三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA1月13日号にインタビュー記事が掲載されています。(P4です。) http://spa.fusosha.co.jp/
集合知プロジェクト 進行中! http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/folder/1158306.html

 昨日のコメントで妙な事を書いている方がいらっしゃいましたが、わたしは「公序良俗違反」「個人情報保護法違反」「ブラクラ」などの疑いがあるコメント以外は、一切、消しません。一度、中々開かないWebのURLだけを書き込まれた方がいて、ブラクラと勘違いして消しちゃいましたが。
 別に三橋の著作を批判するコメントを書き込まれても、一向に構いませんよ。

円高がもたらす「自走式」景気回復
 年末年始の株式市場は日経平均株価が七日までに七日続伸するなど堅調だった。その理由としてオバマ新政権への期待の高まりが挙げられている。日本の投資家が米国の次期大統領の一挙手一投足に熱い視線を注いでいるというわけだ。
 昔から、米国経済の失速のあおりを受けて日本の景気が低迷すると、強い期待を持って米国の回復を待った。米国政府の対策の良きを得て、米国経済は立ち直りを見せた。そして日本の輸出が回復し、日本経済も再び成長路線に戻ることができた。(中略)
 ところが今回ばかりはいくら待っても対米輸出が回復しないことになりそうだ。借り手の米国民が返済するだけの所得も資産も持たず、そのうえ返す意思もない借金の山を築いてしまったからである。しかも金融危機が起こり、金融機関は貸し出しがかなわない。借りてこそ消費ができた米国経済だっただけに、今や米国の消費は激減している。このところ世界経済の成長に貢献してきた新興諸国も対米輸出に依存してきたため、失速の傾向を見せている。
 しかし日本にとって幸いなのは、真っ暗なトンネルの先に光が差していることだ。世界同時不況に向かっているにも関わらず、為替相場では国力を示す円が独歩高の動きを見せている。「輸出はもうかるという物語」においては「円安が善、円高は悪」と自動的に決め付けられてきた。だが円高は日本にとって景気回復の突破口となるはずだ。
 日本経済は資源やエネルギーを海外にほぼ依存するため、円高で輸入コストが大きく低下すると一万円札で買える物量が増える。実質ベースでの消費の増加を招き、経済活動は静かに拡大し始める。円高から日本経済が走り出し、「自走式」成長に切り替わる流れを大切に育てることが今年の課題である。』

 この、いかにも当ブログのエントリーに書かれそうな「記事」を掲載したのは、どの報道機関だと思われますでしょうか。
 はい、正解。日本経済新聞です。(日経新聞 2009年1月9日(金) P17 大機小機 より引用)
 この記事、何というか非常にコンサルティング的です。今年の初めから繰り返している「どうなるかではなく、どうするか」がきちんと盛り込まれているのです。

【外部環境】
 機会 円高による輸入価格の下落。円高による国内購買力の増大
 脅威 アメリカの需要は回復しない。新興諸国の経済成長も失速する
 
 診断士的には外部環境に続いて、内部環境(日本経済の強みと弱み)を分析した上で戦略を立てるのですが、上記記事はそこまでは踏み込んでいません。(ちなみに筆者の新作ではやります。)
 日本のメディアが好む「どうなるか」は、基本的に外部環境の 【脅威】のみを並べ立てて、「日本経済はおしまいです。」と結ぶテンプレートになっています。外部環境の変化により生じた【機会】には決して触れません。なぜならば「日本経済はおしまいです。」と結べなくなるからです。
 上記記事を普段の莫迦マスメディア風に書くと、「日本経済はアメリカへの輸出が回復しない限り立ち直れない。今回はアメリカの回復はなく、新興諸国の経済成長もストップする。よって、日本経済はおしまいである。」となります。
 この「日本経済はアメリカへの輸出が回復しない限り立ち直れない。」は、あくまで過去の結果と言うか、日本経済がアメリカへの輸出が回復して成長路線に回帰したという、一つの「成功体験」に過ぎません。ご存知の通り、過去の成功体験は、企業が破綻する際の一要素になることが非常に多いです。
 「企業A社は、過去の成功体験にとらわれ、破綻した」とか破綻企業を批判しているマスメディア自身が、こと日本経済のことになると、同じ事をやっているわけですね。
 ちなみに筆者は「日本の外需依存度は高い」は、数値データからして嘘なので、完膚なきまでに否定しますが、日本経済の成長に輸出が貢献した事を否定したことはありません。念のため。
 むしろこれまでの成功体験が通用しないことが分かっているからこそ、日本経済の構造転換、具体的には内需拡大路線への転換が必要であり、円高や外需の縮小は、それを後押ししてくれている、と言いたいわけです。そして日本経済は新たな成功体験を築くためのリソースを十分に持っている、別の言い方をすれば「他国よりも」持っているのです。

 ■外需依存度が低いこと
 ■国内の家計や企業が莫大な金融資産を溜め込んでいること
 ■世界有数の技術力があり、国民のイノベーティブ度が世界最高なこと
 ■エネルギー効率が世界最高なこと
 ■中韓朝という特殊な三国を除き、世界の各国からの信頼度がトップである事
 ■治安が維持され、犯罪件数が減少していっていること

 などなど、どれもこれも日本以外の国はほとんど持っていない、日本の【強み】です。(当たり前ですが、日本にも【弱み】はあります。世界の全ての国と同じように。)
 ちなみに、上記の【強み】は全て当ブログがこれまで↓こういう「数値データ」で証明してきたことばかりです。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001011420&cycode=0
 当然、反発したい人も「数値データ」を用いてしてくださいね。
 「いや、そんなことない!日本の治安は悪化していると思う!」とか、個人的な印象論や経験で反論されても、「ああ、そうですか」以外にコメントのしようがありませんので、念のため。
 
 人気ブログランキングに参加しました。
 日本経済、中韓と逆の意味でwktk!と思う方は、↓このリンクをクリックを。
    http://blog.with2.net/in.php?636493  
 ※人気ブログランキングの「ニュース部門」で一位を継続中です。皆様のご協力に御礼申し上げます。m(_ _)m 

 新世紀のビッグブラザーへ ホームページは↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/index.htm
 新世紀のビッグブラザーへ blog一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/blog.html
 関連blogへのリンク一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/link.html