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 遅ればせながら、6月18日に韓国の通貨危機説に関してこのような記事が報道されていましたので、ご紹介。

対外債務増、通貨危機懸念を否定
http://www.chosunonline.com/article/20080618000007
 原材料価格の急騰など貿易条件の悪化で経常収支が赤字を記録している上、短期対外債務も急速に拡大し、韓国が通貨危機の危険範囲に入ったのではないかとの懸念が浮上している。経済指標を見る限り良好な状況ではない。韓国が今後1年以内に償還を迫られる短期対外債務と満期対外債務の合計額(流動対外債務)は2156億ドル(約23兆2760億円)=3月末現在=で、外貨準備高(約2638億ドル=約28兆4800億円)の82%に達した。
 1-3月期には対外債務が303億ドル(約3兆2700億円)増加し、対外債権から対外債務を差し引いた純対外債権は約149億ドル(約1兆6090億円)に縮小した。急騰する原材料価格の影響で経常赤字(1-3月期は52億ドル=約5610億円)も続く見通しだ。対外債務も増え、純債務国に転落する可能性もある。
 しかし、韓国銀行は「外貨準備高に占める流動対外債務の比率が100%以内であれば安定的だ」と指摘し、通貨危機とは距離があるとの見方を示した。現在の流動対外債務比率は82%で、1997年のアジア通貨危機直前の937%に比べはるかに低い。
 対外債務の性格が変わってきていることも通貨危機発生の可能性を否定する理由として挙げられる。韓銀は「通貨危機当時は無分別な外国資金の借り入れが問題だったが、現在の対外債務は正常な金融取引で生じたものだ」と強調した。造船業界や海外投資ファンドが為替差損を減らすため為替先物取引を行う過程で短期対外債務が増えたもので、後日船舶の代金を受け取るか投資資金を回収することで自然に解消するとみられるためだ。
 企画財政部国際金融局は「海外の信用格付け機関も韓国の国家信用度をポジティブに見ている」とした。国際通貨基金(IMF)の韓国事務所も「問題ない」との立場を示しているという。』

 特に気になるのが、韓国の短期対外債務は造船業界の為替先物取引によるものなので、問題ない、という論調です。今年の1月28日の日経新聞で、韓国の通貨危機に関する記事が載った際も、韓国の金融政策局長オム・スンテ氏が同じような論調で「問題ない」とコメントしていました。
 その記事はオンラインにはどこにも載っていませんが、わたしの手元に要旨だけは残っていましたので、ご紹介します。


□現在の韓国の対外債務は、海外証券投資や将来確実に得られる船舶代金などの収入を海外からの借り入れで為替ヘッジしたものだ。(だから問題ない)
□08年は経常赤字予想だが貿易黒字で補って、均衡水準で健全な状況。
□企業の負債比率は100%程度。(97年のアジア通貨危機の時は、1000%だった)
□銀行の自己資本比率は12%を超えている。(アジア通貨危機当時は8%未満)


 実は韓国当局がこの「韓国の短期対外債務は、造船業の為替先物のためなので、問題ない」と言い始めたのは、それほど古いことではありません。少なくともヤバ韓が発売された後ですので、せいぜいここ一年のことです。(それ以前は、短期対外債務の原因として主に円キャリーを問題視していた)
 韓国の造船業が為替先物をすると、なぜ短期対外債務が増えるのか。作者特権で、㌧韓から引用します。


『韓国の造船企業A社が、顧客Bと1億ドルの造船契約を締結した。話を分かりやすくするために、この時点での為替レートを1ドル=1000ウォンとする。
 この1億ドルを顧客Bから受け取れる期日が、一年後としよう。すると、一年後の為替レート次第で、A社が受け取れるウォンの額が変わってくる。例えば一年後に1ドル=1200ウォンまでウォン安が進むと、1200億ウォンを受け取れる。だが、逆に1ドル=900ウォンまでウォン高が進んでしまうと、900億ウォンしか受け取れない。これでは困る。
 そこで、韓国の造船企業A社は、為替リスクをヘッジするために、韓国の銀行Cと為替予約の契約をする。すなわち、手数料αを支払い、一年後にA社が1億ドルを銀行Cに渡す代わりに、銀行Cから1000億ウォンを受け取る契約である。この為替予約により、造船企業A社は為替リスクから開放される。
 ところが、このままだと銀行Cが困ってしまう。一年後までにウォン高が進んだ場合、造船企業A社から1億ドルを受け取っても、ウォンに両替した際に為替差損が発生し、もしかしたら900億ウォン、あるいは800億ウォンにしかならないかもしれない。
 そこで、銀行Cが今度は自らの為替リスクをヘッジするために、海外から一年後返済、つまり「短期」でドルを1億ドル借りる。当然、借りたドルには金利がかかるから、この金利をβとしよう。一年後に造船企業A社から1億ドルを受け取った際に、そのドルでこの短期海外借入1億ドルを返済すれば、一年後にウォンへの両替行為が発生しないので、銀行の為替リスクはヘッジされる。
もちろん、銀行Cは短期海外借入の金利βは支払う必要があるが、造船企業A社が支払った手数料αがあるため、α-βの差額分が銀行Cの利益になるわけである。』

 ついでに図の方も掲載してしまいます。合わせてご覧下さい。
 韓国の短期対外債務増加が、本当に造船業の為替先物が原因なのか。具体的な数字(短期対外債務増加分の何割が、為替先物のためだった、等)を見たことが無いので、なんとも言えません。が、ここは韓国銀行を信用して、そうだとしましょう。その場合は、以下の二つがポイントになると思います。

1. 2007年後半から、対ドルですら弱含み、08年に入るや下落が顕著になった。
このウォン下落、かつ長期的に更なるウォン安が予想される中で、本当に韓国の造船業は為替予約を行っているのか? 特に08年の第一四半期の短期対外債務増加の原因を(ウォン高に対処するための)造船業の為替予約と言われても、違和感がある。
2. 韓国造船業には
「世界的な資材(特に鉄鋼)高騰」「ウォン安による輸入資材高騰」「外需の停滞」という三つが重石としてのしかかっている。この状況で、韓国の造船業が確実に竣工し、利益を上げていくと考えるのは無理が無いだろうか。
 
 わたしの疑問は近いうちに解消されるとは思いますが、いずれにしても、ヲチのしがいがある国です。韓国は、本当に。


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