三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA1月13日号にインタビュー記事が掲載されています。(P4です。) http://spa.fusosha.co.jp/
集合知プロジェクト 進行中! http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/folder/1158306.html

 上にも書きましたが、SPAの1月13日号P4にインタビュー記事が掲載されました。麻生首相の写真がドンッ、と載っているページです。
 さて、日本では島国的らしく国内問題で何だかんだと大騒ぎになっている間に、ロシア及び欧州が緊迫してきました。

ロシア:天然ガス問題 欧州全土に波及 ロシア産、7カ国完全停止
http://mainichi.jp/select/world/news/20090107dde007030038000c.html
 ロシアからウクライナ経由で欧州向けに輸送される天然ガスの供給停止が相次いでいる問題で、供給が完全に止まった国は6日、セルビアなど東・南欧の7カ国に広がった。AFP通信によると、供給減少・停止の影響を受けた国は17カ国。ブルガリアでは一般家庭の暖房用ガス供給がストップ。欧州は氷点下10~20度の寒さを迎えており、事態は深刻だ。
 ブルガリアの黒海沿岸の町バルナなどでは一般家庭約1万2000戸が暖房を使用できなくなった。同国では天然ガスの備蓄が数日分しかなく、パルバノフ大統領は2年前に停止した原発の運転再開を検討する考えを表明した。
 スロバキアは6日、「非常事態」を宣言し、企業へのガス供給制限に踏み切った。一般家庭に対して、当面はガス備蓄で乗り切れるとして、動揺しないよう落ち着いた対応を呼びかけている。
 供給量大幅低下の影響は独、仏、伊にも及び、ドイツでは一両日中にウクライナ経由のガス供給が完全停止する見通し。ただ、3カ国ではそれぞれ数週間~40日間分のガス備蓄があり、大きな影響は出ていない。
 一方、ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロムとウクライナ国営ガス会社ナフトガスは6日、先月31日以降停止していたガス価格などを巡る交渉を8日に再開することで合意したが、歩み寄りは困難な情勢だ。タス通信によると、欧州連合(EU)は6日、EU、ロシア、ウクライナによる緊急首脳会議の早期開催を提案した。』

 氷点下10~20度の状況で、エネルギー供給を止められるとは、真実洒落になりません。亡くなられる人が出ないように、祈るばかりです。
 実は個人的に上記の記事で一番気になったのは、ブルガリアが原発の運転再開を検討するという部分です。わたしが保有している某企業の株式が、本日7%を越える急騰になり仰天したのですが、もしかしてこれが手がかりだったのでしょうか。

 ところで、日本の07年のGDPが確定したことを受け、以前から何度も掲載している「主要国外需依存度」のグラフをアップデートしました。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#Gaiju07

 主な変更点は以下の通りです。
①対象国である日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国に、今回ロシアを付け加えた
②外需依存度(輸出対GDP比率)、貿易黒字対GDP比率、輸入対GDP比率をまとめた
③さらに、貿易黒字対輸出比率を付け加えた。
 最後の③ですが、これは実はロシアのために付け加えた数値になります。なぜロシアのためなのかと言うと。。。

 注意! ここから新刊のネタばれがあります!!!
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 ロシアの各経済指標を分析していて、ある事実に気がついたのです。
 それは、ロシアが輸出金額の割りに貿易黒字が異常に大きいということでした。そこで、主要国と「貿易黒字対輸出比率」で比較してみたところ、ロシアの数値が他国を圧倒していることが分かったのでした。
 2007年のロシアの「貿易黒字対輸出比率」は43%、つまり輸出金額の四割超の貿易黒字を稼いでいるということですが、実はこの数値、05年には六割近かったのです。理由はもちろん、ロシアの主力輸出品が「エネルギー資源」だからです。天然ガスにしても原油にしても、輸出するために何かを輸入する必要がないわけで、効率的に貿易黒字を稼ぐことが出来るわけです。
 逆に非効率な輸出をやっているのは・・・・・・はい、韓国です。
 韓国の「貿易黒字対輸出比率」はわずかに4%。ロシアの十分の一です。
 韓国の輸出製品の主力が「工業製品」である以上、韓国の輸出産業は少なくとも日本、ドイツ、中国、ロシアと比較して最も非効率だと断定せざるを得ません。
 もっとも、韓国の外需依存度はドイツ、中国に近いですから、ロシアと比べるのはちと気の毒な気も致します。まあ、ドイツや中国と比較しても五分の一水準ですが。
 ちなみに言うまでもありませんが、輸出対GDP比率が二番目に低い内需依存国日本と韓国を比べるのも、やはり無理があります。
 しかしロシアにしても、資源バブルが崩壊した以上、09年の状況は無茶苦茶不透明で、その上、冒頭の記事のようなことをやっているわけです。この件が切っ掛けで欧州諸国が一斉に原発に流れると、最終的にロシアは自分で自分の首を絞める結果になると思うのですが。
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 ネタばれはここまで。

 しかしこうしてみると、日本の貿易構造は何かと独特ですね。
□外需依存度が低い割に、貿易赤字国ではない。(米英と異なる。)
輸入対GDP比率がアメリカを下回るほど、低い。
□貿易黒字対GDP比率は低い(注:内需がでかいためです、もちろん)が、貿易黒字対輸出比率は決して低くない。
 
 韓国の問題は、日本と比較すると明確になります。
日本と同じように貿易黒字対GDP比率は低いが、内需依存国ではなく中独クラスの外需依存国
 韓国は結局、日本のようなそこそこ貿易黒字を稼ぐ内需依存国にも、中独のようなマジモンの外需依存国にも、双方になりきれていないわけです。地政学的な位置づけもそうですが、韓国はひょっとして、何でも「中途半端」になってしまう宿命でも背負っているのでしょうか。

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