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「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」再々重版決定!m(_ _)m 感謝! amazonの在庫も復活!
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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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 昨日の続き、国家のモデルについてです。本日のテーマは「中華人民共和国」です。
 中国の国家のモデルについては、「本当にヤバイ!中国経済」で散々解説しましたが、改めて07年までのGDPの100%比をグラフ化してみました。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_13.html#CHINAGDP  
 
 う~む。。。すごい・・・。
 何が凄いかって、まず純輸出(中国の場合は≒貿易黒字)が占める割合(約10%)、さらに総固定資本形成が占める割合(約40%)、そして年々下がり続ける個人消費支出の割合
 これまで散々、中国の純輸出の偏りについては述べてきましたが、この膨大な中国の純輸出(貿易黒字)の八割がアメリカからのものです。08年のアメリカの需要縮小は、間違いなく中国にこそ最もネガティブな影響を与えます。
 %で書くと解りにくいですかね。日本に置き換えてみましょう。GDP500兆円の10%の八割、つまり約四十兆円の外需が一気に縮小していっているようなものなのです。こんな膨大な額、どうあがいたところでカバーのしようがありませんよね。
 麻生首相がASEMで胡錦濤 や温家宝にかつて無い厚遇を受けていましたが、理由は明確すぎるほど明確です。GDPの8%の外需が減少していっている中、少しでもその減少分を補填してくれる可能性を持つ国との関係を悪化させるわけにはいきません。
 中国人は、自分の利益になるのであれば、平気で掌を返します。今の状況が続く限り、来年の八月十五日、胡錦濤 や温家宝が揃って靖国参拝をしたところで、わたしはちっとも驚きません。

【金融危機】中国の製造業を直撃 倒産ラッシュで社会不安拡大
http://sankei.jp.msn.com/world/china/081021/chn0810211903005-n1.htm
 米国発の金融危機が中国の実体経済に深刻な影響を与え始めた。欧米や日本の景気後退で外需が減少し、広東省や浙江省などで従業員数千人規模の玩具、繊維工場の大型倒産が今月になってから相次いでいる。中国経済の高成長を牽引(けんいん)してきた輸出産業に陰りが鮮明になる中、胡錦濤政権が目指した内需主導型への転換はまだほとんど進んでいない。高度成長が止まれば、失業者らによる抗議デモや暴動が多発し、社会不安が一気に広がる可能性もある。(中略)
 中国国家発展改革委員会のまとめによると、今年上半期には沿海部の輸出産業を中心に6万7000社の企業が倒産し、2000万人以上が職を失った。(後略)』

 以前、読売ソースの同内容の記事を載せた記憶がありますが、中国の純輸出の減少の影響が如実に理解できる報道なので、別ソースで再掲です。何度読んでも、上半期だけで2000万人以上が失業とは、スケールがでかいです、中国経済。
 さて、中国経済の二つ目の柱である総固定資本形成(不動産投資含む)ですが、こちらの方も凄い状況のようです。
 元々、中国経済の成長に最も貢献していたのは、不動産と建設業と言われています。中国では不動産業と建設業の二業種だけで、経済成長に対し二割近い貢献をしているのです。実質GDPの成長率を見てみても、06年から07年にかけた中国建設業の成長率は、13.7%と非常に高いです。
 実は、中国の主要産業で全体の実質GDP成長率(11.4%)を上回る成長を見せたのは、建設業だけなのです。その建設業、不動産業が、現在、大変な状況に陥ろうとしています。

深セン市の不動産市場、ついに危険信号が
http://www2.explore.ne.jp/news/article.php?id=10983&r=sh
 深セン市国土局に所属する深セン市房地産研究中心が発表した報告書『2008年1月ー9月深セン房地産市場分析報告』で、政府の深セン市不動産市場に対する介入が必要であると記された。こうした報告書が書かれた背景には、深セン市の不動産の急落が関係している。
 それによると、2007年10月には1平米あたり17350.26元あった平均価格は、今や12431.39元に下落、また前の月と比較した下落幅でも、中国70大都市の中でトップになるなど、深刻度が増している。(後略)』

 深セン不動産市場における、07年10月から一年間の不動産平均価格の下落率、何と約40%!アメリカ不動産バブル崩壊どころではない、驚異的な下落率です。

上海の不動産、9月も成約件数が下落
http://www2.explore.ne.jp/news/article.php?id=10901&r=sh
 例年、9月~10月は上海市内の不動産が活発に交易される時期だが、今年は冷え込んでいる。上海でも著名な大手デベロッパーの一つ万科集団でも、前年9月と比較して契約面積で27.6%、契約件数で37.9%の下落となった。また、8月と比較してもそれぞれ32.8%、35.2%の下落となっている。(後略)』

 もちろん、中国の不動産市場崩壊は深センのみならず、全国に広がっています。中国経済に最も影響力がある上海の契約面積が、前年比で27.6%減少、契約件数で37.9%減少・・・。破滅的な崩壊速度と言って構わないでしょう。
 中国経済の二大支柱であった純輸出と建設・不動産業が崩壊しつつある今、中国もまた「国家のモデル」を失いつつあるのです。
 輸出と不動産がダメなら、個人消費で勝負だ、と言いたいところですが、物事はそう簡単に巧くはいきません。
 中国のGDPに占める割合が減少しつつある個人消費を高めようとしても、まず人民元安を維持している限り、国民の購買力を奪い続けているわけで、そもそもが無茶な話です。かといって人民元高を是認すると、ただでさえ失業者が増えている中で輸出製造業がばたばたと倒れていきます。その上、この株価暴落です。元々、年金などの社会保障が不充分で、将来への不安から貯蓄志向が高い中国人に、株価暴落・物価上昇の中で消費を増やさせるなど、さすがの共産党政権であっても不可能というものです。
 そういえば、中国株(上海総合株価指数)がいつの間にか1,723まで下落し、2007年10月16日の6,124ポイントのピークから、下落率が七割を超えました。まあ、株価暴落ではロシアの方がはるか上を言っているので、あまり気にならなくなってしまいましたが。
 う~ん・・・慣れって恐ろしい。

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