸入が減ってしまっては、スタグフレーション(景気低迷下の物価上昇)になって当たり前です。
 韓国の穀物自給率は25.3%ですから、七割以上を輸入に頼っているわけです。そこにウォン安が直撃し、韓国の購買力が一気に激減したということですね。
 
 まあ、韓国人は縮小成長(輸出減少にも関わらず、輸入減少率が大きすぎ、貿易黒字が拡大する現象)下で、
「貿易黒字が史上最大に達した!」
 とか何とか言っていれば、幸せなのでしょうから、とりあえず、わたしからのメッセージは一言に留めさせて頂きます。
「頑張ってください」

 ・・・しかし、グラフを見ると、輸入が際限なく落ちていっているように見えるのですが、ホント大丈夫なのでしょうか。輸入の対前年比増減率がマイナス六割とかに達すると、さすがに東亜+が爆笑の渦に包まれ、韓国人は暴動を起こすように思います。(もう起こしているけど)

 先日、日本経済の回復を取り上げた際に、
「失業率は典型的な遅行指数なので」
 と、書きました。日本の景気回復はすでに今四半期から始まっていることは明らかですが、それでも雇用環境はしばらくは回復せず、失業率は上昇します。(そういう指標なのです。)
 ましてや、今のところ景気回復(=GDPの対前期比プラス成長回復)の目処がついていない欧米諸国は、雇用環境は今後しばらくはひたすら悪化を続けることになるでしょう。

米雇用46万人減、再び拡大 6月、失業率9.5%に悪化
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090702AT2M0203L02072009.html
 米労働省が2日発表した6月の雇用統計(季節調整済み)によると、非農業部門の雇用者数は前月から46万7000人減った。減少規模は5月(32万2000人、改定値)を上回り、市場予測の平均(36万5000人)よりも悪かった。失業率(軍人を除く)は前月より0.1ポイント悪化し9.5%。米雇用情勢は底入れがまだ見えにくい状況だ。 (後略)』

5月のユーロ圏失業率、9.5%に悪化 10%を超える可能性も
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090702AT2M0202Y02072009.html
 欧州連合(EU)統計局は2日、ユーロ圏16カ国の5月の失業率(季節調整値)が9.5%となり、前月に比べて0.2ポイント悪化したと発表した。スペインなどでは雇用情勢が一段と厳しさを増しており、各国の財政出動にもかかわらず雇用創出の動きは鈍い。2010年にかけて失業率がさらに上昇し、10%を超えて過去最悪の水準に達する可能性があるとの見方が強まっている。(後略)』

 ユーロ圏のみならず、アメリカの失業率も2010年にかけ、二桁を超えていくことになるでしょう。
 特に、アメリカの若年層の失業率が凄まじく、16~19歳は24%、20~24歳は15.2%、25~34歳は10.1%となっています。
 オバマ大統領は、若年層や全体の失業率悪化を受け、
何年もかかってここまでひどい状態になった景気は、数カ月ではひっくり返せない
 と、アメリカ国民に「忍耐」を呼びかけました。
 世界経済最後の買い手たるアメリカは、今後しばらくは世界経済の牽引役にはなれないでしょう。ユーロ圏に至っては、銀行の不良債権問題が凄すぎ、牽引役になるどころか、
どうか、爆弾を破裂させないでくれ
 と、祈りたくなるような状況です。
 この環境下で、日本経済を輸出主導で回復させるなど、できるはずがありません。こうなることが読めていたからこそ、以前から政府支出を呼び水に、国内需要中心の回復を目指せ、とうるさく言ってきたわけです。なぜなら「マネー」「技術」「イノベーティブな人材」「それなりの規模の国内需要」←この四つ全てを持ち合わせている国が、今や世界には日本しかないからです。
 現在の日本政府が上記のままの成長戦略を描いていることは、本当に安心感があります。後は、これをいかに継続させるか、それが「課題」です。


日本の「課題」をご理解頂けた方は、

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