新世紀のビッグブラザーへ blog-日本の田植え祭

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 さすがに、AERA1月26日号の「ミネルバを知っているか」において、散々韓国政府のやり口を批判した手前、フォローアップが必要と思いまして。元エントリーはこちらでございます。
続々 本当にあった怖い話  
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/22913755.html  』

「経済大統領」ミネルバ無罪 韓国ネット法整備に影響も
http://www.asahi.com/international/update/0420/TKY200904200220.html
 ハンドルネーム「ミネルバ」の名前でインターネット上に書き込んだ経済予測を次々と的中させる一方、虚偽事実を流したとして韓国検察当局に逮捕・起訴された男性(30)に対し、ソウル中央地裁は20日、無罪判決を言い渡した。 (後略)』

 とにもかくにも、高々掲示板に経済関連の書き込みをしただけの人物が有罪判決を受けず、韓国は一応「言論の自由」が制限つきながら認められる国である事を証明したわけです。何で制限つきなのかと言えば、もちろん「親日」関連では韓国に言論の自由は一切存在しないからですが。
 ミネルバの弁護士は、
そもそも起訴自体に無理があった
 と、発言していますが、まあそりゃそうですな。
 とは言え、検察側は「裁判所が法理を誤って適用した」として即刻控訴する方針を示しているそうなので、ミネルバ君の受難の日々はまだまだ続きそうです。

 ところで、韓国の09年第1四半期の実質GDPが対前期比で0.1%増になり、結構驚いたのですが、韓国銀行の数字↓を見ると、なるほどと納得しました。

http://www.bok.or.kr/contents/total/eng/boardView.action?menuNaviId=634&boardBean.brdid=4131&boardBean.menuid=634&boardBean.rnum=2

韓国GDP、前期比0.1%増、1-3月期実質
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090424D2M2401D24.html
 韓国銀行(中央銀行)は24日、1―3月期の国内総生産(GDP、速報値)が実質で前期比0.1%増えたと発表した。増加は昨年7―9月期(0.2%増)以来、2四半期ぶり。ウォン安効果を背景に液晶パネルなど一部の工業製品の国内生産持ち直しが寄与した。ただ依存度の高い外需の全般的な回復は当面見込みにくく、韓国経済の回復の足取りが持続するかは予断を許さない。 (後略)』

韓国の第1四半期の結果 (対前期比) 
【内需部門】 
 ■消費部門
 民間最終消費支出(個人消費) 0.2% 寄与度:+0.1%
 政府最終消費支出 3.6% 寄与度:+0.58%
 ■投資部門
 建設投資 5.3% 寄与度:+1.0%
 設備投資 -9.6% 寄与度:-0.92%
【外需部門】
 輸出 -4.2% 寄与度:-2.38%
 輸入 -8.7%(※控除) 寄与度:+5.0% <<<<<注目
【総合】 +0.1%
※寄与度は2008年第4四半期のGDP構成(以下)からの推定値
 民間最終消費支出:54.6%
 政府最終消費支出:16.2%
 建設投資:19.1%
 設備投資:9.6%
 財貨・サービスの輸出:56.7%
 財貨・サービスの輸入:57.6%

 韓国はなぜか建設投資について民間と政府分(いわゆる公共投資)をごっちゃにしているのですが、韓銀の資料に「土木事業増加により、建設投資が5.3%増加した」と書かれているので、建設投資5.3%(寄与度1%)のかなりの部分は公共投資と推定しています。いずれにしても寄与度1%では大した影響はないのですが。
 そんなことよりも大注目は、「輸入が減少したことにより、GDPが5%増えた(寄与度+5%)」という事実です。
 何か、ウォン安により韓国の輸出が回復したなんて数字無視の主張をしている人がいますが、そんな事実はありません。韓国の輸出は対前年比も対前期比も共に減少を続けています。これだけウォンが安くなったにも関わらず、輸出が減少しているというのは驚くべきことです。
 前回のアジア通貨危機のときは、98年に韓国の「輸入が減った」ことが原因で、貿易黒字が史上最大値を更新しました。しかし、この年に韓国の貿易黒字が史上最大になったのは、何も輸入減少ばかりが原因ではなく、「ウォン暴落により輸出も伸びた」ことも一因だったのです。
 アジア通貨危機により、現在と同様に韓国ウォンは暴落しました。
 結果、韓国製品の輸出競争力は高まり、同時に当時は世界的な需要が健全であったため、韓国の輸出は翌98年に大きく伸びたのです。同時に、ウォン暴落により輸入が減少した結果、貿易黒字(輸出-輸入)は史上最大値を記録しました。
 ところが、今回は輸入も激減していますが、通貨暴落にもかかわらず輸出までもが減少するという恐るべき事態に至っているわけです。しかも、輸出入共に減少率が98年を上回っています。(と言うか、98年は輸出は減少しなかったのですが)
 まとめると、
■ 対前期比の輸出減少率が緩和され、同時に政府支出、公共事業拡大により前四半期のような内需全滅は回避されている。
■ 輸入の減少が凄まじく、GDPを大きく「押し上げている」
 結果、全体では+0.1%の成長となったわけです。

 今回の結果から明らかになったことは、韓国経済は「アジア通貨危機」の時よりも危機であるという事実です。
 外需がらみのデータを、98年と08年で比較して見ましょう。

■ 財貨・サービスの輸出対GDP比率:98年⇒46.1% / 08年⇒56.7%
■ 財貨・サービスの輸入対GDP比率:98年⇒33.3% / 08年⇒57.6%

 日本などとは比較にならないほど「グローバル化」してしまった韓国は、アジア通貨危機のときよりも外需依存を強めてしまっています。そのため、輸出や輸入の変動がGDPに与える影響が大きくなっているわけです。
 韓国の輸入減少はもちろん資本財の購入を減らしているためなので、今後は輸出に悪影響を及ぼす可能性が濃厚です。逆に輸入の方は、ある程度で底を打つと思います。(韓国人が生活レベルを極端に下げるなら、別ですが)
 李明博政権としては、外需の変動に対処のしようがなく、政府支出(政府最終消費支出&公共投資)で、何とか内需崩壊を食い止めているのが現状な分けです。そして、これは明らかに正しく、実際のところ李明博政権に他に手はありません。
 問題は、韓国政府がすでに札割れを起こしているような状況で、いつまで財政支出拡大を続けられるかという点と、対外債務が多い韓国が、財政支出を拡大しながらいつまで格付けを維持できるかという点になります。
 李明博政権としては、お金のやりくりを何とかしながら政府支出を拡大しまくり、外需の回復を待つしか方法がないわけです。輸出対GDP比率が日本の数倍にも達してしまった韓国は、日本のように内需の回転を高めることで経済成長を志向することは不可能です。

 結局、韓国の構造問題は外需が堅調なときはそこそこ成長できるのですが、外需が落ち込むと途端に「対処法がなくなる」という、いわゆる「グローバル化に対応した経済モデル」の脆弱性を、まざまざと見せ付けてくれているわけですね。
 ちなみに、分かると思いますが、わたしは別に「グローバルに対応した経済モデル」を全面否定しているわけではありません。どんなモデルにも強みと弱みがあり、外部環境に対応して変化・修正していかなければならないでしょう、と言いたいだけですので念のため。


韓国経済マジでwktk!
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