「メリークリスマス!麻生首相」祭り開催中  http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21288749.html
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表現者2009年1月号 特集「グローバル経済の破綻と日本のゆくえ」というタイトルで座談会記事が掲載されます。 http://book.jorudan.co.jp/html/event_hyougen.html
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麻生首相:日本で自動車会社が政府の緊急支援受けることない
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003008&sid=aOewVaisN7IQ&refer=jp_politics
 麻生太郎首相は22日午後、都内で開かれた日本経団連の評議員会であいさつし、「世界的な不況から最初に脱出できる国は日本でなければならないし、日本であると考えている自動車会社が政府の緊急支援を受けるなんてことはありません」との見方を明らかにした。
 首相は日本の状況について「日本経済自身に何か構造的な問題があったわけではない。3つの過剰(債務、設備、雇用)のあった前回の不況とは大きく異なるところだ」と語り、日本企業の基礎体力はバブル崩壊後の平成不況時に比べると強じんになっているとの認識を示した。
 その上で、雇用問題について「雇用を安定させれば生活の安心を生み、消費の拡大にもつながる。企業の社会的責任ともいえる」と指摘。さらに、出席した経営者らに対し、「日本型経営の強みは人を大切にする経営、モノ作りの力だ。こうした原点を経済界の皆さんが見失わない限り、世界の中で最も早く不況から脱出することができると固く信じている」と雇用の維持・安定に努力するよう求めた。 』

 自動車会社が政府の緊急支援を受けることはないって、そりゃそうでしょう。
■トヨタの保有する現預金(08年9月末時点):1兆8506億円(資産合計 32兆円)
http://www.toyota.co.jp/jp/ir/financial_results/2009/semi/yousi.pdf  の貸借対照表(バランスシート)より
■ホンダの保有する現預金(08年9月末時点):9544億円(資産合計 13兆円)
http://www.honda.co.jp/investors/financialresult/2008/2008_2nd/09.html?size=1  の貸借対照表(バランスシート)より

 下手すりゃ、日本国政府よりもフリーなキャッシュを持っているのではないですか? トヨタとホンダは。
 思わず気を失いそうになるほど巨額の現預金です。わたしはもちろん自動車会社のコンサルなどしたことありませんし、両社の財務諸表を見るのは初めてですが、自動車会社というのはこれほどまでの巨額の現預金を溜め込まなければ、回らない産業なのですか?(いや、マジで聞いています)
 トヨタは今期の連結営業利益(損失)が1500億円赤字になると報道しましたが、十年くらい同レベルの決算を続けてもびくともしないのではないでしょうか。そしてもちろん、トヨタのことですから次期決算におけるV字回復を演出するために、今期の赤字額を膨らませた可能性も否定できません。
 現預金額対総資産比率ではトヨタをも上回るホンダの福井社長は、先日以下のようにコメントしました。(情報提供 NO様)

「円高進めば正規雇用まで危うくなる」ホンダ・福井社長
http://www.asahi.com/car/news/TKY200812200020.html
 ホンダの福井威夫社長(64)は19日、朝日新聞社などのインタビューに応じ、円高ドル安の影響について「(円高が進めば)国内工場のリストラに追い込まれる可能性がある。正規雇用まで危うくなる。日本の輸出産業は全滅するだろう」と為替の先行きに強い危機感を示した。
 福井社長は1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とした上で、円高が加速すれば、埼玉製作所(埼玉県狭山市)を、計画中の新工場に集約するなど生産拠点の大幅な見直しに迫られる可能性を示唆した。(後略) 』

 凄い煽りw 実効為替レートで見ると、せいぜい2005年レベルでしかないのに、日本企業はどれだけ脆弱なんですかw
(【追加】相当円が高くなった2008年11月時点の実効為替レートでさえ、2005年2月レベルでしかありません。ソース:日銀 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/market/forex/jikko/index.htm
 日本の輸出産業は全滅するだろうって、それでは世界は今後原発を作れなくなるし、大型H型鋼が日本から輸出されないので、高層ビルも建てられなくなっちゃいますね。(原発の圧力容器などの重要部は、世界で東芝、三菱重工、日立の三社しか作れず、高層ビルの建設には必須の大型H型鋼は、新日鉄などの日本の鋼材メーカしか作れない)
 面白いことに、円高に悲鳴をあげるホンダの福井社長に対し、経済同友会の方は日本企業に対し、淡々と「円高に備えましょう」とのメッセージを発信しました。(情報提供NO様)

http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/pressconf/2008/081217a.html
Q: 円高および日・米の金利が拮抗してきた状況を受けて、特に輸出産業にどのような影響を与えるか、見解を伺いたい。
桜井:米国のゼロ金利政策は、即円高という結果になった。株価は、政府やFRBの対応に好感を示して上がっており、日本の株価も同様に反発している。
 円高は、いつも述べているように、(企業の)対応に時間がかかるため、振れ幅が大きな問題である。(為替は1ドル=)80円台後半になっているが、長期的にみると、90円を割るような円高を通常のベースとしての企業経営・運営が必要になってくると思う。しかし、「景気定点観測アンケート調査結果」にもある通り、多くの企業は100~105円で(2008年度)予算を組んでおり、これに対してかなり円高が進んでいるため、吸収しづらいということで、今後の減収減益の大きな要素になるだろう。(後略)』
 
 現在、世界的にドラスティックな動きを見せている自動車産業について、気になる点が一つあります。
 米政府はGM及びクライスラーに対し、それぞれ134億ドル、40億ドルのつなぎ融資を実行する予定になっています。つまり両社併せて174億ドル、即ち1兆5660億円のアメリカの公金がつぎ込まれるわけです。
 恐ろしいことに、現金の量だけを見ると、トヨタがGMを、ホンダがクライスラーを救済する事は紙上の計算では充分に可能なのです。
 ここで一つ疑問なのですが、トヨタやホンダはGM&クライスラーの破綻について「自動車産業全体の危機だ!」と何度もメッセージを投げていますが、本当にそうなのでしょうか? GMとクライスラーが万が一、破綻すると、両社併せて33%のシェア(アメリカ市場における)分の供給能力が消えるわけです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_14.html#USAuto08Nov

 アメリカ人は自動車無しでは暮らせませんから、もしも両社が破綻した場合、空白となったシェアを残りの自動車メーカで奪い合うことになります。今の状況では、トヨタとホンダは相当のシェアを獲得すること間違いありません。
 逆にトヨタやホンダにとって最悪なのは、GM&クライスラーという重荷を背負わされることです。両社はそれを嫌い、殊更に大きな声で悲鳴をあげているだけなのではないでしょうか。そして「ビッグスリーの危機は自動車産業全体の危機だ!」と叫ぶ両社の本音は、実は・・・。

 あ、誰か来たようです。

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