「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝!
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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 韓国経済のみならず、世界中の国々とって悪夢のようだった九月が、ようやく終わりました。(欧米諸国にとってはまだ終わっていませんが)
 果たして一ヶ月前の八月末時点で、リーマンブラザーズが破綻し、メリルリンチ、ワコビア、ワシントン・ミューチュアルが救済買収され、AIGが半国有化され、残されたゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーまでもが業態を変えてしまい、一ヵ月後にアメリカの四大投資銀行が全て消滅するなどと想像した人は、世界中に一人でもいたでしょうか。フェイクマネーにより膨らまされたバブルが崩壊し、「市場」という怪物が「かりそめ」の繁栄を築き上げた世界中の金融機関に牙をむいたのでした。
 生き残った投資銀行のゴールドマンとモルスタは、市場の牙を避けるために銀行持ち株会社になるという選択肢を選びました。証券会社(投資銀行)から銀行へと業態を変えることで、FRBの規制下に入り、生き残りを図ることになります。
 しかし、FRBの規制対象になるということは、これまでのビジネスモデル、例えば自己資本を遥かに上回るレバレッジによりROEを高めるというビジネスが、事実上不可能になることを意味しています。ここ数年の投資銀行のメインのビジネスは、保有する債券を担保に、レバレッジを掛け莫大な短期資金を集め、その資金で買取った資産を証券化して転売する(リスクを他者に転化する)という、いわば黄金モデルでした。二十世紀初頭にウォール街に未曾有の繁栄をもたらした黄金モデルは、もはや完膚なきまでに崩壊し、そして後を継ぐモデルは未だ見つかっていません
 韓国のインターネットなどで囁かれていた「韓国九月危機説」は、元々は九月十日前後に集中した「ウォン建」の国債の償還により、外国人が受け取ったウォンを再投資せずにドル転するという予想に基づいたものでした。韓国にとって幸いなことに、国債の償還は滞りなく完了し、外国人もそれほど資金を引き上げる様子を見せませんでした。しかし、その直後、それどころではない大変な事態が韓国経済に襲い掛かったのでした。
 リーマンブラザーズ破綻を切っ掛けに荒れ狂った世界的な金融収縮は、各国のインターバンクを崩壊させ、市場からドルが枯渇するという信じがたい事態を招いたのでした。
 貿易赤字、経常収支赤字、純債務国化とウォン安要因に満ち溢れている韓国から、世界中の投資家が資金を引き上げ始め、株価暴落、債権安、そして通貨下落のキャピタルフライトが始まったのです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_12.html#KRW080930

対ドル相場1200ウォン台に、対円も9年ぶり安値
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2008/09/30/0500000000AJP20080930004000882.HTML
 ウォン・ドル相場が米金融安定化法案を下院が否決したことに影響を受け7日続落となり、1200ウォン台をつけた。ウォン・円相場も約9年ぶりに1150ウォン台までウォン安が進んだ。
 30日のソウル外国為替市場で、対ドル相場は前日終値比18.20ウォン安の1ドル=1207.00ウォンで取引を終えた。7営業日で67.30ウォン下落し、2003年5月29日の1207.00ウォン以来、5年4カ月ぶりの安値をつけた。
 ウォン・円相場は午後3時現在、前日比39.10ウォン急落の100円=1157.02ウォンを記録している。1999年10月28日終値の1152.81ウォン以来、8年11カ月ぶりの最安値。(後略) 』

 2007年10月のウォン高の絶頂期(1ドル900ウォン)からの対ドル下落率は、34%。そして同じく2007年7月の絶頂期(1円7.45ウォン)からの対円下落率は、54%!!!!これって、普通に「通貨危機」と呼んでも差し支えない事態な気が致します。
 今の韓国経済が恐ろしいのは、韓国ウォンの買い手が「真実」韓国銀行以外には誰もいないように見受けられる点です。実際問題として、今の韓国は貿易収支赤字、相変わらず続くサービス収支赤字、為替防衛による外貨準備高減少、巨額対外債務の返済などなど、「ウォンがドル」に両替される要因には事欠きません。逆に「ドルがウォン」に両替される要因など、本当に韓銀の介入以外には思いあたりません。
 韓国の金融市場からは(世界中の多くの国々と同じように)ドルが枯渇し、韓銀はドルウォンのスワップ市場に対しても手持のドルの供給を始めました。更に、韓国政府はドル流出を防ぐために、2009年2月に予定されていた外国為替自由化措置を延期するに至りました。
 リーマン破綻以降、外国人投資家たちは確かに世界中から資金を引き上げ、ドルの確保に動いています。しかし、現実の世界には日本のように、リーマンショック以降、通貨安どころかむしろ為替が上昇している国もあるわけです。
 本来であれば、韓国は「なぜ日本円が上昇し、韓国ウォンが下落しているのか?」という単純な疑問と、真摯に向き合うべきです。そうすれば、現在の韓国ウォン暴落が決して世界的な金融収縮、つまり外部環境のみならず、韓国が内部にも問題を抱えているためである事が理解できるはずです。
 但し、もしも問題と真正面から向き合い、解決策に思いあたったとしても、残念ながらその策は韓国人には、とてもではないですが受け入れられるものではないでしょう。韓国経済の真の悲劇は、実はそこにあるのです。 
 そして、出口の無い迷路の中を彷徨いつつ、韓国経済にとって今月よりも更に厳しい十月がやってきます。九月は終わりますが、悪夢はまだ、終わりません。

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