新世紀のビッグブラザーへ blog



「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝!
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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 悪夢の九月が明けたにも関わらず、世界のインターバンク(銀行間取引)の金利は高値に張り付き、ドル資金の取引がほとんど成立しない状況に陥っています。10月1日のドル三ヶ月もののLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は、4.15%と八ヶ月ぶりの高水準をつけました。
 世界のインターバンクの最後の砦であった東京市場でも、ついにドル資金市場が機能停止に陥り、ドルを必要とする欧米金融機関は、主要国の中央銀行が実施するドル供給に参加して糊口を凌いでいる状態です。
 本来であれば、これほどまでにドルの危機が表面化した以上、ドル暴落が起きてもおかしくないはずですが、何しろドルは「基軸通貨」です。基軸通貨であるために決算用に各国の金融機関がドルを溜め込み、ドル以外の脆弱な通貨から下落していくという珍しい現象が起きています。
 例えば、次の基軸通貨候補などと持て囃されていたユーロは、先週来、断続的に下落を続け、ついに1ユーロ1.38ドルと、心理的な抵抗線であった1.4ドルを割り込んでしまいました。日本円は他の全ての通貨に対し全く下落する様子を見せないため、1ユーロは146.48円と、今やかつての「ユーロ高」の面影などどこかに消え去ってしまった有様です。やはり、最近まで続いたユーロ高は単なる通貨バブルだったようです。
 しかし、欧州の多くの金融機関は、主要国の中央銀行が実施しているドル供給システムに参加することができるので、まだマシです。システムから排除された日欧米豪以外の金融機関は、市場から決済に必要なドルが消えうせた結果、息も絶え絶えな状況になっています。特に、当ブログのヲチ対象である韓国は、もはや「通貨危機」突入と断言しても構わないような危険な状況に陥ってしまいました。(世界を見ると、すでにアイスランドなどが通貨危機に陥っているため、韓国だけが突出して危険なわけではありません。念のため)

 添付の図は韓国ウォンの為替相場推移を三十年期間で見たものですが、最近のウォン下落のペースは、あの1997年のアジア通貨危機時と比較しても遜色のないレベルです。
 本日のドルウォンの終値は1ドル1223.5ウォン。円ウォンは100円1155.76ウォン。韓国の総合株価指数KOSPIの方は、終値が1419.65ポイントと続落したため、このままではドルウォンの値がKOSPIを上回る「グランドクロス」が見られる日も、そう遠い日のことではないかも知れません。
 この状況を受け、さすがに韓国のマスコミも「ドルの危機」に関する報道が増えてきました。

企画財政部、主要国・IMFと米金融不安に共同対応 2008年10月2日 連合ニュース
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/10/02/0200000000AJP20081002000300882.HTML
 企画財政部が米金融不安に関連し、米国、日本、中国などの主要国や国際通貨基金(IMF)をはじめとする国際機関と共同対応する方策を模索している。主要国金融当局とのホットライン構築や随時連絡という水準にとどまらず、対策を協議し、必要な場合は可能な範囲で共同措置を取る考えだ。(後略)』

米金融危機:ドル資金不足、中小企業に非常事態 2008年10月2日 朝鮮日報
 生産設備専門メーカーのU社は最近、東南アジアの企業に150万ドル(約1億5870万円)相当の自動化設備を納品した。製品を船積みした後、取引先の銀行に輸出為替手形の買い取りを求めたところ拒否された。表面的には決済期日が90日以上先で、信用度が低いというのが理由だったが、実際は米国発の金融危機を受け、銀行がドル資金の支出を厳しく制限しているためだ。銀行が企業の輸出為替手形を買い取る行為は、事実上ドル建てで融資を行うのと同じだ。
◆為替手形買い取り、銀行が慎重姿勢
 U社関係者は「輸出代金を先に受け取れなければ、輸出商品の生産に必要な原材料を外国から購入できない」と語った。
 自動車部品メーカーのK社は先ごろ、メーンバンクから輸出為替手形をドル建てではなくウォン建てで決済してほしいと求められた。同社の資金担当常務は「輸出をしてもドルを手にしにくい状況だ」と話した。
 ドルを稼いだ輸出企業がドル資金不足で苦しんでいる。米金融危機で外貨建ての借り入れが難しくなった銀行がドル決済を大幅に減らしているためだ。さらに取引企業の輸出に必要な信用状の設定を見合わせてほしいと求めてくる銀行も多いという。(後略)』

個別銀行に流動性50億ドル供給、企画財政部長官 2008年10月2日
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2008/10/02/0500000000AJP20081002004000882.HTML
企画財政部の姜万洙(カン・マンス)長官は2日の危機管理対策会議で、来週から、個別銀行が輸出中小企業の貿易手形を割り引けば輸出入銀行が再割引する形で、50億ドルの資金を供給すると明らかにした。(後略)』

 韓国当局は外貨準備を取り崩し、為替防衛を行うのみならず、国内銀行にドルの流動性を直接提供を始める事を発表しました。しかし、度重なる為替介入により、韓国の外貨準備高は年初から9月末までに既に225億ドル減少しています。(9月は韓銀発表によると、35億ドル減少)果たして一体いつまで韓銀がドルを供給し続けることができるのか、状況は予断を許しません。
 ドルの危機を受け、やはり韓国と同じように主要国中央銀行のドル供給システムから排除されているインドでは、民間商業銀行の最大手であるICICI銀行で取り付け騒ぎが起きました。インドの中央銀行は「ICICI銀行は十分な資金を保有している」と、事態の沈静化に必死になっている状況です。
 このまま市場からドルが消失した状況が続くと、近い内に韓国でも銀行が連鎖的に破綻していく事態になりかねません。それを見越してなのか、アメリカの格付け機関ムーディーズは、韓国国内の四大銀行(国民銀行、ウリィ銀行、新韓銀行、ハナ銀行)の財務格付けを下方修正しました。
 前回のアジア通貨危機における韓国の破綻は、ムーディーズによる韓国国債の格付け引き下げがトリガーとなりました。果たして今回は・・・。

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