11月25日(火) 20:55~21:20 J-WAVE(FMラジオ・81.3・首都圏ネット)「JAM THE WORLD」に生放送出演します
「SPA 11月25日号」P4に、インタビュー記事が載っています。内容はIMFと日本の1000億ドル資金供給についてです。 http://spa.fusosha.co.jp/
「夕刊フジ 11月14日版 韓国経済“崩壊”危機…止まらぬウォン安、年末要注意」にインタビュー記事が載りました。 http://www.zakzak.co.jp/top/200811/t2008111445_all.html

 本ブログヲチ対象四カ国(日米中韓)のGDPやGDP予想が発表されましたので、まとめてご紹介。まずはアメリカから。

7―9月の米実質GDP速報値、0.3%減
http://www.nikkei.co.jp/keiki/usgdp/
 米商務省が30日発表した7―9月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は季節調整済みの年率換算で前期比0.3%減った。四半期のマイナス成長は2007年10―12月期(マイナス0.2%)以来。金融危機の影響が本格化する08年10―12月期もマイナス成長になれば、景気後退(リセッション)が確定する。
 成長率の低下幅は01年7―9月期(マイナス1.4%)に次ぐ大きさとなる。ただ低下幅は市場予測(マイナス0.5%)より小さかった。世界では日本とドイツが4―6月期、英国が7―9月期にそれぞれマイナス成長で、日米欧の主要国がほぼ同時期にマイナス成長に突入した。7―9月期はGDPの7割を占める個人消費が17年ぶりにマイナスに転じた。設備投資、住宅投資など内需は総崩れで、成長を支えてきた輸出も鈍化した。
 個人消費は3.1%減で、低下幅は1980年4―6月期(マイナス8.6%)に次ぐ。所得減税効果が切れたうえ、金融不安の高まりで家計が一斉に消費抑制に動いた。耐久財消費(14.1%減)に加え、日常生活に必要な物品の消費もマイナスに転じた。民間設備投資はマイナス1.0%。民間住宅投資もマイナス19.1%だった。 』

 最後の買い手として世界経済を支えていたアメリカ個人消費が、ついに第三四半期、マイナスに突入しました。(第二四半期は減税効果で、プラスを維持していました。)
 更に昨年からアメリカ経済を下支えしていた外需(輸出)も鈍化。民間住宅投資は相変わらず仰け反るようなマイナス(▲19.1%)と、アメリカ経済は成長要因をすっかり失ってしまった状況です。
 自動車市場を見ていると、第四四半期の個人消費も、回復するとはとても思えません。まさに寒いクリスマスが訪れようとしています。

中国成長率、9%に減速=7-9月期、金融危機響く
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008102000263&rel=j&g=int
 中国国家統計局は20日、今年7-9月期の国内総生産(GDP)が実質で前年同期比9.0%増加したと発表した。成長率は1-3月期の10.6%、4-6月期の10.1%から一段と減速。1-9月期全体では9.9%で同2.3ポイント低下した。米国発の金融危機による世界経済の低迷で輸出の伸びが鈍化し、外需が大幅に減少したのが主な原因。2003年以来5年連続で2ケタ台の高成長を維持してきたが、世界経済の影響は避けられず、中国政府は年間通して9%台の維持を目指す。』

10月の中国成長率、5%前後に低下か=来年の目標は8%維持-香港紙
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200811/2008111700558
 17日付の日刊紙・香港経済日報は消息筋の話として、中国の10月の実質成長率が年率5%前後に低下したと報じた。同国経済は雇用確保のため8-9%の成長が必要といわれ、5%前後という数字が事実とすれば、既に失速状態に陥っていることになる。(後略)』

 いやいやいやw 例え本当に中国の十月が、成長率5%前後にまで低下していたとしても、そんな情報が表に出てくるわけないです。何かのディスインフォメーションでしょう。
 中国は毎年市場に新たに参入する労働者の雇用を維持するために、年率8%の経済成長を維持する必要があると言われています。5%などという成長率が公表されれば、掛け値無しでパニックが生じますので、真実がどうあれ、共産党方式で率を嵩上げして報道するでしょう。
 しかしGDPの構成要素の内、アメリカの内需崩壊で純輸出が減速、不動産バブル崩壊で民間住宅投資減速、株式バブル崩壊で民間最終消費支出伸び悩みと、現在の中国は三重苦に喘いでいます。頼みの政府支出はまだ「発表段階」ですし、経済成長率が本当に5%に落ち込んでいても、全く違和感はありません。

"UBS, 韓経済成長率 -3% 見込み"
http://www.yonhapnews.co.kr/economy/2008/11/21/0325000000AKR20081121034100008.HTML
UBS証券は来年に韓国経済成長率が -3%で 1998年以後初めてマイナス成長することと見通したと 21日ブルームバグ通信が報道した.
UBSは直前まで来年韓国経済が 1.1%の成長することで予測した.』

 09年の韓国がマイナス成長に陥ると予測したUBSに対し、韓国の企画財政部が怒り狂っています。が、企画財政部自身が来年の韓国貿易収支が今年と同様に赤字化すると予想しているので、個人的には全く違和感がありません。貿易収支が赤字という事は、韓国の場合はまず間違いなく純輸出が「純輸入」状態になり、GDPから控除されます。(注:純輸出≒貿易・サービス収支です。韓国のサービス収支が黒字化する事は、ちょっと考えられません。)
 むしろ違和感を感じるのは、韓国の企画財政部が09年の貿易収支は赤字になると予想しているくせに、経常収支は黒字化すると見通していることです。経常収支の項目は、貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支の四つです。経常移転収支は恒常的に赤字で、かつ全体に影響を与えるほど大きくなく、前述したようにサービス収支が黒字化する事は考えにくいです。という事は、韓国の企画財政部は「09年の所得収支黒字>貿易収支赤字+サービス収支赤字+経常移転収支赤字」になると予想しているのでしょうか?
 昨年までの韓国は資本収支黒字国だったので、所得収支がそれほど急激に伸びる事は考えにくいです。企画財政部の「経常収支黒字予想」の詳細が知りたいところです。

 ラスト、日本の第三四半期。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_14.html#JPGDP
 第三四半期の日本の実質GDP成長率は、前期比▲0.1%に終わりました。
 注目は個人消費(民間最終消費支出)と民間住宅です。この状況にありながら、個人消費は年率換算で1.1%成長と根性を見せ、住宅投資は耐震法による激減の反動で、年率換算17%と大きく盛り返しました。が、残念ながら企業の設備投資と純輸出の落ち込みをカバーするには至りませんでした。
 下のほうの図、GDPの内外需別寄与度を見ると、外需の落ち込みを内需でカバーしようとしている日本経済の姿が一目瞭然になります。方向的には、これしかないでしょうね。
 中国もこの路線を狙っており、もちろん韓国もそうですが、外需依存度の高い中韓が、どこまで内需で外需減少をカバーできるか、注目です。

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