新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

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共同キャンペーン 日本の田植え祭  
共同提案者 渡邉哲也氏ブログ
放送倫理・番組向上機構に意見を送るス


 「崩壊繁栄」を出版して以降、著名人や財界人に招かれ、お話をさせて頂いたり、講演させて頂くケースが増えています。それまでマスメディアを通してしか知る機会が無かった人々とお話させて頂き、毎回のように感じるのは、
「ああ、この人たちも普通の日本人なんだなあ・・・」
 ということです。普通の日本人とは、普通に頭が良く、普通に理解力に富み、普通に情報に富み、普通に情報に欠けているという意味でございます。こう言っては何ですが、ずば抜けて頭が良いと思った人には、未だに会ったことがありません。皆さん、わたしが頻繁に書く「平均的に頭が良い」日本人の典型のような方々ばかりです。
 それを強みとして捉えるのか、それとも弱みとして捉えるのかは、人それぞれと言うか、「環境」により異なるのでしょうが、そんな平均的に頭が良い皆さんでも、わたしの講演などに対する反応は各人各様です。特に面白いと思ったのは、わたしの親の世代、すなわち団塊の世代前後の方々は、わたしの話しに反発する傾向が強いという点です。
 ご存知、わたしは「数値データ」の裏付けなしには、ほとんど話をしませんので、反発と言っても、「枝葉末節」のあら探しになってしまうケースが多いです。例えば、↓このグラフを見せられて、
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/GaijuIzondo20072.JPG
「日本の輸出依存度は、独中韓諸国に比べたら、相対的に低いです。日本は独中韓諸国に比べれば、外需依存ではありません
 と言われると、なかなか反論しにくいわけです。この場合、団塊前後の皆さんは、揃って、
いや、それでも日本は輸出依存なんだ!
 という理屈を頑張って探し始め、わたしの方はいつも大変面白く拝見しています。
 と言うか「輸出依存」というのであれば、別に日本だろうがアメリカだろうが、GDPの一部を輸出に依存しているのは間違いないわけです。
「日本は輸出依存!(但し、輸出依存度は15.4%)
「アメリカは輸出依存!(但し、輸出依存度は8.4%)
 もそれぞれ正しいのですが、その際に(   )の中にきちんと思考が向かうかどうかが、「情報リテラシー」が高いか否かの境目になるわけです。 
 この場合、「輸出依存が高い」という言葉が、定義が曖昧であるために、却って妙な言霊を持ち、社会的な空気醸成に活用されてしまっています。ということは、逆に言霊がミスリードに利用されている場合は、「言葉の定義」を明確化することが、一つの対抗策になるわけですね。
 
 まあ、それはともかく、団塊前後の方々がわたしに反発心を抱くのは、何も「日教組教育」とか「媚中」とかのせいではないと思います(それも多少はあるのでしょうが)。最大の理由は、わたしが彼らの「息子」くらいの年齢だからだと思うのです。
 誰だって、自分の息子のような年齢の若僧に、
あなたたちの認識は間違っています。ほら、数字を見てください。反論できますか?
 と言われるのはムカつきます。(注:そんなことは百も承知なので、↑わたしが実際にこういう言い方をすることは決してありません。念のため)
http://news.goo.ne.jp/article/php/business/php-20090219-09.html
 以前、Voiceに載せた「1ドル70円台の日本経済↑」について、
「現実にはあり得ない。父親があれほど真面目に、最後まで息子の話を聞き続けることはない
 と、渋い書き込みをされた方がいらっしゃいましたが、全く仰るとおり。あれほどポンポンと自己の意見を否定され、最後まで我慢する父親など現実には存在しないでしょう。わたしはリアルにそれを体験しているわけです。

 ところが、不思議なことに、団塊の世代よりも上の年代の財界人の方々は、素直にわたしの話に納得してくれるのです。それは恐らく、わたしがあの方々の「孫の年齢」であるからかも知れません。あるいは、教育が終わった時点で終戦を迎えたため、妙な日教組教育に影響を受けることがなかったためなのかも知れません。
 以下は、そんな中でも最もわたしと話が合った、85歳前後の超有名財界人の方からお伺いしたお話です。
日本の最大のガンは、マスメディアである」
プラザ合意の時も、マスメディアは散々に『明日、日本は破滅する』論を展開していた。円高は確かに輸出企業にとっては脅威だが、円高で利益を得る業界というもの存在するわけだ。しかし、マスメディアは当時、一切その手の業界の話は書かなかった。
 わたしは懇意にしている記者と話す機会があった際に、『なぜ、出鱈目の円高破滅論しか書かないのか』と聞いたところ、『いやあ、デスクがそれ以外を認めてくれないので~』と返された。そこで、今度は彼の上司であるデスクと話し、同じ質問をしたところ、『いやあ、社長がそれ以外を認めてくれないので~』と返すではないか。
 呆れ果てたわたしは、今度は社長と話し、同じ質問をした。すると、そのメディア(新聞社)の社長は『いやあ、何となく部下がそれ以外を認めてくれない気がするので~』と答えたのである。わたしは、呆然として、言葉もなかった。
 結局、別に『日本は円高で破滅する』という信念を持った人間が、マスメディアの中に存在するというわけではないのだ。プラザ合意当時、マスメディアで流行った『日本円高破滅論』の正体は、単なる『空気』だったのだ」
「我々の世代や、若者の頭は結構柔らかいと思う。なぜか団塊の世代前後が、異様なまでに保守的だ。『日本は輸出で外貨を稼がなければならない』という固定観念を持っていて、異なる考えを全く受けつけない」
「人類史上、最も幸せだった人々は、江戸時代の日本人だ。明治以降も、治安維持法制定までは、日本は大変自由な国だった。今の日本人は、戦前をまとめて考える傾向があるが、それは明らかに間違いだ」

 ここまで↑長々と書いてきた話は、全て「情報」に関わる問題であることに、お気づき頂けたでしょうか。日本の問題は、政治も経済も、社会保障も教育も、全ては情報の問題に過ぎないのです。
 プラザ合意時代のマスメディアの暴走は、当時の日本人にはどうすることもできませんでした。
 しかし、現代の日本人はインターネットに代表される、「マスメディア」以外のコミュニケーション手段を手に入れました。わたしたちは、すでに武器を手に入れたのです。
 また、インターネットが無い時代であっても、マスメディアに対抗し、「情報の脅威」と戦おうとした人たちがいます。代表的なのは、当時のマスメディアがソ連型社会主義を礼賛する中、「動物農場」や「1984年」を執筆し、ペン一つで全体主義の脅威と戦ったジョージ・オーウェルです。
 特に「1984年」は、情報統制や歴史修正が「何事もなかったかのごとく」行われる、恐怖の全体主義的ディストピア社会を描いた傑作です。
 オーウェルが「1984年」を書いた当時(1948年)は、スターリン体制下のソ連の絶頂期で、多くの国々が「赤化」の恐怖に怯えていた時代でした。日本や英国、それにアメリカでさえ例外ではありません。(アメリカ共産党、という政党さえ実在しました。実は今もあるんですけど)
 元々、英国にはディスト
ピア(反ユートピア)小説の伝統がありましたが、オーウェルは当時のソ連型全体主義国家に世界が分割統治された近未来を書き、圧制的全体主義の広まりを社会に強く警告したのです。(オーウェルは1984年を書き終えた直後に、亡くなってしまいました)
 別に日本のジョージ・オーウェルを気取る気など、毛頭ありません。単純に、オーウェルの手法が格好よく、かつ有効に思えるので、参考にさせて頂きました。



新世紀のビッグブラザーへ blog



 「情報」の問題が行き着くところまで行き着き、圧制的「新」全体主義に支配された近未来の日本を描く、ジョージ・オーウェル「1984年」へのオマージュ「新世紀のビッグブラザーへ」は、6月23日発売開始です。
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 ちなみに「ビッグブラザー」とは「偉大なる兄弟」と訳されるケースが多いですが、英語では単純に「独裁者」という意味もあるのです。


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