新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

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 ここ数日、急激に円高になり、現在1ドル95円中盤で推移しています。
 この円急騰の原因ですが、BBCが民主党中川正春の「民主党が政権を握ったら、ドル建ての米国債は購入しない」という発言を報じた結果、NYで円が買われたと時事が書いています。 
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009051300136&rel=j&g=eco
 その影響もゼロではないのでしょうが、どう考えても本命はこっち↓でしょう。

円続伸、一時95円台=米国債格下げ懸念でドル売り-東京市場
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009051300400
 13日午前の東京外国為替市場の円相場は、米国債格下げに言及した英フィナンシャル・タイムズ紙への寄稿を材料視した円買い・ドル売りで続伸し、一時1ドル=95円台をつけた。午前11時現在は1ドル=96円19~21銭と前日比1円46銭の円高・ドル安。
 この寄稿は会計専門家の執筆で、同日の取引開始直前に伝わった。米財政赤字拡大などを受けて、「米国債格下げの懸念が(市場に)生じていた」(米系銀行)ため材料視されたといい、約2週間ぶりの95円台をつけた。(後略)』

 現在の米国債の状況は明日取り上げますが、いずれにしても週に数兆円というハイペースで国債を発行している以上、米国債の格下げ懸念が生じても当たり前です。恐らく、「政治的」に格下げが実施されることはないと思いますが、FRBの長期米国債買取もあり、ドルが中期的に下落していくことは避けられないでしょう。
 さらに、先日の「ルクセンブルグ・モデル」でご紹介したように、爆弾自体はどう考えても欧州のほうが大きそうなので、今後しばらくは円が一方的に下落していく局面は訪れないのではないかと思います。

 さて、昨日から話題になっているアメリカの社会主義国化ですが、別にわたしが言いだしたわけではないです。恐らく世界中の大勢のエコノミストが、早い段階から主張していたのだと思いますが、わたしがこの手の文章を初めて読んだのは、ビル・エモット氏になります。
 皆さんは、昨年の今頃、頻繁に話題に出ていたファニーメイ、フレディマックの二大住宅公社を覚えていらっしゃいますでしょうか。この二つの公社の業務は、民間住宅ローン会社(カントリーワイド等)の住宅ローン債権について、保証や融資を行うことにあります。
 ファニ・フレの二大公社が保証している住宅ローン債権の規模は、何とアメリカ住宅ローンの半分に及ぶのです。(約5兆ドル)
 元々、ファニ・フレが発行する証券については、政府保証はありませんでした。が、ご存知昨年秋にブッシュ政権が両社に政府の金をぶち込み、全面的に救済する事を宣言したため、事実上の政府保証が成立する状況になってしまいました。
 すなわち、現在ではアメリカの住宅ローンのうち、実に半分がアメリカ政府の管理下に入っているようなものなのです。これは社会主義以外の何物でもないでしょう。と、エモット氏が書いており、なるほど、と思ったわけです。
 さらに、住宅ローンのみならず、賃貸住宅においてもアメリカの社会主義化が始まっています。
 ニューヨークなどの一部の都市では、市当局が不動産の賃貸料金に統制を課す動きが出てきているのです。

 ところで、わたしは説明もなく「社会主義化」という言葉を使っていますが、これは民間の経済取引に「政府がくちばしを突っ込む」状況が増えてきた、ということを意味しています。
 昨日、報道された金融機関への「くちばし」も、その一環ですね。(情報提供 nat*kus**natuki様、多謝 m(_ _)m 何気に二日連続本文ご登場ですね。)

金融機関の報酬見直しを検討=オバマ政権-米紙報道
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009051300542
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は13日、関係筋の話として、公的資金の注入を受けていない金融機関を含む金融業界全般の報酬慣行をどのように見直すことができるかについて、オバマ米政権が真剣な検討に着手したと報じた。
 報酬と長期的な業績、リスク管理をより緊密に連携させることが狙いで、同政権と規制当局が、連邦準備制度理事会(FRB)や証券取引委員会(SEC)の監督権限の活用のほか、道徳的説得といったさまざまな選択肢を検討中。法制面での対応も検討しているという。』

 元々、アメリカの銀行が抱えている不良債権(証券化商品の評価損など)の額には、バラつきがありました。つまり、大丈夫なところは大丈夫だったわけです。
 しかし、ダメなところと大丈夫なところを仕分けして公的資金を注入すると、
あ、この銀行は危ないんだ(実際にそうなんですが)」
 となり、体力が弱っている特定の銀行を、さらに追い詰める羽目になりかねません。そこで、オバマ政権は全ての主要金融機関に有無を言わせずに公的資金をぶち込みました。挙句の果てに、
公的資金を注入された金融機関は、報酬制限を云々かんぬん
 と言い出したので、比較的健全だったGSやモルスタが怒って、公的資金返還を要請する騒ぎになっていました。
 ここまでだけでも相当に社会主義チックなのですが、さらに「公的資金の注入を受けていない金融機関を含む金融業界全般の報酬慣行」を見直すとなると、もはやこれは明らかに資本主義ではありません。事実上、金融機関の報酬を政府が決めるようなものですから。

 さて、社会主義国化と言えば本命は自動車産業ですが、09年04月のアメリカ市場における各自動車メーカ販売実績が公表されました。(データ提供 NO様)

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_18.html#Car090514

 4月は何とか対前年同月比50%を維持したクライスラーですが、これは5月には間違いなく切ってくるでしょうね・・・。さらに、GMも・・・。
 雇用の問題から、GMは絶対にチャプター7(いわゆる破産)にするわけにはいかないので、恐らくチャプター11後に「国有色」を強めることで、生き残りを図るのではないかと思います。政治的に労組色が強いオバマ政権は、それで構わないのでしょう。
 困るのは、GMに貸し付けていた債権者たちですね。何しろ、「担保」が設定された債権さえ意味がないことが、クライスラーのチャプター11で証明されてしまったのですから。


これが「あの」アメリカ!!!と思った方は
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