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『(以下引用)
 過去の例を見ると、財政赤字がGDP比で百数十%もある国はとんでもないインフレか、とんでもない高金利になるのが通例である。
 なぜかと言えば、あまりにも財政赤字が巨大になると、それに我慢できなくなった政府が中央銀行に圧力を掛けるからである。はっきり言えば「紙幣を刷ってそれで国債を買ってくれ」と迫るのである。当初は中央銀行も政府の要請を拒否する。そのようなことに同意してしまったら、とんでもないインフレになるからだ。しかし、あまりにも財政赤字が大きくなると、最終的には中央銀行も拒否できなくなってしまう。
 中央銀行がそんな行動をとると、紙幣が大量に印刷されることになるから、そこからとんでもないハイパー・インフレーションになるか、あるいは極端な金利上昇が起こる。過去にハイパー・インフレになった国のケースを見ると、だいたい中央銀行が政府の圧力を受け止めきれずに、政府の言いなりになったのが原因である。(後略)』

 これは、当ブログで最近、頻繁に登場するリチャード・クー氏の「日本経済を襲う二つの波」からの引用です。(大変光栄なことに、拙著「ドル崩壊!」はamazonの国際経済学部門ランキングで、氏の「二つの波」とトップを争い続けています。)
 クー氏の「中央銀行が紙幣を刷って国債購入」の危険性に関する著述は、この後もしばらく続きます。日本のデフレが深刻化した時期、つまり現FRB議長のバーナンキ氏が理事だった頃、現議長やクルーグマン教授らが散々に日銀を非難してました。日銀が円を刷って、日本国債を購入しないという理由で。
 クルーグマン教授はクー氏に対し「日本は200%から300%のインフレにすればいい」と主張し、バーナンキ理事(当時)は「日銀はトマトケチャップでも買えば景気は良くなる」と述べていました。
 要するに、デフレーションで金回りが悪く、かつ財政赤字が膨らんでいるのだから、中央銀行が紙幣を増刷して国債を吸収してしまえば、インフレになると同時に財政赤字も激減して一石二鳥だ、という「説」です。
 クー氏はもちろん「そんなことをしたら国民生活が滅茶苦茶になる。政府の国債買取要請を拒否し続けた日銀は、正しかった」という論調で著書を書かれています。「ヘリコプターから紙幣をばら撒けばいい」で有名な「ヘリコプター・ベン」こと現バーナンキ議長と、デフレ対策の点でクー氏は対極に位置しているわけです。
 クー氏とバーナンキ氏とどちらが正しいか。現時点では分かりませんが、近々判明するかもしれません。昨日のエントリーでも書いたように、FRBはゼロ金利に続いてプリンティング・マネー(印刷した紙幣)による国債買取を示唆しているからです。
 果たして、どうなるでしょうか。

 最近、教科書上の経済理論や定説が通用しないと思えるケースが増えてきました。結構沢山あるのですが、本日は一つだけご紹介いたします。(回答が分かる方がいらっしゃいましたら、ご教授を)
 「デフレーション対策には、利下げが有効
 これ↑一応、定説なのですが、日銀がゼロ金利を続けたにも関わらず、日本のデフレに対しては全く有効ではありませんでしたよね。その理由の一部は、例の「バランスシート不況」で説明できるのですが、もう一つ気になっていることがあります。
 金融がグローバル化、自由化されている以上、マネーは低金利国から高金利国に流れます。という事は、低金利=通貨安になるわけで、これは90年代後半から昨年までの日本を見ても納得できますよね。
 さて、昨年までバブルに沸いていた諸国は、ほぼ例外なく高金利でした。(多くの新興経済諸国、アイスランド、スペイン、等々)高金利ゆえに低金利諸国からのキャリーマネーが流れ込み、通貨高になっていたのです。そして通貨が上昇すると同時にその国で何が起きていたかと言えば、「資産インフレ」です。資産インフレと書くと何となく柔らかい印象を受けますが、要はバブルです。具体的に書くと、不動産と株式のバブルが起きていたのです。
 通貨高+バブル諸国では、昨年まで不動産屋株式価格が上昇すると同時に、一般の物価高騰も起きていました。物価が上がっていたのは何も投機商品だけではなかったのです。つまり、インフレーションの発生ですね。
 高金利ゆえに、海外からマネーが流れ込み、結果的に物価が上昇する。ストーリーとしては納得できますが、ということは前述の「デフレーション対策には、利下げが有効」が、まるで引っくり返ってしまうのです。デフレ対策には、むしろ金利を上げて海外マネーを引きつけ、通貨高にすればいいのではないでしょうか? 低金利がキャリー資金の原因になってしまい、中央銀行が幾ら流動性を供給しても、資金がどんどん海外に流れ出てしまうのでは、低金利はデフレ対策として無効になってしまうのではないでしょうか。
 少なくとも昨年まで「低金利国:日本⇒デフレ&通貨安」「高金利諸国:新興経済諸国、欧州の多くの国々⇒物価高騰&通貨高」だったのは、紛れもない事実なのです。

 何となく、この辺りの謎も、これから徐々に解けていく気がしています。何しろ日米金利差が逆転したため、これからはアメリカが「ドルキャリー」の供給元になるのですから。

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