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9月19日(金)発売の撃論ムック「猟奇的な韓国」に「崩壊進行中の韓国経済の病理」を寄稿しました。
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ブログ読者のお一人SK様より、麻生内閣の景気対策の目玉の一つ「休日の高速道路、1000円で走り放題に」について解説して欲しいとご依頼いただきましたので、本日はこの話題を。とは言っても、さすがに「休日の高速道路、1000円で走り放題に」だけでは、書けることも限られて来ますので、今回は日本を中心に世界的な景気対策の話を。
『欧州、景気対策を本格化 仏は投資促進の税制
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081103AT2M0100F02112008.html
欧州主要国が相次いで景気対策に動き始めた。フランスが企業の投資を促すための税制優遇措置を導入。ドイツは雇用維持に向け助成金を拡充する検討に入った。金融危機の影響が広がる中、欧州でも景気停滞が鮮明になっている。各国は公的資金注入などで金融システムの安定を図ると同時に景気対策を進め、実体経済の下振れを抑える。
フランス政府は今後3年間でIT(情報技術)産業などを中心に研究開発や製造部門に総額1750億ユーロ(約21兆8800億円)の投資を実施する。戦略産業への政府投資を通じて将来の経済成長の基盤づくりを進める。』
大統領選で身動きがとれないアメリカを除き、日欧先進諸国は一斉に景気対策を本格化し始めました。
欧州の経済大国ドイツは雇用維持のための助成金拡充、フランスが起業の研究開発や製造部門への投資実施ですか。何となくお国柄が表れていて、興味深いですね。
翻って我が日本ですが、10月30日に麻生総理が「国民のための経済対策」として発表しました。日本メディアの報道を読むと、フィルターが掛かってしまいますので、麻生総理の記者会見に関する首相官邸の原文にリンクを貼っておきます。大して長くないので、お時間のある方は是非ご覧下さい。
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2008/10/30kaiken.html
麻生総理の発表の要旨を整理すると、以下の通りとなっています。
1. 国内対策
(1) 定額減税:全所帯対象で、規模は約2兆円。4人家族で約六万円。また、雇用保険料の引き下げにより、労働者の手取り増加
(2) 中小企業・金融対策
(2)-1 中小企業対策:緊急信用保証枠を20兆円、政府系金融機関の緊急融資枠を10兆円
(2)-2 金融対策:金融機関への資本参加枠拡大。配当課税への軽減税率延長
(3) 地方対策:高速道路料金大幅引き下げ。休日はどこまで行っても一律1,000円に。平日は昼間も三割引。更に道路特定財源について、1兆円を一般財源化し地方に移す。
※この後、消費税に関する発言。「大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております。 」
2. 金融安定化のための国際協調
(1) 11月15日の金融に関する首脳会議で、金融監督機関について議論
(2) 格付け会社の規制について首脳会談で議論
(3) 会計基準について首脳会議で議論
本日は国際金融はテーマではありませんので、「1. 国内対策」のみについて。また、高速道路引き下げは首都高などは除いている、あるいはETC車のみが対象などなど、細かいところは省きます。あくまでマクロ的に今回の経済対策を捉えてみたいのです。
上記、麻生内閣の国内向け経済対策ですが、「消費者」「中小企業」「地方」という三つを対象にお金を注ぎ込みます、となっているところが大変面白いです。これまで「輸出大企業」「都市」の経済成長に焦点が絞られていた、小泉内閣以降の所謂「改革」とは、明確に一線を画しているわけです。
わたしは特に「消費者」を対象にした対策に注目しています。定額減税、雇用保険料の引き下げ、そして高速道路の無料化の三つから、麻生内閣が日本人に「消費してくれ~!」と訴えている声が聞こえてくるのです。
実は、日本のGDPの構成上、民間最終消費支出が2%増えると、日本のGDPは約6兆円増加します。パーセンテージで言えば、GDPが1%強の増加となります。
以下は、2006年(07年版が未だ完全なものがリリースされていないので)の日本のGDPの内訳です。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_14.html#J-GDP06
この「6兆円」を輸出(純輸出)だけで増加させようとすると、輸入が全く増えないと言う前提であっても7.1%輸出を伸ばさなくてはなりません。実際には輸入が全く増えないことはあり得ませんので、恐らく6兆円純輸出を増加させるには、輸出二桁増が必要になるでしょう。
グラフには載せていませんが、06年の輸出金額は83.8兆円、輸入金額が76.7兆円でした。
06年までの円安&世界的なバブルの状況ならともかく、現状の世界経済の状況で輸出の大幅な増加を目論むなど、正気の沙汰ではありません。麻生内閣が日本のGDPの57%(06年)を占める「民間最終消費支出」を増加させるための対策に的を絞るのは当然で、別の言い方をすれば、選択肢が他に無いと言っても過言ではないと思います。(まさか今更、政府支出を増加させる公共事業の連発を、日本国民が素直に評価するとも思えません。)
と言うわけで、麻生内閣は日本人に現金を渡し、高速道路を使いまくり、特に地方でお金を使ってくれ、というメッセージを投げてきているのです。
消費税に関する麻生総理の発言からも、「今のうちにお金を使った方が、得ですよ~」という裏の声が聞こえてきます。消費税で煽って散々消費させた上で、3年後には「大胆な行政改革」ができなかったので、消費税を上げるの見合わせます、テヘッ。と、やればいいわけです。(わたしが麻生氏の立場なら、そうします)
どうです? 上記URLの「2006年 日本のGDP内訳」の円グラフを見ると、民間最終消費を伸ばそうという麻生内閣の施策が、結構真っ当に感じられてきませんか?
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