「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583
9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 予め書いておきますが、本日のエントリーは短いです。なぜならば、↓リンク先のテキスト起こしをするだけで力尽きたからです。
 しかし、世界経済と日本経済の近未来を語る上で、この二氏のインタビューは全編をどうしても掲載し、残しておきたかったのです。
 ちなみに、わたしはあまり他人を尊敬するようなタイプの人間ではないのですが、以下の四人については発言に一目を置いています。その四人とは、麻生太郎氏、中村邦夫氏、丹羽宇一郎氏、そしてビル・エモット氏の四名になります。
 まずは伊藤忠商事会長 丹羽宇一郎氏「中期的にドル安進む」 からどうぞ。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_12.html#niwa

 詳細はリンク先を見て頂くとして、例のより要点を以下に整理します。
十年前に世界全体のGDPは約三十兆ドルだったのに対し、世界の株式・債券など金融資産は焼く六十兆ドルで実体経済との差は三十兆ドルだった。その格差が2006年度は百三十兆ドルまで拡大した。
■欧米が金融工学を駆使した↑このバブルが、ついに弾けた。解決策は、一朝一夕には無い。
ドルへの信認が揺らいでおり、日米欧を初めとする主要ドル保有国が団結してドル防衛に動いている。なぜならば、ドルが暴落すれば、世界中が貧乏になるから。
■短期的にはともかく、中期的にはドル、ユーロ、円の三極体制になる。
■今回の金融収縮の解消には一年以上かかる。一気に解消しようとすると、本当にドル暴落を招きかねない。
米国への輸出へ依存していた新興国は、影響が避けられない。新興諸国の中で最も懐が深い中国でさえ、混乱が長期化すれば厳しい(三橋注:中国の貿易黒字の八割が対米黒字)

 以前であれば、日経のインタビュアーが「-外需依存国である日本への多大なる悪影響も避けられませんが・・・」とか、現実や数値を無視した斜め上の質問をするところですが、さすがにその手の的外れなインタビューは無くなってきました。
 丹羽氏の発言の中で、注目して欲しいのは「懐の深い」中国という部分です。この懐というのが、わたしが常日頃から姦しく繰り返している「内需」を意味していると思います。要するに、世界的な需要が縮小している状況においては、外需に頼らず、いかに内需に成長戦略の重点を置くことができるのかがポイントになってくるわけです。この内需が、各国の「懐」ということになるのですが、中国は確かに外需依存度が四割弱と高いものの、内需自体の大きさも世界のベスト10には入ります。それでも、世界的な需要の縮小により苦しい立場に追い込まれるだろうというのが、丹羽氏の予想なわけです。
 
 続いて、ビル・エモット氏の「恐れず倦まず「消費拡大」を そうすれば「日はまた昇る」」をどうぞ。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_12.html#Bill

 ポイントを以下に整理します。
■原油価格の需要増加だけでは、世界的な原油価格の高騰を説明できない。
■食糧価格の高騰も、中国やインドの食料需要増加では説明できず、上記資源価格の高騰と関連した理由による。
日本のエンゲル係数が15%程度に対し、中国は三割から四割と高い。中国もインドも、インフレを放置することができず、半年から一年以内に利上げを行い、通貨を市場から回収せざるを得ない。結果、中印の経済成長率はスローダウンし、原油価格や資源価格も実質的に下がっていく。
■日本の物価が上昇しているのは確かだが、アメリカに比べるとインフレの悪影響はずっと小さい。日本が一気にインフレになる可能性は低い
■日本にとって食糧の自給自足を図るなど、資金と時間の無駄。有効な金融政策で打撃緩和を図る方が重要。
■日本にとって重要なのは、国民の消費意欲を高め、輸出に変わる経済の牽引役とすること。

 投資対効果だけを見れば、確かに食糧の自給率を高めるよりも、金融政策で国際商品価格上昇の緩和を図る方がいいのかも知れません。が、事実上、他国に脅威を与える軍隊を持たず、かつ食品の安全性にこだわる日本人にとっては、たとえ経済効率が悪いとしても、自国の農業振興を図りたいものなのです。
 と、イギリス人のエモット氏には同意も理解もできないであろう部分を除くと、氏の意見には何ら反駁する気もございません。
 アメリカの「証券化」というビジネスモデルの崩壊、アメリカの内需縮小、世界的な金融収縮、八月の久方ぶりの単月貿易赤字、そして円の中期的な上昇を受けている以上、日本が輸出に経済成長の源泉を求めるなど、愚の骨頂です。少なくとも、今の麻生政権がこの点については明確に理解していると見受けられる以上、わたしは現自民党政権を支持したいと思います。

 予告!
 明日のエントリーのタイトルは、たとえ韓国ウォンが暴落しようと、アメリカ国債が格下げされようと、「本当にあった怖い話」です。

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