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おかげさまで、昨日のエントリーでAmebaのユニークユーザー数(PCのみ)が初めて一日12,700人を突破しました。AmebaへのモバイルPVも5,400を超え、Yahoo!の方は相変わらず8,000人前後(なぜか増えも減りもしない)ですので、当ブログへの訪問者数がネットで一日20,000人を突破したのは、ほぼ確実かと。これも全ては当ブログを御訪問くださる、皆様のおかげです。
アメリカ経済絡みで興味深いネタが溜まっていますので、本日はまとめてご紹介。
『FRB:米国債25.3億ドルを買い取り、これまでの総額335.7億ドル
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ai6zg_Vlyl1A
米連邦準備制度理事会(FRB)は6日、米国債買い取りプログラムに基づき、今後10年から17年に償還期限を迎える国債25億3000万ドルを買い取った。
ニューヨーク連銀の発表によると、買い取ったのは償還期限が2019 年8月から26年2月の銘柄。
FRBは3月25日から始まった6回の買い切りオペで総額335億 7000万ドルの国債を購入。米金融当局は事実上のゼロ金利政策を導入した後、日英当局に続き、中長期債の購入を発表、6カ月間で最大3000 億ドルの国債買い取りを表明した。
一方、米財務省は1-3月(第1四半期)に過去最大となる4380 億ドルの国債を発行した。 』
三ヶ月間で4380億ドルの米国債発行ということは、一週間にだいたい365億ドル、3.5兆円規模の国債を発行しているわけですね。当然、毎週平均3.5兆円発行しているわけでも何でもなくて、1月、2月、3月と次第にペースを速めてきています。
先日のチャンネル桜で、田代秀敏氏が、
「今は週に数兆円のペースだが、これがやがて一日に数兆円になる可能性だってあり得る」
と、発言されていたのが、徐々に真実味を帯びてきた気がします。
アメリカの難しさは、長期金利はFRBによる米国債買取で叩き落すことができたとしても、ドルの過剰供給による通貨価値下落だけは何ともしようがないという点ですね。
これが日本ならば、日本円が下落しても「日本円で生活している」日本人相手に国債を売っているわけで、まだしもマシでしょうが、アメリカの場合はそうはいきません。米国債の買い手である外国人は、別にドルで暮らしているわけではないので、中期的なドル安が明らかになってしまうと、やはり米国債購入は手控えていかざるを得ないのではないかなあ、と考えています。
まあ、アメリカのことだから、また何かの国内バブルを膨らませて、ドルの還流を図り、ドルの価値維持に努めるのでしょうが。
『3月の米失業率、8.5%に悪化
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20090403D2M0303C03.html
米労働省が3日発表した3月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は前月より0.4ポイント高い8.5%となり、1983年11月(8.5%)以来、25年4カ月ぶりの水準に悪化した。(後略)』
なぜここでアメリカの失業率の記事が来るかというと、上に出てきた田代秀敏氏が、米失業率について非常に興味深い事を仰っていたのを思い出したからです。(先日の『日本よ、今...闘論!倒論!討論!2009 【大恐慌は来るのか?世界経済と日本の行方・第4弾】』の番組内で仰っていた話なので、映像でも確認できます。)
http://www.youtube.com/watch?v=t0JVUkAx4LM&feature=related
その内容をまとめると、
■失業統計には、どの国にも「癖」があり、アメリカの場合は「直近の四週間に求職活動をしたものの、職が見つからなかった人」の割合
■非正規雇用(パートタイマー)、及び四週間全く仕事を探していない人は入っていない。これらの人たちを含めた統計をU6と言う。U6で見ると、アメリカはすでに失業率が14.8%に達している
■ウォールストリートジャーナルは、年末までにU6の失業率が20%になっても、全く驚くべきことではないと報道している
失業率の面で見ると、今回の危機は大恐慌に匹敵すると考えても、もはやおかしくないということですね。だからこそ、アメリカ政府は米国債をじゃんじゃん刷って、需要の下支えをしているわけですが、その米国債を「ドル建て」で外国に販売しなければならないというのが、話を複雑にしていると思います。
また、貸倒損失の面から見ても、既に大恐慌に匹敵すると評価する人もいます。
『銀行の貸し倒れは大恐慌時を超える見込み-カリヨンのマヨ氏
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a6o4lacUfpAo
ドイツ銀行からカリヨン・セキュリティーズに移籍したマイク・マヨ氏は6日、今回の景気悪化局面で銀行の貸倒損失が大恐慌時を上回るとの見通しを示し、大手米銀の投資判断を「アンダーウエート」とした。 (後略)』
ところで、ビッグスリーの一角フォードがDES(デットエクイティスワップ)の手法を使うことなどにより、債務を38%削減する目処がついたことが報じられました。DESとは、債権者の債権と新規発行株式を交換し、自社にとっての債務を自己資本化してしまう手法です。
『米フォードが38%債務削減へ、年5億ドル超の利払い負担軽減見込む
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37352520090406
米自動車大手フォード・モータは、財務健全化に向けた取り組みの一環として、自動車部門の負債の約38%(99億ドル)削減でめどが付いたことを明らかにした。
現金24億ドルで債務を買い取るほか、債務の株式化で普通株4億6800万株を割り当てることで、2008年末時点で258億ドルに達していた負債を圧縮する。(後略)』
別に説明の必要はないかも知れませんが、債務には返済義務がありますが、株式にはありません。DESとは、返済義務のある債権と、義務のない株式を交換するわけで、債権者にとってはかなり大きな譲歩になります。
無論、上場企業の株式は市場で売買されていますが、別に企業が買い取りを強制されることはないのです。企業は業績を上げ、株価を高め、配当金を支払うことで株主に報いる必要はありますが、それはあくまで経営の問題であり、債務の問題ではないわけです。
このフォードの大規模な債務削減により、フォード自身は生き残る可能性が格段に高まりましたが、逆にGMとクライスラーは厳しくなった気がします。少なくともアメリカ政府やアメリカ国民は、GMやクライスラーの債権者に対して、フォードと同じレベルの譲歩を求めることになるでしょう。
元々、フォードの財務状態はビッグスリーの中で最も良好だったわけですが、今回の債務削減により、GMやクライスラーの生き残りのためのハードルが上がってしまった気がしてなりません。債権者がDESに応じるには、その後の業績の好転と株価上昇が見込めなければなりません。となると、債権者はDESに応じる代わりに、UAWなどにこれまで以上に大々的なリストラクチャリングに応じることを求めるでしょうから、間に挟まれているGMなどの立場は益々厳しくなるわけです。
結局、少なくともGMはチャプター11の上、政府主導で債権者にはDESを、UAWには大規模リストラを強制するしか、生き残りの手はないのではないかと考えています。
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