「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝! amazonの在庫も復活!
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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 最近、世情が騒がしいせいか、様々な方からメールを頂く機会が増えています。基本的に全てのメールにご回答させて頂いておりますが、若干、お返事が遅れるケースもありますので、その際はご容赦ください。
 さて、金融産業の方は明確に崩壊状態に入ってしまいましたが、実体産業の代表とも言える自動車産業も、かつてないほどの厳しい状況になって参りました。自動車産業の話ということですから、本日も情報ソースはNO様でございます。

米GMとフォード、ジャンク級内でさら格下げも=S&P
http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPJAPAN-34224720081009
 米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9日、米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)とフォード・モーター(F.N: 株価, 企業情報, レポート)、および両社金融部門の格付けをジャンク等級内でさらに引き下げる可能性がある、と発表した。2009年に流動性問題に直面する恐れがある、としている。
 アナリストのロバート・シュルツ氏は、格下げ方向で見直す理由として「世界の自動車市場の急速な悪化や資本市場の状況」を挙げた。
 両社の流動性については、キャッシュバランスや利用可能な信用枠を考慮すると、少なくとも年内は適切な水準を維持するとみられるが、業界のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化を受けて、2009年には深刻な流動性問題が発生しかねないとしている。
 GMと、同社が49%出資する金融部門GMAC、フォード、フォード・モーター・クレジットの現在の格付けは「Bマイナス」。
 市場調査会社J.D.パワー&アソシエーツは、世界の自動車市場は09年に「崩壊状態になる」可能性がある、との見方を示している。』

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#Big3

 NO様に作成頂いた自動車大手各社の格付け変遷を見ると、GMもフォードも2005年段階で債券がジャンク債扱いだった事が分かります。両社とも、現在の格付けがB-ですので、これ以上格下げされてしまうとCCCとなってしまいます。グラフにも描きましたが、CCCの格付けの定義は「該債務の履行について現時点で不確実性が高く、債務の履行は、良好な事業環境、財務状況、および経済状況に依存している。事業環境、財務状況、または経済状況が悪化した場合に、債務者が当該債務を履行する能力を失う可能性が高い。」となっています。
 現在の世界の自動車産業の事業環境や、GM・フォードの財務状況はかつてないほど悪いです。両社の格付けがCCCになった場合、10月3日のエントリー「ドルの危機 自動車市場編」で書いた、「米国政府保証による、三社に向けた低利融資」を実施する法律の行方が気になります。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/18027133.html
 格付けCCCの自動車会社に、米国政府が果たして政府保証の低利融資など実施できるのでしょうか。とてもではないですが、自動車産業を基盤とする地域以外のアメリカ国民を納得させられるとは思えません。いっそ、米国政府が融資ではなく、資本投入してしまい、国有自動車会社にしてしまう方が、まだスキームとして分かりやすいと思います。(当然、国有化する際にこれまでの経営者は、責任を取らされることになります。)
 ちなみに、フィッチの方はすでにGMをCCCに格下げしています。

http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080923D2M2300F23.html
フィッチ、GM格付けをさらに引き下げ 「CCC」に

 S&Pの方も、本当に時間の問題なのでしょう。
 さて、そんな危機迫る自動車産業ですが、なぜか本日の日経夕刊は自動車関連の報道で溢れていました。

GM クライスラー買収へ交渉 米紙報道 買い手、日産・ルノーも
 ・・・一瞬、GMとクライスラーがまとめて日産・ルノーに買収されるのかと思いましたが、正しくは「GMがクライスラーと合併交渉を進めている」という話でした。
 しかし、明らかな弱者同士であるGMとクライスラーがくっついて、どうするのでしょう? 合併し、リストラクチャリングを進めることで供給を縮小することで生き残りを図るのでしょうか。何か思いっきりトヨタやホンダに付け込まれてしまいそうですが。

米フォード マツダ株の売却検討 住商・タタなど一部取得を検討 業界再編にも発展
 マツダの筆頭株主である米フォード・モーターが、保有するマツダ株式の大半を売却する方向で検討に入ったようです。
 フォードは現時点で、マツダの発行済み株式の33・4%を保有しています。マツダが自社株買いを打診されたほか、他日本の自動車大手にも買い取りが打診された模様でございます。

破産法申請 GM「選択肢ではない」 株下落受け、憶測を否定
 GMが日経新聞の取材に対し「連邦破産法の適用申請は選択肢として考えていない」とコメントしたとのことです。そりゃ、リーマン・ブラザーズだって破綻前に「チャプター11適用申請を考えている」などとはコメントしていなかったでしょう。
 しかし、GMの「連邦破産法の適用申請は選択肢ではない」と、韓国当局の「外貨準備高は十分で、通貨危機はありえない」が妙に重なって読めてしまう今日この頃でございますね。

 さて、現在の自動車産業の危機からは、日本勢とて無縁でいられるはずもありません。何しろ世界最大のドル箱市場であったアメリカが、殆ど崩壊状態にあるわけですから。

トヨタの失速が県税収入を直撃 愛知県来年度1000億円以上減収のとばっちり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000000-sh_mon-bus_all
(前略)米国を中心とした世界経済の混乱は、近年順調な経営を続けていた日本車メーカーにも深刻な影響を与えている。トヨタ自動車はこれまで利益の半分を米国で稼いできた。しかし金融危機の影響で販売が落ち込み、米国トヨタ販売の9月の販売台数は前年同月比は29.5%と大幅に失速。ホンダや日産自動車も二桁減だが、米市場が低迷する中、微減で耐えてきたトヨタの失速は自動車関連産業界ならずともショックが大きい。(後略)』

 先日、わたしは「自動車を必要としない日本人」系の主張を展開しましたが、ある意味、その対極にあるのがアメリカなわけです。真実、自動車無しでは生活が成り立たないアメリカでは、家はなくとも自動車はある人々が大勢暮らしています。
 言わば「自動車=アメリカ」と言っても過言ではないわけで、このアメリカでビッグスリーの一社でも倒産しようものなら、これは我々日本人が想像する以上の強烈なネガティブなインパクトとなるでしょう。
 最後に、NOさまに頂いたロシア自動車市場の情報について。
 金融危機と株式バブルの直撃を受けているロシア市場では、新車よりもむしろ日本の中古車が溢れているとの事です。数年前、現首相のプーチン氏があまりの日本中古車の洪水に「右ハンドル」車を規制しようとしたのですが、猛反発を受け撤廃したとのことでございます。
 結局、日本人ほどデザインや性能や美観を自動車に求める需要者というのは、世界では圧倒的に少数派なわけです。特に新興経済諸国の人々にとっては、頑丈で安全で長持ちする車が安く入手できれば、それでいいわけで、日本車は新車よりもむしろ中古車の方が今後、世界で売れ行きを伸ばしていく可能性もあるのかな、と思いました。

 明日は、韓国経済の破綻と未来について。

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