新世紀のビッグブラザーへ blog


「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」が正式に発売になりました。
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 連休を利用して、わたくしは現在、沖縄でリゾートを堪能中でございます。と、本ブログの読者の九割くらいの方々に反感喰らいそうな書き出しで始めてみましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 大多数の日本人が連休を楽しんでいる間にも、世界は大きく、世界の多くの国々にとって悪い方向へと動き始めています。
 本日、ついに来るべき物が来たと言うべきか。。。リーマンブラザーズがチャプター11、連邦破産法11条の適用を裁判所に申請し、破綻しました。

米リーマン、破産法適用申請へ バンカメはメリルを救済合併
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080915AT2M1500T15092008.html
 経営難に陥っていた米4位の大手証券リーマン・ブラザーズは15日未明、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請すると発表した。一方、米大手銀行バンク・オブ・アメリカは同日、米大手証券メリルリンチの買収で合意したと発表した。事実上の救済合併。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を受けた金融市場の混乱は、大手証券会社の経営破綻と過去最大級の業界再編に発展した。
 リーマンは住宅ローン資産などの値下がりで、8月末までに合計126億ドルのサブプライム関連損失を計上。株価が急落し、経営危機に陥った。12日夜から米連邦準備理事会(FRB)や財務省を交えて協議し、バンク・オブ・アメリカや英銀バークレイズなどへの身売りの可能性を探って交渉を続けたが、14日午後に決裂した。
 同時にリーマンは、資産運用部門や投資銀行部門の一部について、今後も他の金融機関への売却交渉を続けることを明らかにした。』 

 チャプター11ですから、今後、リーマンは債権者集会や債権者委員会の協力を取り付け、業務を停止することなく再建を目指すことになります。まずは再建計画が債権者の過半数(及び債権額の2/3)の了承を取り付けられるかどうかが大きな焦点になります。
 ドル崩壊!のコラム「ベア・スターンズに続く証券会社はどこだ?(タイトルうろ覚えです m(_ _)m)」で、リーマンブラザーズのCEOであるリチャード・ファルドが、今年の5月に「既に最悪期は過ぎた」と発言したエピソードを紹介いたしましたが、あれは本当に一体何だったのでしょうか。チャプター11(日本の民事再生法と同じ)である以上、現経営陣は残留することができますが、リチャード・ファルドだけは即座に切り捨てた方がいいと思います、リーマンの債権者の方々。
 リーマンの経営破綻と時を同じく、メリルリンチはバンカメに救済合併ですか・・・・。バンカメはカントリーワイドも救済合併を強いられ、更にメリルの負担までもを背負い込むことになったわけです。こうなると、バンカメ自体がどうなるか、不安になってきます。
 これでアメリカ五大証券会社の内、早くもベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、そしてメリルリンチの三社が破綻し、姿を消したことになります。残るはゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの二社のみになってしまいました。(注:モルガン・スタンレーは、ベア・スターンズを救済合併したJPモルガン・チェーストの直接的な資本関係はありません。)
 アメリカ金融業界の急変を受け、為替市場では円独歩高の状況が生じています。
 3月15日18:00現在、ドル円は104.72円(-3.19)、ユロ円は149.34円(-4.17円)、ポン円は188.16円(-5.44円!)と、ユーロとポンドが一昨日の「揺れる為替、揺れる世界」で書いた対円上昇の貯金をすっかり吐き出してしまい、ドルがついに対円で支えきれずに急落したといった感じです。

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/16925488.html

 ここ一ヶ月ほど不気味に続いた、擬似的な日本円のドルペッグ制はついに終了したようです。
 本日、東京市場は祭日でお休みでしたが、日経平均的には本当に幸運でした。(どうせ明日には反動が来るんですが。今夜のNYは悲惨な状況になるでしょうし)
 
 さて日本の方ですが、世界的な金融危機が加速していく中、自民党総裁選により政治的な空白が続いています。(だからと言って経済が混乱に陥ることもないのが、良くも悪くも日本の特徴ですが。日銀総裁不在の時も、メディアだけが大騒ぎしている中、淡々と日常が過ぎていましたね。)
 今後、世界的な需要の縮小は欧米のみならず、新興経済諸国をも巻き込んで続いていくでしょう。こんな時期に、「日本は貿易立国だ。輸出と円安だけが日本経済を成長させる」などと時代錯誤の世迷言を叫んだり、「財政再建は全てに優先する。経済成長がどうなろうと、財政再建のために消費税を上げるべきだ」などと主張する財政再建至上主義者に政権を執られては、実際のところたまったものではありません。
 また、内需外需の区別なく「改革、改革」と叫ぶ小泉・竹中路線至上主義者も勘弁してほしいところです。小泉・竹中式改革が功を奏したのは、あの時期、世界的な需要拡大(インフレなき世界経済の成長)が続き、外部環境が良好だったからです。今や外部環境が破綻しつつある中で、前提条件の変化を無視して「古い」改革路線を進まれると、日本国民は大いに迷惑します。

 わたしが自民党総裁選において麻生太郎氏に投票したのは、五人の候補者の中で唯一麻生氏だけが、この「前提条件が変わった」という重大な事実を認識しているように感じられたからです。(自民党総裁選の各候補者の所信表明は、以下のニコ動から見れます。)

 http://www.nicovideo.jp/?p=sousaisen2008

 曲がりなりにも世界第二の大国である日本の政治を担おうとする者であれば、チャールズ・ダーウィンの以下の言葉を肝に刻んで欲しいと思うのです。

「この世を生き延びられるのは、最も強い種でも最も賢い種でもなく変化に最もよく対応できる種である。」

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