新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

http://www25.atwiki.jp/tauesai/pages/1.html

三橋貴明診断士事務所  を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから 
崩壊する世界 繁栄する日本 「国家モデル論から解き明かす」 発売中!

中国経済がダメになる理由  発売中!

本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々  重版決定!
共同キャンペーン 日本の田植え祭  
共同提案者 渡邉哲也氏ブログ
放送倫理・番組向上機構に意見を送るス


 まずは微妙な話から。(情報提供NO様)
 2008年の米国市場における日本車の販売シェアは、前年の37.1%から上昇、39.7%とほとんど四割に迫りました。

米国新車市場での日本車販売台数およびシェア2008年
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_19.html#JapanCarShare

 米国市場の急激な縮小を受け、販売台数自体は減少しているのですが、他国の自動車メーカーがそれ以上のメタメタで、日本車のシェアが上昇してしまったわけですね。まさに微妙な感じですが、販売台数とシェアの双方が共に落ちていくよりマシなのは確かでしょう。
 今年に入り、すでにクライスラーがチャプター11でさらにシェアを落とし、GMもアレな感じなので、今年の日本車の米市場のシェアは五割に迫る可能性もありますね。しかし、縮む市場でシェアを伸ばすよりも、日本メーカーの主戦場はこちらの方に移動してきた感じがします。

新型プリウスばか売れ、受注絶好調…トヨタ残業再開
http://www.zakzak.co.jp/top/200905/t2009052716_all.html
 トヨタ自動車は、新型ハイブリッド車(HV)「プリウス」の受注台数が25日までに11万台を突破したことを明らかにした。18日の発売の時点で先行予約はすでに8万台を超えていたが、1週間でさらに受注を伸ばし、HV人気を改めて裏付けた。これを受けてトヨタは、不況による減産の影響で行っていなかった残業を、プリウスの生産工場で6月から再開する。
 エコカー減税も追い風になり、販売店は活況を呈している。愛知県内で63の新車販売店を持つ愛知トヨタ自動車(名古屋市)では、「異例中の異例というくらい注文が入っている」(幹部)という。生産が追いつかないため、今注文しても秋以降の納車になる。(後略)』

業界騒然!ホンダ「インサイト」をコケにするトヨタ「プリウス」の容赦ない“比較戦略”
http://diamond.jp/series/inside/09_06_05_001/
 舞台上では寸劇が始まった──。後略)』

 ほんの一年前までは、トヨタとホンダが日本国内市場で激突し、しのぎを削ることになるなど、誰も想像していませんでした。日本市場は確かに色々な面で、世界の中で「特殊」です。しかし、これは別に悪いことではなく、日本メーカーにとってはオリジナリティに磨きをかける絶好の市場といえないこともないのです。
 07年までのアメリカ市場は、アメリカ国民の借金により極端に需要が拡大し、日本メーカーからは「ドル箱市場」と呼ばれていました。しかし、日本メーカーがアメリカで利益を大いに稼げた半面、「独自の市場」たる日本での進化が遅れた面もあったのではないかな~、と考えたりします。誰だって「ドル箱市場」があれば、他の市場における進化に目がいかなくなっても当然です。
 トヨタやホンダは今こそ本流に立ち返り、人口1億人を超える日本市場で「ガラパゴス」な進化を遂げ、それを持って世界に再度打って出て欲しいなあ、などと勝手に思っています。少なくともタタ自動車と30万円の自動車で競合するのでは、さすがに日本の製造業の未来は明るくないと思うのです。
 先日、WBSで「"ガラパゴス"を強みに」という特集をやっていました。(情報下さった皆さん、ありがとうございます。)

“ガラパゴス”を強みに
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/news/n1_128.html
(登場したキーワード:超ガラパゴス研究会、意味価値、機能+「意味づけ」、ソーラーパネル携帯、パソコンクラスの処理能力を持つ携帯、ウォシュレット)

 別に偉そうなことを言う気は全くないのですが、IT製品の営業として長年やってきた経験から言うと、商売の基本とは「高く売ること」です。シェアを取ることでも、安く売ることでもないのです。高く売るには、いかに「他者と違うか」をアピールすることが大切になります。すなわち、差別化です。
 いわゆる「グローバル・スタンダード」とは、標準を世界的に定めて「誰でも作れるようにしましょう」という発想です。こんなコンセプトの元では、さすがに人件費が日本の十分の一の国々と競合しても勝ち目は薄いでしょう。
 マーケティングの勉強をしている人は、以下のエピソードを聞いたことがあるのではないでしょうか。
 世界で初めて大西洋を単独で無着陸飛行をしたのは、御存知アメリカの飛行家チャールズ・リンドバーグですが、二番目に大西洋単独無着陸飛行に成功した人は、誰も知りません。しかし、しかし、みんな第何番目かで大西洋単独無着陸飛行に成功したアメリア・イアハートについては知っています。なぜならば、イアハートが「女性として初めて大西洋単独無着陸飛行に成功した」人物だからです。
 リンドバーグとイアハートの間に、何名の男性飛行家がいたのかは知りません。歴史はただ、リンドバーグの次に有名な飛行家としてイアハートを記録しているだけです。なぜなら、彼女が女性だったからです。
 これが差別化です。イアハートが人々の心に残っているのは、彼女がリンドバーグ以降の男たちとは違う存在だった(女性だった)から、ただそれだけの理由からなのです。
 ガラパゴス化、差別化、何と呼んでもいいですが、日本企業がこちらの方向に進み始めているのは、大変頼もしく思います。

 さて、そんな日本企業の動きをサポートするであろう、大変重要な法案が昨日成立しました。

09年度補正予算が成立 歳出規模、過去最大の13兆9000億円
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090529AT3K2900O29052009.html
 2009年度補正予算が29日、成立した。同日午後の参院本会議で野党の反対多数で否決されたが、同日夕の衆院本会議で憲法の衆院優越規定に基づき成立した。歳出規模は補正予算として過去最大の13兆9256億円で、当初予算と合わせた09年度の一般会計総額は102兆4736億円に膨らむ。 (後略)』

 例により、どうせマスメディアはまともに報道しないでしょうから、内容について最も詳しいページ(よりにもよって財務省)にリンクを貼っておきます。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy210427/hosei210427c.pdf

(1) 雇用対策 12,698億円
 ○再就職支援・能力開発対策 7,068億円
 ○雇用創出対策 3.085億円
 ○派遣労働者保護対策、内定取消対策、外国人労働者支援等 44億円
 ○住宅・生活支援等 2,500億円
(2) 金融対策 29,659億円
 ○中小企業の資金繰り支援 15,454億円
 ○中堅・大企業の資金繰り支援等 7,174億円
 ○住宅・土地金融の円滑化等 7,031億円
(3) 低炭素革命 15,775億円
 ○太陽光発電 6,081億円
  (学校耐震・エコ改修 2,641億円)
  (学校への地デジ・パソコンの配備 2,098億円)
 ○低燃費車・省エネ製品等 8,665億円
 ○交通機関・インフラ革新 298億円
 ○資源大国実現 731億円
(4)健康長寿・子育て
 ○地域医療・医療新技術 8,207億円
 ○介護職員の処遇改善・介護拠点整備 8,361億円
 ○子育て・教育支援 3,652億円
(5)底力発揮・21世紀型インフラ整備
 ○農林漁業の底力の発揮 10,131億円
 ○先端技術開発・人材力強化、中小企業支援 7.932億円
 ○地域連携と競争力強化の基盤整備 4,262億円
 ○ITによる底力発揮 2,827億円
 ○ソフトパワー・観光 624億円
(6)地域活性化等 1,981億円
(7)安全・安心確保等 17,089億円
(8)地方公共団体への配慮 23,790億円
合計 146,987億円

ええ! 学校の耐震工事が予算に入っていたの!と(三橋同様に)驚いた方は
↓このリンクをクリックを。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


 新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
 
新世紀のビッグブラザーへ blog一覧 はこちらです。
 
関連blogへのリンク一覧 はこちらです。

 兄弟ブログYahoo!版へ