「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」が正式に発売になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32119420

 どうやらドルが崩壊する前に、欧州の通貨バブルが崩壊したことが確定的になったようです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_10.html#JPY080911

 上図はここ十日間の米ドル、ユーロ、英国ポンドの推移を、対日本円で比較したものです。
 まさに「円独歩高」の季節がやってまいりました。厳密には、日本円と米ドル以外が一方的に下落していく中、日本円が対ドルで堅調に推移しているだけなのですが。 
 それにしても、ユーロや英国ポンドのボラタリティ(変動率)は凄いです。一日に4%以上上下している日もありますので、半端じゃありません。バブル崩壊時には、株にしろ為替にしろボラタリティが拡大するものですが・・・。
 2008年9月11日、午後9時現在。ドル円は106.53円。ユロ円は148.62円。そしてポン円が187.15円です。(ちなみに午後5時時点のウォン円は100円=1036ウォンでした)
 ドル円以外の数字がまるで見慣れないことを、ご実感頂けるのではないでしょうか。何となく、ユロ円は160円台、ポン円は200円台だった記憶が未だ焼きついているのですが、もはや世界はその様相をガラリと変えてしまったのです。
 
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_02.html#sekaikeijou
 
 わたしが頻繁に引き合いに出す、世界の経常収支の推移(00年-06年)ですが、ドイツを除く欧州諸国はアメリカと共に世界の経常収支の赤字の引き受け手となっていました。これはドルも同じですが、そもそも貿易赤字、経常収支赤字であるアメリカやドイツ以外の欧州諸国の通貨が、ここ数年上がり続けていた時点でおかしな状況だったわけです。
 欧州の通貨を押し上げていたのは、「ドル崩壊」でも書いたようにアメリカ発のフェイクマネー、つまりは投機マネーだったわけです。サブプライムローン問題に端を発する金融収縮により、世界的な投機マネーが縮小している以上、欧州で盛り上がっていた不動産バブルも崩壊し、マネーが海外に流出する、つまり通貨安を引き起こすのは自明の理だったのです。
 結局のところ、ユーロ円はどの程度のレベルが適切なのでしょうか。
 英国フィナンシャルタイムズ紙のビッグマック指数によると、ユロ円の適正値は83円になってしまいますが、これは幾らなんでも安すぎでしょう。
 昨年十月にわたしがフランスを訪問し、日本と物価を比較した限りでは、130円程度が適切な気がします。、もしもユロ円が130円であれば、日本円で130円の物と、フランスで1ユーロの物の価値がほぼ等しくなるという、あくまで主観的な印象なのですが。

 今日は、世界中で様々なバブルが同時に弾け、危機に突入している時代です。(中国株の件は、明日やります)
 中国バブル崩壊にしても、ユーロバブル崩壊にしても、世界経済に大きな打撃を与えかねない深刻な問題です。それに比べて、この国の危機は何と牧歌的なことでしょう。

韓国が国債10億ドルを海外で販売へ、来週投資家ロードショーを開催
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK825349120080904
 韓国政府は4日、総額約10億ドルの国債を海外で販売するため、投資家ロードショーを開催すると発表した。
 複数の関係者によると、韓国は11日までに10年債を発行する公算が大きい。国債の海外での販売は約2年ぶりとなる。
 ある関係者によれば、同国は8日にシンガポールとロンドン、9日に香港とボストン、10日にニューヨークでロードショーを開催する予定。
 企画財政省は、ロードショーの日程は8─11日と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。』

 これが9月4日の記事です。そして上記ロイターの記事にある、韓国の10億ドル国債起債に関する結末はと言えば

韓国、ソブリン債発行条件決定を延期の可能性=企画財政省高官
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-33709520080911
 韓国企画財政省の崔鍾球(チェ・ジョング)国際金融局長は11日、10億ドル相当のソブリン債を発行する計画について、発行条件決定を延期する可能性があると述べた。政府と投資家の間に条件面で見解の相違が大きいためとしている。
 崔局長は記者団に対し、政府はソブリン債のスプレッド(米国債との利回り格差)を200ベーシスポイント(bp)か、それ以下の水準で売り出したい考えだが、投資家は200bp以上のスプレッドを望んでいると述べた。
 同局長は、政府がソブリン債発行を中止したとしても、韓国経済に対する投資家心理は変わらないと述べ、投資家と折り合いが付かなかった場合、発行が中止される可能性があることを示唆した。』

 日本やアメリカがこんな状況(国債の発行を延期せざるを得なくなる)になったら、世界的なパニック確実ですが、韓国は気楽でいいですね。スプレッドが投資家と折り合わない時点で、投資家が韓国のリスクを高く評価していることは明白にも関わらず、「韓国は危機を脱した」などとキャンペーンを張れるのですから。本当に幸せそうで羨ましいです。
 そういえば、リーマンブラザーズへの出資問題で態度を二転三転させ、世界中の投資家に迷惑をかけた挙句「宣伝になった」などとお花畑な発言をしていたのも、韓国の産業銀行さんでしたね。

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