「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝!
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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 昨日「明日のエントリーのタイトルは、たとえ韓国ウォンが暴落しようと、アメリカ国債が格下げされようと、『本当にあった怖い話』です。」と書いたら、冗談抜きに韓国ウォンが洒落にならない状況になってしまいました。本当なら「韓国ウォン、ついに瞬間風速で1200突破!」といったタイトルにしたかったのですが、ま、仕方ありません。いずれにせよ、九月の最終日(つまり明日)に韓国ウォンの一ヶ月の動きを分析しようと思っていましたので、本日のタイトルは予定通り「本当にあった怖い話」です。

 さて、本ブログのタイトルにもなっているシミュラフィクション「新世紀のビッグブラザーへ」において、わたしは「ゆとり文字化」により漢字が廃止された近未来の日本の姿を書きました。同書の中では、漢字を廃止することの意味が捉えきれず、例えば「関係者以外立入禁止」の張り紙が、「かんけいしゃいがいたちいりきんし」となっているレベルの「奇妙さ」のみを表現するに留まりました。
 しかし、実は漢字を廃止するということは、「奇妙」どころではない、とてつもないインパクトを「文明」に与えることを最近学びました。もしも「新世紀の~」が出版されることになったら、より深い恐怖に満ちた描写を幾つか追加したいと思います。(実際に、幾つか出版の話は来ておりますので)
 では、漢字を廃止することによる恐怖とは何か? 文明に与えるインパクトは何か?
 まず誰でも最初に思いつくのが、同音異義語の問題です。例えば「彼のしこうが理解できない」という文章があったとして、「しこう」が平仮名では、「彼の嗜好が理解できない」のか「彼の思考が理解できない」のかが分かりません。そして「しこう」が「嗜好」なのか「思考」なのかにより、文章の意味はまるで違ってきます。
 しかし、漢字廃止の恐怖は、実はここからが本番なのです。
 例えば先ほどの文章が「彼の嗜好が理解できない」だった場合、その文章を読んで、もしも「嗜好」という単語が理解できなかった場合はどうなるでしょうか? 真面目な人は、漢和辞典で嗜好の意味を調べるでしょう。逆に言えば、辞書さえ引けば、嗜好の意味を「完全に」理解できるわけです。
 ところが、漢字が廃止されて「嗜好」や「思考」が「しこう」とだけ辞書に載っていた場合はどうなるでしょうか。この場合、文章上の「しこう」が果たして「嗜好の意味」なのか、「思考の意味」なのかは単語そのものからは確認できません。(それどころか、志向か指向か施行か試行か伺候か至高か・・以下略、さえ分かりません。)結果、辞書を引いた人は文章の前後関係から「しこう」の意味を「解釈」することになります。いずれの意味として捉えても、果たして自分の解釈が正しいかどうかは、完全には分からないことになります。
 日本語には同音異義語が山ほどありますので、もしも漢字が無い場合には意味を「完全」には分からない単語が文章上に溢れることになります。結果的に、読む人は恐らく意味が分からない単語を「読み飛ばす」事になるでしょう。
 こうなると何が起きるかと言えば、文章を書く方も、読み手が完全に意味を理解できない単語を避ける状況が産まれます。同音異義語を書いたとしても、読み手の方が理解できないのであれば、自然とそうなるでしょう。
 こうして、人々のコミュニケーションから徐々に語彙(ボキャブラリー)が失われていきます。
 同音異義語のみならず、人々の書く文章は自然と「人が日常的に会話で使うもの」となっていき、存在、調和、格調、内容などの概念語や、抽象化された表現、そして専門用語が徐々に使われなくなっていきます。人々が読み書きする文章は、日常会話の文章に限りなく近づいていき、日常的に使われない単語が徐々に消えていくのです。
 日頃、我々が意識することはありませんが、実は高度な思考を繰り広げる際は、概念語や抽象表現が必須です。高度な思考とは何も哲学的な話ばかりではなく、経済について考える場合、或いは歴史について思考を巡らせる場合も含まれます。
 特に経済を語る際には、例えば需要、供給、収支、金融、流動性などの単語、表現が必須ですが、漢字が廃止されてしまうと、この種の表現は語彙から失われていきます。
 そして、最終的に何が起きるかと言えば、概念語、抽象表現、専門用語が書かれた書物を「誰も読まなく」なり、そして「誰も読めなく」なるのです。結果、人々は概念語や抽象表現を用いた高度な「思考」を行わなくなることになります。
 まさに愚民化政策そのものですが、ご存知の通り世界にはこの「漢字廃止」を実際に実行した国があります。そう、韓国です。
 今回のエントリーの発端は、そもそも呉善花さんの「漢字廃止で韓国に何が起きたか」を読み、触発されて書いているわけですが、同書から一部引用しましょう。

『-漢字廃止が国民の思考水準を低下させた
 戦後の韓国で漢字が廃止されたことによって引き起こされた弊害の中でも、最も大きなものは、日常的にあまり使われない漢語、しかし非常に重要な語彙が、事実上一般の韓国人の間からしだいに失われていったことである。とくに高い精神性と抽象的な事物にかんする語彙の大部分が、多くの人々に縁遠いものとなっていった。
 そのため韓国人一般は、いまでは日常的な肌触りから離れた言葉を用いて議論を深めていくことがまったく苦手な国民となってしまっている。日本の朝鮮統治の問題について、およそ日常的な感性から抜け出た議論をすることができない韓国人がほとんどなのも、だいたいはそのためである。
 「日帝問題」となると、韓国人はインテリだろうと庶民だろうときまって感情論となり、世界的な水準から歴史を見つめた冷静な議論になることがまずない。それは通常、反日教育や小中華主義のせいだとされてきた。しかし、そればかりではない。そもそも現代韓国は、漢字を廃止したため、世界を論ずるにふさわしい抽象度をもって議論を展開するための言語的なベースが、ほとんど崩壊状態にあるのである。』

 わたしの処女作である「本当はヤバイ!韓国経済」は、ご存知の通り韓国語訳されて販売されています。もしも韓国人があの本を読めば、現在の韓国経済の何が問題か、なぜウォンが下がり続けているか、かなりの部分を理解することができると確信しています。
 しかし、ヤバ韓は主に経済のマクロ面に注目し、抽象的に全体像を理解した上で、細部にブレイクダウンするという手法を採りました。果たして韓国人がヤバ韓を読んで、本質を理解してもらえるかどうか、甚だしく不安です。何しろわたしの本は他の作家さんの著作と比べても、漢字の量や専門用語、抽象表現が明らかに多いのです。
 
対ドル相場が急落、4年9カ月来の安値水準に
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2008/09/29/0500000000AJP20080929003200882.HTML
 米政府と議会が金融救済法案に合意したにもかかわらず、韓国金融市場は恐慌状態をみせた。ウォン・ドル相場は一時、1ドル=1200ウォン台に達し、外国為替市場は外為危機当時のような緊張感に包まれた。(後略) 』

 昨今のウォン暴落を報道する韓国の記事は、理由について「世界金融危機の問題で」あるいは「アメリカの問題で」と、基本的に原因を他者に求める姿勢が目立っていました。これを我々は「韓国人は何でも他人のせいだな m9(^Д^)プギャー」とか笑っていますが、もしかしたら韓国人は真実彼らの「思考」の問題で、ウォン安の原因が自らの経済構造と過去の経済活動にある事が理解できないのかも知れません。
 そう考えたとき、心底からゾッとしてきませんか?

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