新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

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 本日のタイトルは「続 "押し紙"を叩け!」だと予想した人は多いと思います。(実際には明後日です。)
 なぜ"押し紙を叩け!"でないのかといえば、単純にわたしが新潮の記事をまだ読んでいないからでございます。(昨日、出張で、時間が取れなかったのです。)
 とは言え、マスメディア問題関連のニュースが相次いでいますので、先行的にダイジェストでご紹介はしておきましょう(情報提供してくださった皆さん、ありがとうございました。)

新聞業界最大のタブー? 週刊新潮が「押し紙」特集記事
http://news.livedoor.com/article/detail/4187032/

 新聞業界のタブーと言いますか、アキレス腱である「押し紙」が、徐々にクローズアップされてきました。何しろ、「押し紙」は普通に「詐欺行為」ですから、大手新聞社もさぞや青ざめているでしょう。しかし、大手紙が「内容」ではなく「広告表現」を中心にクレームつけているのが、「いかにも」という感じがします。内容を問題視して、
「じゃあ、どっちが正しいか調べましょうよ」
 という声が高まると、アウト!ですからね。まあ、自業自得もいいところですが。

 ところで「地上波 政府広報テレビの開設を求める請願」が始まっています。早速、わたくしも請願書を送らせて頂きました。

地上波 政府広報テレビの開設を求める請願
http://homepage2.nifty.com/freebird/tv-seigan/index.html

 様々な場所で、様々な日本人が自分にできる事を始めました。マスメディアのビジネスモデル崩壊と共に、「真実の情報」を求める日本人の個別の動きが、大きなうねりを作り出そうとしている予感がします。

欧州銀3行、高リスク証券化商品なお大量保有
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20090526D2M2200C26.html
 ドイツやスイスの欧州大手銀行がリスクの高い証券化商品を大量に抱えていることが分かった。ドイツ銀行、クレディ・スイス、UBSの3行が保有する証券化商品のうち、時価の把握が難しくリスクが大きいとされる資産は、3月末時点で計2300億ドル(約22兆円)と、3行合計の自己資本の2倍強に達する。証券化商品の市場低迷が長引くようなら、追加的な損失につながる可能性がある。
 高リスクの証券化商品は、市場取引が少ないなどの理由で時価評価が難しく、「レベル3」資産と呼ばれている。内容は銀行によって異なるが、債務担保証券(CDO)や複雑なデリバティブ(金融派生商品)などが含まれるとみられる。』

 日本経済新聞にこの種の話が掲載されると、すでに事態は手遅れになっているケースが多いのですが、何となくこれも同様な気が致します。
 実は、米国会計基準では「市場での売買が少ないため、時価の測定が困難な資産(例:CDO等の証券化商品など。『レベル3資産』とも呼びます)」について、残高開示が義務化されています。ところが、欧州会計基準では義務化されていないのです。
 とは言え、米国に上場している欧州の一部の銀行は開示しており、問題の根深さを何となく感じ取らせてくれます。以前、
『頭の体操 http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10246411239.html  』
 において、標準的なバランスシート(貸借対照表)をご紹介しました。今回も参考として、同じものを載せておきましょう。


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 日経の記事にある「自己資本」とは、バランスシートの純資産に該当すると考えてください。(厳密には違うのですが、便宜的に)
 さて、今回の記事で問題にしているのは「負債」の話ではなく、「資産」の話です。各行が保有している証券化商品などのレベル3資産は、バランスシートの「資産サイド」に計上されているわけです。
 ドイツ銀行、クレディ・スイス、UBSの「3行合計の自己資本の2倍強に達する」と書いてありますが、実際に二倍強に達しているのはドイツ銀行とクレディ・スイスのみで、UBSはそこまでは至っていません。

【各欧州系銀行のレベル3資産残高】
■ドイツ銀行 800億ユーロ:自己資本の2.4倍
■クレディ・スイス 854億スイスフラン:自己資本の2.4倍
■UBS 475億スイスフラン:自己資本の1.5倍

 さて、例えばドイツ銀行が自己資本の二倍を超える「証券化商品」を、バランスシートの資産として計上していたとします。これが、実はサブプライム危機により、時価が十分の一に下落してしまったと仮定しましょう(実際、このレベルの下落はざらにありました。)。
 時価会計の原則に従うのであれば、ドイツ銀行はこれらの証券化商品について「評価損」を計上しなければなりません。すなわち、簿価と時価の差額を「損失」として損益計算書に計上するわけです。
 損益計算書における損失は、バランスシートの「純資産」の部分から差っ引かれます。(結果、バランスシートは左右が「バランス」するわけです。)
 しかし、万が一本当に「自己資本(≒純資産)の二倍超の証券化商品の簿価の、九割もの評価損を計上」した場合、果たして何が起きるでしょうか。当たり前ですが、ドイツ銀行の純資産は評価損に食いつぶされ、一瞬にして「債務超過(負債が資産を上回る)」に陥るのです。
 
 怖いのは、ドイツ銀行などの欧州数行については、まだしもレベル3資産の額が明らかになっているからいいようなものの、ほとんどの欧州系銀行は実体が明らかになっていないという点です。
『ルクセンブルグ・モデル http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10258239271.html
 でもご紹介しましたが、
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_17.html#Taigaisaimu
 欧州諸国(金融立国諸国)の対外債務対GDP比率は、軒並み凄いことになっています。これらの国々が海外から金を借り、何を買っていたかといえば、ずばり証券化商品(主にアメリカ製)なわけです。すなわち、レベル3資産が含まれているのです。
 今回の危機において、アメリカの銀行は何だかんだ言って問題のレベル3資産の額を公開し、増資(自己資本を積み増すこと)で「レベル3資産残高 対 自己資本倍率」を一倍未満に押し込めています。また、米国政府もストレステスト(資産査定)を行い、各銀行のレベル3資産を調べ上げ、一部の銀行には再度の増資を命じるなど、リスクの洗い出しと対応を実行しています。。
 ところが、こと欧州系の銀行の場合、レベル3資産を一部の銀行(ドイツ銀行、クレディ・スイス、UBS、RBS、HSBC、及び北欧ノルディア銀行のみ)しか開示しておらず、ストレステストもやるのか、やらないのか、よく分からない状況が続いています。(ストレステストをやっても、結果は公表しない、などと分けの分からない事を言っている国もあります。余計、疑われるだけだっつうの)

 先日、ある人が、
「欧州系は評価損の額を、永遠に明らかにせず、隠し通すだろう。なぜならば、公開した途端に国家経済が破綻するのが明らかで、それが分かっている以上、どうして公開できるだろうか」
 などと言っていましたが、ドイツ銀行などのレベル3資産の額を見ると、信憑性が高いように思えてなりません。

三橋同様に、欧州経済の「闇」にビビッた人は、
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