「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再重版決定!m(_ _)m 感謝! amazonの在庫も復活!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583

 現在も必死の調整作業が続いていると思われるG7では、麻生首相の命を受けた中川財務・金融大臣が、少々信じがたいほど見事な、そして的確な外交を展開しています。

G7行動計画を支持、日本は外準活用の支援表明=IMFC
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34260120081012
 国際通貨金融委員会(IMFC)が11日ワシントンで開かれ、前日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の公的資金注入を柱とする「行動計画」を強く支持する、との声明を発表した。
 また、中川昭一財務兼金融相は、金融危機に対応するため日本の外貨準備を活用して資金面で支援する考えを表明した。
 IMFCは、G7が前日発表した5項目の行動計画を強く支持すると発表した。同時に、国際通貨基金(IMF)に対し、国際金融の安定を回復、維持するため、必要な多国間協力を促進するという中核的な使命があると指摘。加盟国の資金ニーズを満たすための相当の資源を迅速に提供できるようにすることや、危機への強い対応を議論、発展させるための取り組み強化を要請した。
 中川財務・金融相は演説で、1990年代に日本が不良債権処理で公的資金を注入した効果を強調するとともに、金融危機には的確な措置を遅れずに講ずることで負の連鎖を断ち切ることができるとの考えを述べた。また、アジア通貨危機でのIMFの対応を、マイナス面の方が大きかったなどと批判。そのうえで、足元の金融危機ではIMFが主導的な役割を果たし、資金が足りなければ日本の外貨準備を活用して混乱の安定化を図りたいとの意思を表明した。(後略)』

 日本の主張を要約すると「金融機関に対する公的資金注入が必要だ。IMFは各国の危機対応に主導的な役割を果たせ。資金が足りないならば、日本は外貨準備を活用し(IMFに)資金を供給する準備がある」となります。
 現在の金融危機の最大の問題点は、各金融機関が疑心暗鬼に陥り、互いの返済能力不安視しているために銀行間融資(インターバンク)が凍結状態にある事です。そして銀行間融資が凍りついているため、資金不足、体力不足の金融機関から倒れていき、これが益々銀行の疑心暗鬼を増幅しているわけです。
 この悪循環を断ち切るには、国家が「銀行間融資には問題ない」事を補償する、すなわち公的資金を注入するか、或いはいっそ銀行を国有化してしまうしかないわけです。欧州はすでに公的資金注入を開始していますが、アメリカは(特にポールソンが)株主利益を毀損する公的資金の注入に逡巡を続けていました。おかげで事態は「もしかしたら、公的資金注入してもダメかも知れない」というレベルにまで悪化してしまったのです。
 G7に関する様々な報道の文面からは、公的資金注入を躊躇するアメリカに対する日本の非難の色が感じられますが、当然だと思います。
 さて、IMFへの日本の資金供給の件ですが、すでにご承知の通り日本は「IMF経由でなければ、資金を供給しない」と宣言したわけです。皆様ご存知の通り、IMFから資金供給を受ける、すなわちIMF管理下に入る事は、「国の主権」をIMF(外国人)に引き渡すも同然です。そしてIMFは、供給した資金を返済させるに際し、その国の国民の福祉を省みたりしません。(と言うか、優先順位を下げます。)
 取りっぱぐれがないこともさることながら、日本は「IMF経由なら資金供給します」と宣言したことで、二カ国間援助を拒否したことになります。つまり、自国が経済危機、通貨危機に陥り、日本から資金供給を受けたい場合は、IMFに申請する、すなわちIMF管理になるしかないということです。
 これは、きついです。しかも「IMF経由で融資します」は、ある意味、(G7諸国を除く)全ての国を平等、公正に扱いますよと言っているわけで、表立ってはどこの国も非難はできません。日本からの二カ国融資に希望を託していた某国首脳陣は、今頃、絶望の淵に叩き込まれたことでしょう。
 
 さて、世界の先陣を切って通貨危機に陥ったアイスランドですが、IMF融資は拒否したものの、状況は日々悪化しているようです。アイスランド政府が同国の銀行に預けていた英国人、英国機関の預金を補償しないと表明したため、英国政府が対抗で自国のアイスランド資産を凍結しました。
 アイスランドの銀行にお金を預けていた英国人は約30万人、地方自治体などの機関は100を超えるのですから、中々洒落になりません。英国のブラウン首相は「アイスランド政府はアイスランド国民だけでなく、英国までも裏切った」と激しい怒りを表明しました。殆ど、戦争寸前の状況といっても過言ではないと思います。
 さて、このアイスランドですが、10月6日のハーデ首相による「国家が破綻しかねない」という非常事態宣言をもって、破綻認定されたわけではありません。すでに五ヶ月前の5月16日時点で、アイスランド・クローナは年初から26%急落し、デンマーク・スウェーデン・ノルウェーの「カルマル同盟」から15億ユーロの緊急融資を受けていました。
 結果、アイスランドは破綻を「先延ばし」できたわけですが、わたしの頭の中ではこの時点で「アイスランドは通貨危機」と認定されていました。IMF管理下になっていなくても、デフォルトを起こしていなくても、通貨下落で外国から「緊急融資」を受けた時点で、通貨危機認定をしても特に問題ないと思っているわけです。
 そこで、アイスランドから地球を半周したところに位置する韓国ですが、IMF管理も、他国からの緊急融資も、もちろんデフォルトも精神的に耐えられないご様子で、あまりにも無様な悪あがきを続けています。通貨ウォンが一年前から55%も下落し、世界的にドルが枯渇した中、中央銀行による為替防衛もままならず、自国の大企業に「ドルを供給しろ」と命じたり、国民に「ドルの供出が、愛国心を示す道だ」などと煽ったり、銀行に「(誰がウォンを売っているのか!)為替記録を提出しろ!」などと斜め上の対応を繰り返しています。
 要は何をもって「通貨危機」あるいは「経済危機」と認定するかという話なのですが、アイスランドのように元首が「国家危機だ」と宣言しなくとも、通貨危機は通貨危機であり、経済危機は経済危機なわけです。何もIMF申請やデフォルトのみが、通貨危機や経済危機を意味するわけではないのです。まあ確かに、この両者がわかりやすいサインである事は間違いなのですが。
 韓国大統領が「国家の危機だ!」と宣言してなくても、今の韓国経済は立派な通貨危機であり、経済危機です。アイスランドはISK(アイスランドクローナ)が年初から26%通貨が下落した時点で、他国から緊急融資を受け、事実上の通貨危機状態でした。韓国の通貨ウォンの下落率は、ご存知の通りISKどころではない暴落を見せているのです。
 要するに、韓国が通貨危機かどうかは今や問題ではなく、焦点は「いつ」韓国政府が危機を宣言するかだけの問題なのでございます。
 自国の外貨準備がデンジャラスな領域に突入し、金融市場ではドルを調達できず、頼みの日本に「IMF経由なら、援助するよ」と宣言され、韓国政府はさすがになりふり構わなくなってきました。

日韓財務相、金融危機に関し11日に協議=韓国企画財政省
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34232120081010
(前略)同省の声明によると、姜万洙(カン・マンス)企画財政相は米シティグループ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスの幹部とも会合を行い、韓国の銀行の外貨流動性確保に向けた韓国政府の努力に対する支援を求める方針。
 また、12日には豪財務相と会談する予定としている。』

 日中に相手にされない(厳密には、相手にされるが「IMFに申請して」と言われる)ため、慌てて会談した相手がシティ、モルスタ、ゴールドマンですかw 正直、このうちの一社が一週間後に消えうせていても、今の状況では誰も驚きません。
 しかも、最後に会談する相手がオーストラリアですかw

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#Fate
※上のグラフの紺が韓国ウォン水色が豪州ドル

 ここ一年間の対ドル下落率一位、二位を争っている国同士で「弱者連合」でも組むのでしょうか。或いは、一国でIMF申請は何ぼなんでも恥ずかしすぎるので、二国で一緒に申請しようという相談でもするのでしょうか?

 後編に続く
 
  
人気ブログランキングに参加しました。
 
韓国経済、冗談抜きでwktk!な方は↓このリンクをクリックを。
http://blog.with2.net/in.php?636493  

 新世紀のビッグブラザーへ ホームページは↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/index.htm
 新世紀のビッグブラザーへ blog一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/blog.html