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金融危機の新興国支援、IMFが無制限融資へ 日本提案受け入れ
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081019AT3S1800P18102008.html
 国際通貨基金(IMF)は18日、米国発の金融危機で資金難に陥っている新興国に対し、ただちに緊急融資を実施する方向で最終調整に入った。日本政府が提案していた構想を全面的に受け入れたもので、融資額の上限を設けず審査基準も大幅に緩める。アイスランド、ウクライナなどからの支援要請を受け、必要に応じて緊急理事会を開催、融資を決議する見通しだ。
 IMFは借り手の減少に伴って多額の資金が余っており、貸付可能額は約2100億ドル(21兆円)にのぼる。新興・中小国が金融機関の資本増強に巨額の資金投入を必要とする場合には原則、無制限で貸し出す案が有力だ。』

 IMFの加盟国は、普通は自分の拠出額の範囲内でしかIMFから融資を受けられません。アイスランドに代表されるように、現在の新興経済諸国は自らの経済規模を遥かに超える負債償還を迫られており、IMFの上限を撤廃して緊急融資を行うべきだという日本の提案が受け入れられました。
 現在、すでにウクライナ、ハンガリー、アイスランドの三国がIMFへの緊急支援要請の検討に入っており、さらにパキスタンが続きそうです。
 IMFによると、ウクライナはIMFから最大で140億ドルの緊急融資を受けると見られています。ウクライナではキャピタルフライトにより通貨フリヴニャの対ドル相場が下落、株価も今年に入り七割以上下落してしまったとの事です。ロシア並みの下落率ですね。
 また、一時はロシアからの融資が報道されたアイスランドには、現在、IMFの調査団が入っています。アイスランド政府も、徐々にIMF支援に傾きつつある状況です。
 更にハンガリーでもIMFへの支援要請が検討されており、IMF側も「支援の用意がある」と表明しています。ハンガリーの場合、何と個人や企業の借入の六割が外貨建てだそうです。もはやここまで来ると、笑うしかないような気がします。

 いきなり話は飛びますが、皆さんは「カルマル同盟」という言葉をご存知でしょうか。
 カルマル同盟とは、1397年に成立したデンマーク・ノルウェー・スウェーデンの3ヶ国による、デンマークを盟主にした王国同盟です。その範囲は今のデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、フェロー諸島、そしてグリーンランドの広範囲に渡りました。その後、スウェーデン・フィンランドがバルト帝国として分離しましたが、残りの地域はデンマーク海上帝国として19世紀初頭まで存続したのでした。(グリーンランドやフェロー諸島が、未だにデンマーク領なのは、このためです。)
 当時は、アイスランドもデンマーク領でした。
 1873年に汎スカンディナヴィア主義(要は新カルマル同盟)の元で、デンマーク(アイスランド含む)とスウェーデンがスカンディナヴィア通貨同盟を結成し、金本位制に基づく通貨統合を実現しました。(後、ノルウェーも加盟)要は、今のユーロみたいなものですね。
 このスカンディナヴィア通貨統合により定められた通貨が、クローナ(もしくはクローネ)です。
 アイスランドは1918年にデンマーク国王主権下の立憲君主国として独立したため、通貨はやはりスカンディナヴィア通貨同盟からの流れでアイスランド・クローナなわけです。(無論、スウェーデンやデンマーク、ノルウェーなどの通貨単位もクローネ)
 アイスランドが五月に他国に緊急融資を求めた際に、その相手がデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの中央銀行だったのは、このように歴史的な側面もあったのですね。
 現在、日本人に聞きなれないアイスランド・クローナの価値は↓のように、想像を絶する状況になっています。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#ISK

 更に、ウクライナ・フリヴニャとハンガリー・フォリントの対米ドル三ヶ月推移もグラフ化しました。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#UAH
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#HUF

 ウクライナ・フリヴニャにしても、ハンガリー・フォリントにしても、アイスランド・クローナよりも更に日本人には耳慣れない言葉です。今後、サブプライム危機に関連して、日本人がこれまで全く知らなかった国や国の通貨が紙面に溢れるのではないかと思っています。
 国に歴史あるように、通貨にも歴史があります。アイスランド・クローナが何故「クローナ」なのかは、上記で説明しましたが、ウクライナの通貨が何故「フリヴニャ」なのか、ハンガリーの通貨が何故「フォリント」なのか、確固たる歴史と理由があるはずです。興味を持った方は、調べてみてください。
 さて、もはや焦点はウクライナ、アイスランド、ハンガリー、そしてパキスタンに続くのはどこかということですが、情報の取りやすいAUD、KRW、NZD、ZARなどについて三ヶ月推移をグラフ化してみました。(比較のために、日本円も追加してあります。)

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#Other

 この四カ国の中では、ニュージーランドが多少はマシではありますね。(まさしく団栗の背比べですが)
 しかし、オーストラリアや韓国も相当なものですが、南アフリカも酷いです。ちょうど韓国と同じ下落率ですから。
 こんな状況で、本当にワールドカップなど開けるのでしょうか。観光客は通貨安で(特に日米の観光客は)喜びそうですが、物価上昇などが原因で、ただでさえ問題視されている治安が収拾不能な状況に陥らないか、心配です。
 今回の通貨危機は、日本や日本人に改めて強烈に「世界」を意識させる切っ掛けになったようです。(少なくともわたしはそうです。)恐らく、今後、日本の資金をIMF 経由で緊急融資していくことになるのですから、日本人は世界の新興経済諸国の問題を他人事として捉えるべきではないでしょう。
 
 資源がなく、付加価値の低い国でも、海外マネーにより繁栄できるという「ワールド・ドリーム」は、ものの見事に崩壊しました。監修者様のブログにもありましたとおり、「かりそめの繁栄」を失った世界において、後片付けの作業がはじまろうとしています。

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